金融機関に新たな損失か-SIVの次はVIE、追加損失880億ドルも

米証券大手ゴールドマン・サックス・グル ープやリーマン・ブラザーズ・ホールディングスでさえ、信用危機を回避できて いなかった事実に気付くかもしれない。

新たに発生の可能性がある損失の根源はバリアブル・インタレスト・エン ティティー(VIE)と呼ばれる事業体。この事業体を通じて、金融機関はサブ プライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連証券などの資産をバランスシ ート(貸借対照表)から切り離すことができる。調査会社クレジットサイツによ ると、住宅市場崩壊の影響を受けた金融機関は、VIEによって新たに880億ド ル(約9兆5000億円)の損失を被る恐れがある。ゴールドマンは先月時点で、 VIE関連で最大111億ドルの損失が出る可能性を指摘していた。

モルガン・スタンレーのクレジットストラテジー責任者、グレゴリー・ピー ターズ氏は、資産投げ売りでもう一弾の損失計上騒ぎが起きる可能性が「常にわ れわれの最大の懸念であり続けている」と語っている。

VIEは、デフォルト(債務不履行)に備えた保証付きの証券などを担保に 短期証券を発行する。米アムバック・ファイナンシャル・グループなど大手金融 保証会社(モノライン)が格下げの可能性に直面するなか、金融機関は資産を連 結対象にして評価損計上を強いられる可能性がある。

モノライン最大手のMBIAは25日、地方債保証事業と資産担保証券の保 証事業を分離する計画を発表したが、ピーターズ氏によれば、この動きでVIE が抱える資産は一部格下げにつながる公算が大きいという。

金融業界のVIEが発行したコマーシャルペーパー(CP)の残高は先週時 点で計7840億ドルだった(米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サー ビスと米連邦準備制度調べ)。

クレジットサイツによる追加損失の見積もりは、各種予測の中でも最大級と なっている。

これまでに問題が表面化したストラクチャード・インベストメント・ビー クル(SIV)と同様、VIEもCPを発行することが多い。金融機関は与信を 通じてVIEを支えることで合意しているため、誰も買わなくなったCPや短期 証券を購入する必要に迫られる。

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