日本株は輸出中心に反落へ、米利下げ観測で円高-鉱工業も注視(2)

東京株式相場は反落する見通し。米国の 追加利下げ観測を背景に外国為替市場でドル安・円高が進み、自動車や電機な ど輸出関連中心に売りが増加するとみられる。原油価格の高値更新でコスト上 昇懸念が広がり、電気・ガスや化学株なども下落、競争激化への不安からNT Tドコモなど通信株にも売りが先行しそう。一方、取引開始前に発表される鉱 工業生産も注視される。

野村証券金融経済研究所の若生寿一シニアストラテジストは、「米国株高 の支援材料がなく、為替も円高傾向とあって、きょうの相場はひと休みとなり そう」と予測。日経平均株価が5日移動平均の1万3791円近辺を維持できれ ば、「次の相場展開に行きやすい」(同氏)との見方を示した。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の27日清算値は1万 3915円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万4030円)に比べて115円安。

3週ぶりの1ドル=105円台

外国為替市場でドル安が進行している。27日のニューヨーク外国為替市場 ではドルが対ユーロで過去最安値を更新し、主要6通貨に対するドル指数は 1973年の指数算出開始以来の最低水準となった。バーナンキ米連邦準備制度理 事会(FRB)議長が景気てこ入れのため、追加利下げの用意があると示唆し たことが要因。1月の米製造業耐久財新規受注額は、前月比5.3%減少した。

FRBの誘導目標であるフェデラル・ファンド(FF)金利を予想するF F金利先物動向によると、28日段階で市場は0.5%以上の利下げを100%(前 日は96%)織り込んだ水準にある。ドル・円相場でも3週間ぶりに1ドル= 115円台までドル安が進んでおり、円高による来期の企業業績への警戒感から、 輸出関連株には売り圧力が膨らみそうだ。

米主要株価3指数の27日終値は高安まちまち。S&P500種株価指数は前 日比1.27ポイント(0.1%)安の1380.02。一方、ダウ工業株30種平均は

9.36ドル(0.1%)高の12694.28ドル、ナスダック総合指数は8.79ポイント (0.4%)高の2353.78だった。

原油は一時最高値、通信には価格競争の材料

一方、ドル安を背景に27日のニューヨーク原油先物相場は一時バレル当 たり102.08ドルの最高値を更新。終値では前日比1.24ドル安の1バレル=

99.64ドルと結局反落したものの、原油価格の高止まりは電気・ガスや化学、 空運、海運などのコスト上昇懸念につながりやすい。

このほか、国内携帯首位のNTTドコモは27日、一定の契約条件を満た す家族間の国内通話を24時間無料にするサービスを4月から始めると発表し た。家族間の通話無料については、KDDIも21日に今年3月からの開始を 発表している。料金競争激化への不安から、通信株も軟調となる見込み。

鉱工業生産は0.8%低下見通し

経済産業省は午前8時50分に1月の鉱工業生産指数(速報)を公表する。 ブルームバーグ・ニュースの調査によると、鉱工業生産指数の予想中央値は前 月比0.8%の低下(前年同月比では3.7%の上昇)となりそう。

野村証券の若生氏は、「慎重な見方がコンセンサスだけに、1月の数字に 大きな影響はないだろう。ただし、先行きに不透明感が出るならば、相場の頭 が重くなる可能性がある」と見ている。2-3月の予測指数も含めた1-3月 期の鉱工業生産指数の予想中央値は、民間調査機関14社で前期比1.1%低下と 4四半期ぶりのマイナスが見込まれる。

ダイエーや東急ストアなど下落見込み

個別に材料が出た銘柄では、衣料品販売の不振などから業績予想を引き下 げたダイエー、減損処理などから今期連結最終損益が一転して赤字見通しとな った東急ストアなどが安くなる見込み。

半面、軽乗用車「パジェロミニ」を新たに日産自動車へOEM(相手先ブ ランドでの生産)供給する三菱自動車、期末配当予想を引き上げたTDK、発 行済み株式総数の3.64%を上限に、自己株式を取得するあいホールディングス などが堅調となる公算。