東製鉄株が急伸、鋼材値上げで採算改善期待-PBRで下値限定の見方

電炉鉄鋼最大手の東京製鉄の株価が急伸。 鋼材の値上げによってマージン(利幅)が改善に向かうとの期待が高まっている。 足元のPBR(株価純資産倍率)が企業の解散価値を示す1倍を下回ることから、 下値は限定的との見方も直近の反発トレンドをより鮮明にさせた。一時は前日比 106円(8.3%)高の1390円まで上げ幅を広げ、昨年12月12日(高値1396 円)以来の高値水準を回復。午前終値は7.2%高の1377円。

野村証券金融経済研究所の大川将アナリストは、2009年3月期は競合する 高炉会社が大幅な鋼材値上げを行い、また海外鋼材市況が上昇しているため、 「東製鉄の鋼材価格も従来の予想以上に上昇する見込みになった」(25日付の 投資家向けリポート)と指摘している。

その上で大川氏は、09年3月期のスクラップ価格の上昇は鉄鉱石、原料炭 価格ほどにはならないと予想され、鋼材の値上げによりマージンが改善するとし て、同期の単独経常利益を08年3月期予想比3%減から同74%増へ大幅に上方 修正した。

野村金融研では、09年3月期の予想PER(株価収益率)は12倍で、セクタ ー平均の11倍と比べて割安感はなく、10年3月期は再び減益が予想されるなど懸 念材料もあるとの認識。ただ、09年3月期の業績モメンタム改善を考慮すると、 PBRが0.8倍にある株価がこれ以上調整する要因はなくなってきたと判断して おり、投資判断を5段階評価の「4」から「3」に1段階引き上げた。

東製鉄は19日、3月契約分の鋼材全品種について一般流通価格を1トン当た り前月比7000円-1万2000円(最大13%)値上げすると発表。2カ月連続の大幅 値上げとなった。2月に引き続き、主原料の鉄スクラップが高値を更新している 上、マンガンやニッケルなど副原料、エネルギー価格の高騰が続いているため。 マンションに使う代表的な建設用鋼材のH型鋼は同1万円(12%)高の9万6000 円、厚板は同1万2000円(13%)高の10万2000円、異形棒鋼は同7000円(10%) 高の8万円など。

H形鋼については、26日付の日本経済新聞朝刊が「卸間の取引価格が25日、 初めて1トン9万円台に乗せ、最高値を更新した」と伝えている。

--共同取材:竹本 能文  Editor:Shintaro Inkyo

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