2月26日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を追加します)

○米国株:3日続伸。IBMが150億ドルの自社株買い計画を発表し、買い を誘った。一部小売り大手の増益決算と商品相場の上昇は景気減速にもかか わらず、企業収益が底堅く推移するとの見方を強めた。

IBM株は4カ月ぶり高値。ハイテク株全体の上昇につながった。米百貨 店2位のメーシーズと家電販売大手ラジオシャックも高い。2007年11月- 08年1月(第4四半期)決算はコスト削減が利益増につながり、消費者信頼感 指数が予想以上に落ち込んだ悪影響を打ち消した。コノコフィリップスとエク ソンモービルがけん引役となり、S&P500種株価指数のエネルギー株指数は 7週間ぶりの高水準。ドルが対ユーロで最安値を更新し、原油相場が1バレル =100ドルを上回ったことが買いを誘った。

S&P500種株価指数は前日比9.49ポイント(0.7%)上げて

1381.29で終えた。3日間の上昇率としては年初来で最大。ダウ工業株30種 平均は114.70ドル(0.9%)高の12684.92ドル。ナスダック総合指数は

17.51ポイント(0.8%)上昇し2344.99。ニューヨーク証券取引所(NY SE)の騰落比率は5対2。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのポートフォリオ・ストラテジー担当デ ィレクター、ブライアン・ラウシャー氏は「IBMのニュースはハイテク関連 の設備投資が大きくは減速していないことを示唆している。IBMが株価に割 安感があると判断し、自社株買いを実施できるだけのキャッシュフロー獲得に 自信があることがうかがえる」と述べた。

米労働省が発表した1月の生産者物価指数(PPI)全完成品が前月比 1%上昇し、米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した2月の米消 費者信頼感指数が過去5年間の最低水準に落ち込んだため、売りが先行した。

IBM上昇

IBM株は3.9%高。今回の自社株買い計画は従来の4億ドルの買い戻し 計画への追加措置。1株当たり利益が押し上げられるため、同社は08年の収 益見通しを上方修正した。IBMは07年に自社株買い費用として188億ドル を費やし、今年も最大120億ドルを拠出すると予想している。

マイクロソフトやインテルも高い。

スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の株式アナリスト、ハワー ド・シルバーブラット氏によると、IBMは07年4―6月(第2四半期)に 157億ドルの自社株を購入。四半期での自社株買いの規模としては、最高記録 を保持している。過去3年では343億ドルと、第3位になっている。

自社株買いの低迷

07年は自社株買い(発表ベース)が全体で8589億ドルと過去最高を記 録し、S&P500種株価指数やダウ平均が10月に最高値を更新するのに一役 買った。ただ、住宅不況を背景にS&P500種構成企業の業績が01年以来の 大幅な減益となり、自社株買いのペースが鈍化。ビリニ・アソシエーツによる と、年初から今月22日までに発表された自社株買いは697億ドルと、前年同 期を44%下回っている。

メーシーズは7.1%上昇。利益がアナリスト予想を2.6%上回った。旧メ イ・デパートメント・ストアーズとの統合費用が減少したことが貢献した。

ラジオシャックは22%高となった。コストを削減し、不採算店舗を閉鎖し たことが寄与し、利益がアナリスト予想を上回った。

決算

ディスカウントチェーン2位のターゲットと高級百貨店チェーン、ノード ストロムもアナリスト予想を上回る決算を発表し、株価は上昇した。

ブルームバーグがまとめたデータによると、S&P500種構成企業のうち 455社が07年第4四半期を発表、前年同期比で平均17%の減益となっている。 金融企業を除くと17%の増益。

チェマング・キャナル・トラスト(ニューヨーク州エルマイラ)のシニア 投資責任者、トム・ワース氏は「全般的にみて、収益は非常に良好だ」と指摘 した。

インターネット検索大手のグーグルは安い。オンライン広告のクリック数 が伸び悩んでいるとの調査会社コムスコアのデータを受け、UBSが収益見通 しを下方修正したことが嫌気された。

事務用品小売り世界2位の米オフィス・デポも下落。26日発表した2007 年10-12月(第4四半期)決算は純利益が85%減少し、1880万ドル(1株 当たり7セント)となった。北米の中小企業や個人の支出抑制が響いた。

○米国債:相場は上昇。過去3日間で初めて値上がりした。午前に発表された2 月の消費者信頼感指数が5年ぶり低水準をつけたほか、全米20都市部を対象に した米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指 数がデータを取り始めて以来で最大の落ち込みを記録したのが買いを誘った。

