NY外為:ドルは対ユーロで最安値更新、米利下げ観測拡大で売り(2)

ニューヨーク外国為替市場ではドル が対ユーロで過去最安値を更新した。バーナンキ米連邦準備制度理事会 (FRB)議長が景気てこ入れのために追加利下げの用意があると示唆 したことを受けて、ドルは対ユーロで1ユーロ=1.51ドルの水準を割り 込んだ。

また欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのウェーバー独連 銀総裁は市場のコンセンサスは明らかにインフレリスクを過小評価して いると発言。主要6通貨に対するドル指数は1973年の指数算出開始以来 の最低水準を記録した。ドルはスイス・フランに対しても過去最安値、 オーストラリア・ドルとニュージーランド・ドルに対しては23年ぶりの 安値に下げた。

ドイツ銀行の通貨トレーダー、ラッセル・ラスカラ氏(ニューヨー ク在勤)は「ドルにとって新たな一章が始まった」と語る。「各国中央 銀行の見方の違いがみられる」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時6分現在、ドルは対ユーロで1ユーロ=

1.5116ドルと、前日の同1.4974ドルから下落。一時は99年のユーロ導 入以来の最安値となる同1.5144ドルを付けた。ドルは円に対しては1ド ル=106円43銭と、前日の同107円28銭から下げた。ドルはスイス・ フランに対しても1ドル=1.0622フラン(前日は同1.0756フラン)に 下落。ユーロは対円で1ユーロ=160円85銭。前日は同160円67銭だ った。

ドイツ銀のラスカラ氏によると、26日にコーンFRB副議長が信用 市場の混迷や今後さらに経済成長が鈍化する可能性はインフレよりも 「大きな脅威」だと指摘して以降、ドル売りが勢いを増している。

ドルは対ユーロでここ3週間で4%安。米住宅リセッションが悪化 し、消費者信頼感が落ち込んだことから、ドル回復を見込んだポジショ ンが手じまわれている。ブルームバーグがまとめた調査の予想中央値で は、ドルは今年半ばまでにユーロに対し1.45ドル水準まで回復する見通 し。

バーナンキ議長

ドルはこの日、バーナンキ議長の議会証言を受けて、1ユーロ=

1.51ドルの水準を割り込んだ。同議長は「下振れリスクに対する十分な 保険を提供するのに必要な時宜にかなう行動をとる」と発言。また、F RBはドルの動向を「非常に注意深く」見守っているものの、「目標水 準」は設定していないと語った。

シカゴ商品取引所(CBOT)で取引される金利先物相場の動向に よると、トレーダーの過半数は米政策金利が年央までに、現行の3%か ら少なくとも2%には引き下げられるとみている。

クレディ・スイス・グループのシニア通貨ストラテジスト、ダニエ ル・カッツァイブ氏(ニューヨーク在勤)は「米金利低下がドルを圧迫 している」と指摘。「この状況に変化の余地はそれほどないとみている。 ドルは引き続き軟調に推移する見通しだ」と語った。

ドイツ銀はユーロが対ドルで3月31日までに1ユーロ=1.55ドル に上昇すると予想している。

NZドル、豪ドル

ニュージーランド(NZ)ドルは1NZドル=82.13米セントに上 昇した。これはNZドルが23年前に変動相場制に移行して以来の最高値。 米国との金利格差が拡大するとの観測が背景。オーストラリア・ドルも 1豪ドル=94.30米セントと、前日の同93.38米セントから上昇し、84 年以来の高値を付けた。