日本株は続伸、モノライン安心で金融や不動産高い-14000円回復も(

午前の東京株式相場は続伸し、日経平均 株価は取引時間中としては1月15日以来、一時1万4000台を回復する場面も あった。格付け会社による米金融保証会社(モノライン)大手のMBIAの格 付け維持方針から信用収縮懸念が和らぎ、金融や不動産株中心に買いが優勢と なった。相場の回復期待を背景に、証券・商品先物取引は東証1部業種別上昇 率1位。為替の円安傾向からソニーなど輸出関連株も堅調だった。

大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、「モノラインの格下げ 維持で問題点がすべて落着とはならないが、ある程度の時間的な猶予はでき た」と評価した。日経平均の1万4500円以下は急速に下げた経緯から、長野 氏は「1万4500円程度までは現在の自律反発で戻してもおかしくない」(同 氏)と見ている。

日経平均株価の午前終値は前日比68円94銭(0.5%)高の1万3983円51 銭、TOPIXは6.95ポイント(0.5%)高の1362.49。東証1部の売買高は 概算で10億1289万株、売買代金は1兆1702万株。値上がり銘柄数は615、値 下がり銘柄数は983。業種別では電気機器、不動産、輸送用機器、銀行、証 券・商品先物取引が高い。半面、電気・ガス、情報・通信、小売は安い。

S&PがMBIAの格付け維持

日経平均が1万4000円台を回復する原動力となったのは、過度な信用収 縮懸念の後退。格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は25 日、MBIAを格下げ方向での見直しの対象から外したことを明らかにした。 金融収縮に対する不安感はなお残るものの、いったん最悪シナリオを織り込ん だ後だけに、東京市場でも銀行や保険株にきょうも買いが継続。相場回復への 期待感から証券株も急騰するなど、金融株が相場の戻りを主導した。米個人消 費への過度な懸念が後退、為替が円安傾向だったことで、輸出関連株も堅調だ った。

業種別では、TOPIXの上昇寄与度2位となった不動産の上昇が目立っ た。金融収縮不安の後退のほか、「海外でREITや住宅株が持ち直しの動き を示していることもプラス材料」(水戸証券の松尾十作投資情報部長)とされ た。不動産は、国内では土地価格やマンション市場の悪化が悪材料となってい るが、「土地価格の過熱感が収まれば、資金力がある大手不動産の業績にとっ てプラスになる」(大和投信の長野氏)という。

ソニーが続伸、IHIは値上がり上位

個別に材料が出た銘柄では、新たな液晶テレビ用パネルの調達先にする方 針を決めたシャープと同パネルを共同生産することで基本合意したと26日付 の日経新聞朝刊が報じたソニーが続伸。JPモルガン証券が格上げしたあいお い損害保険、野村証券が投資判断を引き上げた東京製鉄、事業の再構築を発表 したIHIがそれぞれ東証1部値上がり率上位となった。発行済み株式総数の

5.33%に相当する自社株を消却すると発表した日本ガイシがそれぞれ大幅高。

指数伸び悩む、小売安い

もっとも、日経平均1万4000円を上回る局面では戻り売りも見られ、買 い一巡後はやや伸び悩んだ。値下がり銘柄も値上がり銘柄数を上回った。イオ ンやセブン&アイ・ホールディングスなど小売株や、食料品など景気動向に左 右されにくいディフェンシブ関連株の下げも散見される。

指数を押し下げた小売株については、クレディ・スイス証券が専門店全体 や衣料専門店、家電量販店、総合量販店など小売りのサブセクターの投資判断 を引き下げた。足元業績を勘案したほか、08年度の個人消費見通しを保守的に 修正したため。大和投信の長野氏は「これまで小売は春以降の賃金上昇への期 待感が強かったが、外部環境が悪化したことで賃上げに限度が出てくる可能性 がある」と指摘。株価は個人消費の悪化を織り込んだとしながらも、明るい見 通しがないので、買いにくいとしていた。

KDDIは52週安値、電気・ガス軟調

半面、野村証券などが格下げしたKDDIが売買代金上位で大幅安となり、 52週安値を更新。業績予想を下方修正した菱洋エレクトロやインボイスは急落 した。原油やLNG(液化天然ガス)などの原料高を受け、業績不安が高まっ た電気・ガスでは東京電力や東京ガスをはじめとして総じて軟調。