トレーダーの間では住宅市場の悪化を阻止しようと、FOMCがフェデラル ファンド(FF)金利誘導目標を年内に2%まで引き下げるとの見方を強めて いる。ノースカロライナ大学で講演したコーン米連邦準備制度理事会(FR B)副議長は信用市場の混迷や今後さらに経済成長が鈍化する可能性はインフ レよりも「大きな脅威」だと指摘した。

ファースト・ソース・インベストメント・アドバイザーズの運用担当者、ポ ール・ギフォード氏は、「悪化している住宅市場と低調な消費者信頼感が示さ れている限り、金利低下トレンドは継続する」と語った。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後2時42 分現在、2年債利回りは前日比9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイン ト)低下して2.03%。2年債(表面利率2.125%、2010年1月償還)価格は 6/32上昇して100 6/32。10年債利回りは4bp下げて3.86%。

10年債と同じ年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り格差は前日に続 き拡大し、2.45ポイントとなった。10年債とTIPSの利回り格差は今後10 年間のインフレ期待値を示す。

コーン副議長の講演

コーンFRB副議長は、金融当局のこれまでの措置が「非常に厳しい経済 状況」を緩和させるのに十分だったかどうかを見極めるため、今後数カ月間の 動向を「注視する」と語った。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した2月の米消費者信頼 感指数は75.0に低下。ここ5年間で最低水準に落ち込んだ。前月は87.3(速 報値は87.9)に下方修正された。2007年12月の米スタンダード・アンド・プ アーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で9.1%低下し た。前月は7.7%の低下だった。

金利先物市場の動向によると、3月18日のFOMC会合でFF金利が0.5 ポイント引き下げられる確率は90%となっている。6月25日のFOMC会合 までにFF金利が2%まで引き下げられる確率は40%に上昇、前日の同確率は 29%だった。

メリルリンチのデータによると、全償還期限を対象にした米国債の投資リ ターンは年初から前日までに1.7%と、2004年以来で最高となっている。

MBIAの格付け

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがモノライン(金 融保証会社)大手の米MBIAの格付けを「Aaa」で据え置いたことが売り 材料となり、債券相場は値上がり分を削られた。前日にはスタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)がMBIAの格下げを近く実施する意向はないことを 明らかにした。

またこの日は、米労働省が発表した1月のPPI(全完成品)がアナリス ト予想を上回る伸びを示したことが嫌気され、債券が一時下落する場面もあっ た。1月のPPIは前月比で1%上昇、12月は0.3%低下だった。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめた1月PPIのエコノミスト予想中央値は0.4%上昇 だった。

10年債と2年債の利回り格差は前日に続き拡大。10年債利回りが2年債 利回りを183bp上回っており、利回り曲線のスティープニング(傾斜拡大) が示された。今月14日には2004年7月以来最大の193bpを記録した。

米財務省は今週27日に2年債260億ドル、翌28日に5年債160億ドルの 入札を実施する。計420億ドルは2004年以来で最大の規模。

○NY外為:ドルが対ユーロで過去最安値に下落。米国の住宅価格下 落や消費者信頼感指数低下を受けて、政策金利引き下げが継続される との見方が強まった。

ドルは対ユーロでユーロ導入以来の最安値を付けたほか、主要通貨 すべてに対して下落した。コーン米連邦準備制度理事会(FRB)副議 長はこの日、ノースカロライナ大学で講演し、インフレよりも「金融市 場や景気の逆風が米経済の厚生にとってより大きな脅威である」と述べ た。

ドイツ銀行のシニア通貨ストラテジスト、アダム・ボイトン氏(ニ ューヨーク在勤)はコーン副議長の発言は「米連邦公開市場委員会(F OMC)が利下げを続けることを確認するものだ」と指摘。「そのため ドルは一段と圧迫された」と述べた。ドイツ銀は今後3カ月間でドルが

3.5%下落すると予想している。

ニューヨーク時間午後4時2分現在、ドルは対ユーロで1ユーロ=

1.4968ドルと、前日の同1.4830ドルから下落した。これまでのドルの 最安値は昨年11月23日に付けた1.4967ドルだった。ドルは対円では1 ドル=107円27銭。前日は同108円7銭だった。

FRBのドル・インデックス(貿易加重平均指数)によると、ドル は過去5年間に価値の約4分の1を失った。

需要のシフト

米ハーバード大学のエコノミスト、ケネス・ロゴフ氏は、ドルは貿 易加重平均ベースでさらに少なくとも10%下落する可能性があるとの見 方を示した。同氏は「需要が米国から欧州やアジアにシフトしている」 と指摘した。

