訂正:日本株(終了)午後崩れ反落、電力や通信安-14000円つかの間

東京株式相場は反落。日経平均株価は一 時、およそ1カ月半ぶりに1万4000を回復する場面もあったが、午後になっ てディフェンシブ関連業種を中心に売り圧力が高まった。燃料価格上昇による 収益の影響が懸念された電気・ガス株が下げ、複数の投資判断引き下げを受け て急落したKDDIなど情報・通信株も安い。穀物価格の上昇による業績懸念 も悪材料視され、食品や小売株にも下落する銘柄が目立った。

三井住友アセットマネジメント国内株式アクティブグループの生永正則ヘ ッドは、「金融保証会社(モノライン)に対する期待感は25日にかなり織り 込み、買い戻しが一巡したことでやや戻り一服感が出た」との見方を示した。 ただ世界経済への過度な不安が後退しつつあることで、「ディフェンシブ関連 株を一方的に買い上げる動きは見られなくなりつつある」(同氏)という。

日経平均株価の終値は前日比89円85銭(0.7%)安の1万3824円72銭、 TOPIXは8.07ポイント(0.6%)安の1347.47。東証1部の売買高は概算 で20億9370万株、売買代金は2兆4819万株。値上がり銘柄数は291、値下 がり銘柄数は1369。業種別では証券・商品先物取引、不動産、電気機器、機 械が高い。半面、情報・通信、電気・ガス、銀行、食料品、陸運、小売は安い。

モノライン不安後退も節目到達で一服感

格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は25日、米モ ノライン大手のMBIAを格下げ方向での見直しの対象から外したことを明ら かにした。追加損失による信用収縮への懸念が和らぎ、午前は金融や不動産を 中心に日経平均は139円高の1万4053円まで上昇した。取引時間中の1万 4000円回復は1月15日以来。大和投資信託の長野吉納シニアストラテジスト によると、「モノラインの格下げ維持で問題点がすべて落着とはならないが、 ある程度の時間的な猶予はできた」という。

もっとも、前日の大幅高の反動や心理的な節目の1万4000円を回復した こともあり、午後は目標達成感から売りが優勢。過度な不安こそ後退したもの の、市場では「米住宅ローン問題の広がりによる金融機関の損失や実体経済悪 化は止まっておらず、米国のリセッションや世界経済の急減速への警戒感は根 強い」(いちよし投資顧問の秋野充成運用部長)とされた。米紙ウォール・ス トリート・ジャーナルが、米シティグループの投資銀行部門のトレーダーが 15億ドルの損失を被ったと報道した後に売りが増えるなど、一本調子で上昇 するほど楽観が広がっていないことも裏付けられた。

ディフェンシブ銘柄が安い

相場の下げを主導したのは景気動向に左右されにくいディフェンシブ関連 株。原油やLNG(液化天然ガス)などの原料高を受け、野村証券では「電 力・ガス株は燃料費の上昇を料金に転嫁きれないリスクがある」とのリポート を作成。同じく、同証券やみずほインベスターズ証券の格下げでKDDIなど 情報・通信株も軟調となった。また、日清食品をはじめとする食品株、セブン &アイ・ホールディングスといった小売株の下げについては、「穀物価格の高 騰で販売価格への転嫁が十分できない可能性がある」(三井住友アセットの生 永氏)との声もあった。

2月決算企業の配当権利落ち日を26日に迎えた小売株については、「こ れまでは春以降の賃金上昇への期待感が強かったが、外部環境が悪化したこと で賃上げに限度が出てくる可能性がある」と大和投信の長野氏は指摘。株価は 個人消費の悪化を織り込んだとしながらも、明るい見通しがないので、買いに くいとしていた。

個別に材料が出た銘柄では、業績予想を下方修正した菱洋エレクトロやイ ンボイス、不動テトラがそろって急落。いちよし経済研究所が格下げした創建 ホームズは値幅制限いっぱいのストップ安。

不動産は上昇、IHIも急伸

半面、TOPIXの上昇寄与度2位となるなど不動産は上昇が目立った。 金融収縮不安の後退のほか、「海外でREITや住宅株が持ち直しの動きを示 していることもプラス材料」(水戸証券の松尾十作投資情報部長)とされた。 不動産は、国内では土地価格やマンション市場の悪化が悪材料となっているが、 土地価格の過熱感が収まれば、資金力がある大手不動産の業績にとってプラス になるとの声も出ている。大和総研が格上げした三菱地所は売買代金を伴って 大幅高となった。

このほか、事業の再構築を発表してゴールドマン・サックス証券が強気の 投資判断を確認したIHI、JPモルガン証券が格上げしたあいおい損害保険 が急伸。来期業績の期待感からクレハが1年9カ月ぶりの高値となったほか、 出資会社の売却報道で選別姿勢が評価された日本板硝子は続伸。発行済み株式 総数の5.33%に相当する自社株を消却すると発表した日本ガイシも続伸した。

新興市場は高安まちまち

国内新興3市場は高安まちまち。東証1部市場の方向感が定まりにくい中、 個別に材料が出た銘柄中心に売買された。ジャスダック指数の終値は前日比

0.26ポイント(0.4%)安の65.66と4日ぶり反落、東証マザーズ指数は7.43 ポイント(1.1%)安の679.82と反落した。一方、大証ヘラクレス指数は

1.26ポイント(0.1%)高の1045.65と続伸。

今期業績は計画を下回る見通しと26日付の日本経済新聞朝刊が報じた日 本パーキングが大幅安となり、業績予想を下方修正したダイナシティはストッ プ安。公募増資を行うエノテカも軟調だった。半面、業績予想を増額したアル ゼ、前期を上回る配当実施と子会社である株式新聞社の合併を同時発表したモ ーニングスターがともにストップ高。

--共同取材:河野 敏  Editor:Shintaro Inkyo

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