モノラインのMBIAとアムバック:格付け維持に向け取り組み強める

金融保証会社(モノライン)世界1、2位の 米MBIAとアムバック・ファイナンシャル・グループは、格下げを回避するた めの取り組みを強めている。格下げとなれば、新たな金融保証が困難になる恐れ がある。

MBIAは25日、同社の資産担保証券の保証事業を半年間停止し、向こう 5年以内に同事業を地方債保証事業から分離する計画を明らかにした。また四半 期配当を無配とする方針を示した。

一方アムバックは、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス とスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の「AAA」格付け維持を目指し、 約30億ドル(約3200億円)規模の資本増強計画を複数の銀行と協議している。

S&Pはこうしたモノラインの取り組みが成功する可能性を示唆している。 S&Pは同日、MBIAを格下げ方向での見直しの対象から外したことを明らか にした。アムバックについては依然として格下げ方向での見直し対象とした。米 オッペンハイマーのアナリストによれば、両社が格下げされた場合、銀行は、保 有する保証対象証券に絡んで最大で700億ドル(約7兆5600億円)の損失を被 る可能性がある。

ジャック・マルビー氏(ニューヨーク在勤)率いるリーマン・ブラザーズ・ ホールディングスのアナリストらは同日付の顧客リポートで、「モノラインの相 次ぐ格下げがかろうじて避けられるとみる若干の楽観性が、近い将来の資本市場 の信頼感回復に大きな役割を果たすこともあり得る」と指摘した。

S&Pは、MBIAの格付けアウトルックを「ネガティブ(弱含み)」に据 え置いた。これは、格付け変更は差し迫っていないものの、変更があれば、引き 下げ方向になる可能性を意味する。

MBIAの25日終値は前週末比2.40ドル(20%)高の14.58ドル。アムバ ックは1.70ドル(16%)高の12.41ドル。

「安定性の回復」を目指す

一方、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは依然として、 MBIAとアムバックを格下げ方向で見直している。同業のフィッチ・レーティ ングスは先月、アムバックの保険部門の保険会社財務格付けを「AA」に引き下 げた。フィッチはMBIAの格下げも検討している。

MBIAのジョゼフ・ブラウン最高経営責任者(CEO)は株主あて書簡で、 「現在われわれが取り組んでいるすべてのことは、安定性の回復に集約される」 と述べた上で、「今後数カ間は多難な状況が見込まれ、その期間はより長引く可 能性もある」と予想した。

またMBIAのブラウンCEOは、同社が先月発表した2007年暫定決算に ついて「疑問点」があるため、まだ承認していないと述べた。

25日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、アム バックは既存株主に対する株式発行で25億ドル、サープラスノート発行により 5億ドルを調達する計画だ。

一方、MBIAは米投資会社ウォーバーグ・ピンカスへの普通株とワラント 債の売却と、10億ドル相当のサープラスノート発行により増資を行った。