ヤマダ電株が5連騰、CB発行と同時に自社株買い-新スキーム好感も

家電量販店最大手のヤマダ電機の株価が5 日続伸。前日の取引終了後、最大で1500億円の資金調達を目的としたユーロ円 建転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行を決議したと発表した。調達資金 のうち800億円は借入金の返済に充当する一方、700億円は自社株買いを行う予 定。増資による利益希薄化、将来的な売り圧力の増加に対する懸念が和らぐ格好 となり、市場参加者の間ではヤマダ電が新たに示した資金調達スキームの成功例 と受け止める声も聞かれた。

立花証券の平野憲一執行役員は、「市場関係者の多くが注目していたきょう の取引での続伸は、市場はCB発行に伴う1株利益の希薄化よりも、自社株買い など既存の株主を考慮した施策を評価した動き」と指摘。その上で平野氏は、 「きのうの発表はあくまで財務の問題であり、ヤマダの本業とは別の問題。その 意味でも、市場でのヤマダ電への成長期待は高いと言える」との見方を示した。

この日のヤマダ電株は、一時2.5%高の9690円まで上昇。終値は前日比150 円(1.6%)高の9600円だった。出来高は前日比57%増の257万株。続伸して引 けたヤマダ電株を振り返り、平野氏は「きょう上昇したことで、CB発行と自社 株のスキームの組み合わせた見極めは終わった。今後はCBを発行して自社株買 いする同様のケースが増えるだろう」との見通しを示し、ヤマダ電が日本で新し い形の企業ファイナンスのモデルを持ち込んだことになる、述べた。

27日の市場外買付は230億円、ヤマダ電は「満足」

また同社は27日、株式市場が開催する前の午前8時45分に東京証券取引所 の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で、26日終値9450円で243万株の自社 株を取得したと発表した。取得総額は229億円。前日時点では350億円、370万 株の買い付け委託を行なう予定だった。

ヤマダ電の山田寿経営企画室長は27日、今回の買い付けが予定額に届かな かったことについて、「満足のいく結果だった、今後も6月末まで適宜買い付け る方針」という。また、きょうの株高について「株主への配慮としての自己株取 得が市場で評価されたのなら、うれしい」と話している。今回のスキームの幹事 社は、野村ホールディングス傘下の野村インターナショナル。

独立系投資顧問のマーケット・アンド・テクノロジーズ代表取締役の内山俊 隆氏は、「相場全体の上昇に合わせて家電量販店業界の株価はおおむね上昇した。 特にヤマダ電の関心が強いベスト電機については、今回の資金調達で財務に余裕 が出ると、一段の買い増しに進む可能性があるとの見方から買われた」との見方 を示している。

また内山氏も、今回のCB発行と自社株買いの同時表明に関連し、「既存の 概念にとらわれず、柔軟に対応できる販売の姿勢でヤマダ電は業界で存在感を示 してきたが、ファイナンスについても同じ。前例のない対応が出来る強みが、こ こでも発揮された」と話していた。

ベスト電株が大幅高、伸び率は約5カ月で最大

大手家電量販店の株価はこの日、終値ベースでは軒並み上昇で終えた。中で もヤマダ電が一部株式を保有するベスト電器の株価は大幅反発し、一時は前日比 85円(12%)高の789円まで上げ幅を拡大。終値は同77円(11%)高の781円 だった。9月25日のストップ高(値幅制限いっぱいの上昇)以来の上昇率。

ベスト電の工藤隆志経営企画部長は27日、ブルームバーグ・ニュースに対 して「前日、きょうと株価高騰につながるような情報を開示した事実はない」と した上で、「ヤマダ電からは何も新しい接触はない。われわれもビックカメラと の関係を含め何も変更はない」と語った。

市場シェア2割達成への一環

郊外型の家電量販店でシェアを高めてきたヤマダ電は2006年から、都市型 店舗の運営にも携わり首都圏に進出。巨額の資金を投入して、東京では、池袋、 品川、秋葉原、新橋など主要なターミナル駅に店舗を構え、今後も積極的に出店 を加速させる計画。ヤマダ電機の今回の資金調達は、中期的な営業目標として、 売上高2兆円、市場シェア2割を達成するための方策の一環。

同社の2008年3月通期の連結業績予想は、大画面薄型テレビなどデジタル 家電関連の販売好調を背景として、売上高は同23%増の1兆7780億円、営業利 益は同35%増の751億円とそれぞれ過去最高を見込む。

エディオンは前日比13円(1.2%)高の1077円、ビックカメラの株価は前 日比700円(0.9%)高の7万8700円。ケーズホールディングスは同33円 (1.7%)高の1993円。

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