日本株は輸出中心に安い、円高と鉱工業生産下振れ-海運値下がり1位

午前の東京株式相場は、トヨタ自動車や シャープ、コマツなど輸出関連株中心に下落。米国の追加利下げ観測などから 為替相場が円高傾向となっているほか、鉱工業生産が予想より下振れたことな どが嫌気されている。原油価格の最高値更新によるコスト増への懸念や、アナ リストの格下げが重なった海運株は、東証1部の値下がり率トップ。

丸三証券の牛尾貴投資情報部長は、「ドル独歩安が相場に水を差したもの の、米金融保証会社(モノライン)問題が終息に向かっていることから、戻り の中での小さな一服だ」と指摘した。

鉱工業生産について牛尾氏は、「予想よりややマイナス幅は大きかった」 とした上で、「予測指数も含め、昨年半ばからの一進一退という従来の見方を 変えるほどの内容ではない」(同氏)としている。

午前10時23分時点の日経平均株価は前日比213円96銭(1.5%)安の1 万3817円34銭、TOPIXは20.14ポイント(1.5%)安の1344.38。東証1 部の売買高は概算で6億5905万株。値上がり銘柄数は345、値下がり銘柄数は 1231。

悪材料重なる、IT・デジタルの変調

27日のニューヨーク外国為替市場では、主要6通貨に対するドル指数は 1973年の指数算出開始以来の最低水準となった。バーナンキ米連邦準備制度理 事会(FRB)議長が景気てこ入れのため、追加利下げの用意があると示唆し たことが要因。ドル・円相場は3週間ぶりの1ドル=105円台まであり、東京 時間午前は106円台前半での動き。「金利差の縮小から一時的に円高に向かい やすい可能性がある」(丸三証の牛尾氏)という。

一方、1月の鉱工業生産指数は、前月比マイナス2.0%(ブルームバーグ 調査はマイナス0.8%)と2カ月ぶりの低下となった。生産指数の押し下げ寄 与が大きかったのは、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業、一般機械工業 など。また、1月の実現率で特に下落幅が大きかったのは、電機機械工業、情 報通信機械工業、電子部品・デバイス工業だった。

「今まで回復色を強めていたIT・デジタル分野でも、再び生産・在庫を 抑制する動きが見られ始めた点は見逃せない」(野村証券金融経済研究所の木 内登英チーフエコノミスト)との指摘も出ている。

同時発表の2月の製造工業予測指数は前月比2.9%の低下、3月は2.8% の上昇となっている。

新光証券エクイティ情報部の三浦豊シニア・テクニカルアナリストは、 「円高と鉱工業生産悪化という悪材料が重なった。騰落レシオの過熱感が出て いたことで、調整に入りやすい状況」との見解を示した。業種別では輸送用機 器、電気機器の下げがきつい。

東証1部の騰落レシオ(25日平均)は、一般的に120%以上が相場は「過 熱気味」とされる。27日は、136%に達していた。

SFCGが連日安、OKKは急騰

個別に材料が出た銘柄では、ゴールドマン・サックス証券が目標株価を引 き下げたSFCGが大幅続落。減損処理などから今期連結最終損益が一転して 赤字見通しとなった東急ストアも大幅安。みずほ証券が格下げした日本郵船や 商船三井、モルガン・スタンレー証券が目標株価を引き下げた三井金属も軟調。

半面、中期経営計画に対する期待が高まった日阪製作所、自社株買い実施 を発表したOKKが急騰。空港の外資規制見送りの報道を受けて外資流入期待 から日本空港ビルデングも1カ月半ぶりの高値水準となった。