内閣府:経済の体質強化を議論する専門調査会が初会合-会長に植田氏

内閣府は26日夕、経済財政諮問会議(議長: 福田康夫首相)の専門調査会で、新興国などの成長活力を取り入れると同時に、 内需拡大を図ることなどを検討する「構造変化と日本経済」の初会合を開催し た。会長には福田首相の指名で、元日銀審議委員の植田和男東大大学院教授が 就任した。

大田弘子経済財政相は冒頭のあいさつで、「足元の日本経済は下振れリスク を抱えている」とする一方、「バブル崩壊後の痛手からは抜け出して、ようやく 正常な状態に戻っている」と指摘。同時に「この間に世界経済の構造があまり にも大きく変わった」と述べ、日本の経済構造について点検したいと語った。

具体的な議論の内容について大田経財相は、①ダイナミックに変化する世 界経済と共に成長できる経済構造②人口減少下で内需の厚みを増す経済構造③ 世界の資金の流れが大きく変化する中で1500兆円を超える個人金融資産を持つ 日本のチャンスと潜在的なリスク-などの観点から、委員に議論を求めた。そ の上で、経財相は専門調査会の議論の結果を踏まえ、日本が7月に北海道で開 くサミット(主要国首脳会議)で経済構造に関するメッセージを出せれば「有 意義だ」と語った。

経済構造の転換を提唱した報告書では、1985年のプラザ合意に伴う急激な 円高への対応と巨額な貿易黒字削減を図るため内需主導の経済成長を訴えた 「前川リポート」が有名だ。同リポートは当時の中曽根康弘首相に提出された。 前川リポートから20年余を経て、日本経済の構造と取り巻く環境が激変してい るとの意識の下で短期集中的に議論をし、6月をめどに報告書をまとめる。

富士通総研経済研究所の米山秀隆主任研究員は、内需拡大論が強まってい ることについて、「内需拡大の必要性については否定しないが、人口減少局面を 迎えた日本で内需拡大を図るといっても限界がある点があまり認識されていな い」と指摘。それよりは、地理的に近い中国やインドなど「新興国の需要を積 極的に取り込むことで、むしろ外需依存の経済成長を高めていくことが、今後 も成長を続けていく近道となるのではないか」との考えを示している。

専門調査会のメンバーは、氏家純一野村ホールディングス会長、牛尾治朗 ウシオ電機会長、香西泰政府税制調査会会長、産業再生機構の前専務を務めた 冨山和彦経営共創基盤代表取締役、世界銀行の前副総裁でシンクタンク・ソフ ィアバンクの西水美恵子シニアパートナーら計11人。

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