米国株:S&P500が小反落、公益や薬品に売り-ダウは小幅高

米株式市場ではS&P500種株価指数が 小反落。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が利下げを示唆した ものの、公益事業株や薬品株は売りがかさんだ。

米13州で発電所を所有するエネルギー会社、ダイナジーは決算が予想を 下回り、株価は13年ぶりの大幅安となった。医療機器・医薬品大手のジョン ソン・エンド・ジョンソン(J&J)とバイオテクノロジー最大手アムジェン も安い。両社が販売している貧血治療薬ががん患者の死亡リスクを高めるとす る論文が米学会誌に発表されたことが嫌気された。バーナンキ議長は成長支援 のため「時宜を得た行動をとる」と言明。金融株に買いを誘い、耐久財受注額 減少の悪影響を補う格好となった。

S&P500種株価指数は前日終値を挟んでもみ合った後、前日比1.27ポ イント(0.1%)下げて1380.02で終えた。一方、ダウ工業株30種平均は

9.36ドル(0.1%)高の12694.28ドル。ナスダック総合指数は8.79ポイ ント(0.4%)上昇し2353.78。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落 比率は3対4。

ルーミス・セイレスで30億ドルの資産運用に携わるディーン・グリス氏 は「バーナンキ議長の証言は買い材料視されるような内容だったが、市場では 売りが目立った。米国はすでにリセッション(景気後退)入りしている、ある いはその瀬戸際にあるとの声が多い。それはある程度、織り込まれているのは 確かだが、完全には織り込まれていない」と述べた。

原油在庫の増加を嫌気して原油相場が下落したため、エクソンモービルな どエネルギー株が下げた。バーナンキ議長の証言を受けて大幅利下げの観測が 強まり、ドルはユーロに対して過去最安値を更新した。米住宅抵当金融大手の ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公 社)を監督する米連邦住宅公社監督局(OFHEO)は両社の住宅ローンポー トフォリオの上限を定めた投資制限を解除すると発表。これを材料に金融株が 上昇した。

公益株

ダイナジー株は8.5%安。S&P500種の公益株指数は全10セクターで 下落率首位となった。同社が発表した2007年10-12月(第4四半期)決算 は損益が予想外に4600万ドルの赤字になった。市場予想は黒字を見込んでい た。

ベアー・スターンズのチーフ投資ストラテジスト、ジョナサン・ゴルプ氏 は投資家向けリポートで「公益事業株は非常に割高で、バリュエーション(株 価評価)が20年余りぶりの高水準にある。市場は現在、長期的な価格決定力 に規制など多くのリスクがあることを過小評価している」と述べた。

アムジェン、J&J

アムジェンとJ&Jの株価はともに安い。両社の販売する貧血治療薬が死 亡率を10%高めるとの論文が売りを誘った。

ゴールドマン・サックス・グループやシティグループが金融株の上げを先 導した。ゴールドマンは4.7%高とS&P500種の構成銘柄で上昇率2位とな った。シティは3.1%上昇し、ダウ平均の構成銘柄で上昇率首位。

利下げ確率

バーナンキ議長は景気の「下振れリスク」に対する保険として米金融当局 が「時宜を得た行動をとる」と述べた。

フェデラルファンド(FF)金利先物相場の動向によると、米連邦公開市 場委員会(FOMC)が3月18日の定例会合でFF金利の誘導目標を0.75 ポイント引き下げ2.25%に設定する確率は10%。前日はゼロだった。0.5ポ イントの利下げ確率は90%。

フリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールドなど鉱山株も高 い。金先物相場が過去最高値を更新し、銅が21カ月ぶりに高値を付けたこと が買いを誘った。

資産運用会社ビリニー・アソシエーツのラズロー・ビリニー社長はブルー ムバーグテレビジョンとのインタビューで「相場は底堅くなってきていると思 う。楽観的な見方が強まりつつある」と述べた。

シスコシステムズやアップル、IBMを中心にハイテク株も上昇した。ウ ェルズ・ファーゴ・インベストメンツはシスコを「買い推奨リスト」に加えた。

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