温暖化による北極の氷溶解も商機に-露ノリリスクなど新型船舶に投資

ニッケル生産最大手、ロシアのノリリス ク・ニッケルは、北極の氷の溶解を商機と見て自社の船舶の建造に投資している。

ノリリスクは、新規の航路開通をにらみ、シベリアの北側の航路を通過でき る強度の高い貨物船5隻を発注した。砕氷船と貨物船を借りる代わりに、強度の 高い船舶の購入に少なくとも3億2000万ユーロ(約510億円)を投じている。

米海軍の気象学・海洋学担当部門の責任者、ティモシー・マギー海軍少尉は、 氷の溶解は「非常に大きな経済的可能性を秘めており、海上貿易はこの生態域を 極限まで押し広げようとするだろう」との見方を示す。

地球温暖化は環境災害を引き起こす恐れがある一方、海運業者や造船会社、 旅行関連業者にとって商機となりつつある。新規の航路の開通により、原油埋蔵 地帯であるシベリアへのアクセスが広がるほか、米国産小麦のアジアへの輸送が 30%速くなり、北極地域への観光が10年間で最大50%増加する可能性もある。

氷で覆われた面積が縮小すれば、船舶は北極地域を航行することが可能とな り、1万1000マイル(1万7699キロ)の航路が7000マイルに短縮され、最大 11日の日数と、80万ドル(約8600万円)分の燃料と労働力の節約につながる。 船舶ブローカーのクラークソン(ロンドン)によると、強度の高い貨物船への投 資額は、1999年時点の5億ドルから2006年には5倍に増加し、25億ドルに達し た。2010年にかけて毎年10%拡大するとみられている。

ノルウェーのアーケル・ヤーズと韓国のサムスン重工業が、米石油精製会社 コノコフィリップスやノリリスクなどからの発注を受け、北極地域を航行する船 舶を建造している。ノリリスクの広報担当者、ビクトール・ボロディン氏は「自 社で輸送設備を保有した方が有利であると判断した」と述べた。

国連のデータによると、北極圏の上空の気温は、世界の気温の過去30年間 の平均上昇率の2倍の速度で上昇している。米国氷雪データセンター(コロラド 州)によると、北極海の氷に覆われた部分は昨年夏、過去最小にまで縮小。これ までの最小だった05年9月時点より22%減少した。

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