ニュージーランド(NZ)・ドルは対米ドルで、1985年に変動制に 移行して以来の最高値を付けた。ニュージーランド中央銀行の利上げ観 測が背景。NZドルは一時、1NZドル=81.58米セントに上昇した。

南アフリカ・ランドは主要16通貨すべてに対して上昇。政府報告で、 景気拡大が過去1年間で最も速いペースに加速したことが示された。

ドルはこの日、コーンFRB副議長の講演後、最安値を付けた。

暗い見通し

オンライン外為取引会社ゲイン・キャピタル傘下のフォレックス・ ドット・コムの為替チーフストラテジスト、ブライアン・ドラン氏は 「コーン副議長は米経済に対して非常に暗い見方を示した」と指摘。 「同副議長が示唆したことはFOMCがインフレに関係なく利下げを続 けるということだ。これはドルには明らかに弱材料だ」と述べた。

シカゴ商品取引所(CBOT)で取引される金利先物相場の動向に よると、3月18日の次回FOMC会合で0.5ポイントの利下げが実施さ れる確率は92%。0.25ポイントの利下げ確率は8%とみられている。

ユーロ圏経済

フォレックス・ドット・コムのドラン氏によると、ドル売り注文が 設定されていた1ユーロ=1.4910ドルの水準を割り込むと、ドルの下げ が加速した。

ユーロは対円では1ユーロ=160円58銭と、前日の160円27銭か ら上昇した。一時は6週間ぶりの高値を付けた。ドイツのIfo経済研 究所がこの日発表した2月の企業景況感指数(2000年=100)は104.1 (前月は103.4)に上昇した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト45人の調査中央値では、102.9への低下が見込まれていた。 この統計を受けて、トレーダーの間では欧州中央銀行(ECB)が政策 金利を引き下げるとの見方が弱まった。

スコシア・キャピタルの通貨ストラテジスト、スティーブン・マリ オン氏(トロント在勤)は、「ドイツの景況感指数は米景気鈍化にもか かわらず、ユーロ圏経済が持ちこたえていることを示している」と語っ た。

○英国債:相場はほぼ変わらず。2年債利回りはほぼ1カ月ぶりの高水準にとど まった。株式相場の上昇で、安全投資としての国債需要が抑えられた。

英株式相場の指標であるFT100指数が3週間ぶり高値まで上昇したことか ら、2年債国債相場は朝高から下げに転じた。スタンダード・チャータード銀行 の2007年利益がアナリスト予想を上回ったことが株式相場上昇の一因だった。 また、社債保有リスクが過去最高水準から低下したのに加え、2月のドイツ企業 景況感指数 が予想に反して上昇したことも、国債相場へのマイナス要因となった。

2年債利回りはロンドン時間午後5時までに、前日比ほぼ変わらずの

4.31%。一時は4.34%と、先月31日の高水準まで上げた。同国債(2009年 12月償還、表面利率5.75%)価格は0.01ポイント上げ102.43。10年債利回 りは4.72%となった。

○欧州債:相場は下落。2月のドイツ企業景況感指数が予想に反して上昇したこ とを受け、欧州中央銀行(ECB)による年内の利下げ観測が後退したことが背 景。

米金融保証会社(モノライン)の大手2社による格付け維持への取り組み を好感して高利回り資産への投資意欲が高まり、アジアと欧州の株式相場が上 昇したことも、国債相場にとっては下げ要因だった。ドイツ10年債利回りは一 時、6週間ぶりの高水準まで上昇した。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)の債券ストラテジスト、リチ ャード・マクガイアー氏(ロンドン在勤)は、独企業景況感指数は「ユーロ圏 には米景気減速に対する反発力があることを強調した」と述べ、「ECBが早 急に金融緩和に踏み切るとの観測に疑問を提起した」と指摘した。RBCは10 年債利回りが6月までに3.9%に低下するとみている。

10年債利回りはロンドン時間午後4時39分現在、前日比5ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)上げ4.08%。同国債(2018年1月償還、表面 利回り4%)価格は0.40ポイント下げ99.31。2年債利回りは8bp上げ

3.40%となった。

ドイツのIfo経済研究所が26日発表した2月の企業景況感指数は104.1 と、前月(103.4)から上昇した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノ ミスト45人の調査では、102.9(中央値)への低下が見込まれていた。

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