米SEC:インサイダー取引訴訟で不利-ヘッジファンドのPIPE

米国ではヘッジファンドの運用担当者らが、 私募形式で買い入れた株式を使った取引で自動的に利益を得る権利をめぐり、 当局と争っている。今のところ、ヘッジファンド側が有利な状況だ。

米証券取引委員会(SEC)は、私募で割安に取得した株式を用いて手じ まいできることを知りながら空売りをしたとして、ヘッジファンドマネジャー を訴えている。だが、未登録株の取引が関与するため、こうした行為は違法だ とするSECの主張は、昨年10月以来、3人の判事により退けられている。

米法律事務所ローウェンスタイン・サンドラーのパートナー、スティーブ ン・シッサー氏は「SECの敗訴が確定すれば、ヘッジファンドは空売りが一 段としやすくなる」と述べる。同氏は、一般的には未公開株に投資するプライ ベートエクイティ(PE)ファンドが上場企業の私募増資で株式を取得する、 いわゆる「プライベート・インベストメント・イン・パブリック・エクイティ (PIPE)」などを担当している。

SECの言い分は、私募発表前に株式を空売りすることは、違法なインサ イダー取引に当たるというもの。検察当局も刑事事件で同じ主張をしているが、 SECは法廷で厳しい対応を迫られている。1件の裁判では、判事から訴えに 関するより詳細な情報の提出を命じられた。

米調査会社サギエント・リサーチ・システムのプレースメントトラッカー によれば、企業が迅速に資金を調達できるPIPE関連の株式発行は2007年、 1434件の836億ドル(約9兆200億円)に達した。PIPEは、株式が割り引 いた価格で発行されるため、実質的に保証された利益を得る機会となる。プレ ースメントトラッカーのまとめでは、昨年の割引率は平均12%だった。

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