昭和電社長:HD月産2400万体制前倒し-アップル薄型PCなどけん引

ハードディスク(HD)外販世界最大手の昭 和電工は、2008年末にHDの月産能力を2400万枚体制とする目標の達成時期を前 倒しする方針。同社製HDが内蔵されたHDドライブ搭載のアップルの世界最薄ノ ートパソコンなどPCの需要が世界的に旺盛なため、数カ月前倒しで体制を構築す る。同社は幅広い用途で利用されるHDの一段の需要増を見込んでおり、今年後半 には早期に次期生産目標を立て顧客への対応を急ぐ。

昭和電工の高橋恭平社長がブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、 「年末にグループで月産2400万枚に引き上げる目標は、今年後半には達成する」 と前倒しで実施する方針を明らかにした。同社長は、「第3四半期(7-9月)中 かどうかは、まだ流動的だが年末では遅すぎる」と述べた。

同社は2007年12月にHD生産で月産2200万枚を達成。05年から取り組んで きたHD事業では、現在までに千葉、台湾、シンガポール2工場の4工場体制で、 生産ラインを追加し生産体制を増強してきた。06年4月は月産能力1375万枚体制 だった。

電子・情報部門が利益をけん引

同社の電子・情報部門は、大半をHD生産が占めている。同社が公表している 2008年度予想によると、同部門の売上高は2650億円と全体の24%程度にすぎない が、営業利益では42%を占める見込み。このため同社の利益をけん引しているH Dの生産能力増強によって、さらに利益拡大を図りたい考え。

HDD市場の世界出荷台数は、矢野経済研究所が昨年12月にまとめた市場調 査によると、2006年は4億2310万台だった。PCのほか、カーナビやゲーム機向 けなどが市場をけん引した。同調査によると、2007年は4億8510万台を見込み、 2010年には6億9790万台に達すると予測している。

高橋社長も、HDを内蔵した商品市場の見通しについて「2008年から2011年 までは市場は伸びる」と予想。また「アップルの世界最薄のノートブックパソコン に代表されるノートPCとHDD搭載のDVDレコーダー、カムコーダーなどの需 要が世界的に旺盛だ」と指摘し、「ノートブックPCとDVDレコーダーはそれぞ れ依然として20%以上の伸びが続くだろう」との見方を示した。

ノートブックPCでは、同社のHDが利用されているマック製PCも伸びが見 込まれている。米金融投資調査会社、パイパー・ジャフレイのジェーン・ムンスタ ー氏は1月のレポートで13.3型ワイド液晶を搭載したサブノートパソコン 「MacBook Air(マックブック・エア)」の販売が今年最大で300万台に達する可 能性がある、としている。

次期増産体制の数量は未定

高橋社長は、次期増産体制で3000万枚台の大台に達するかどうかについて、 「現時点では未定であり、今年の半ば以降の需要動向などを見極めて決定する」と 答えた。同社が、シンガポールの第2工場を建設したときには、将来の需要増を見 越して建設しており、増産体制に対する設備スペースについては「まだ余力は十分 にある」と語った。

同社は、世界で初めて大容量化のための方策である「垂直磁気記録方式」によ るHDの出荷を開始した。同社長は、このインタビューで、すでに同グループ全拠 点でHDの垂直方式への切り替え体制が完了していることを明らかにした。そのう えで、「市場の要求は強い、1年で2倍ぐらいの記憶容量を出していかないと市場 のニーズに合致しない」という。さらに高橋社長は「我々が考えているよりもスピ ードは速い」との認識を示し、垂直方式の次の大容量化の方式も研究を始めている ことを明らかにした。

中計延長で営業利益1000億円イメージ

高橋社長は、今期を最終年度とする中期経営計画「プロジェクト・パッショ ン」を2年延長することもあわせて明らかにし、HD事業を中心とする電子・情報 分野をけん引役として、「2010年に営業利益1000億円、営業利益率10%超をイメ ージしている」と語った。

昭和電工の株価は前日比5円(1.3%)高の381円(午前10時26分現在)。

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