IHI株が急騰、懸案のセメント事業売却を評価-配当も維持へ(2)

特設注意市場銘柄のIHIの株価が2日続 けての大幅高で、この日は一時21円(9.6%)高の240縁まで上げ幅を拡大した。 25日に、懸案だったセメント事業の売却先を川崎重工業と決め、人事も刷新す ることを明らかにした。また東京証券取引所に対しては、巨額赤字発生の原因と、 その防止策を盛り込んだ「改善報告書」を提出。さらに、今期末の配当を維持す る方針も示し、構造改革の進展を評価した買いが優勢となった。

午前終値は8.2%高の237円。売買高は1378万株と、昨日終日の1652万株 に対し、およそ83%を午前でこなした。

IHIは25日、巨額赤字の一因となったセメントプラント事業を国内重工 業2位の川崎重工業グループに売却すると発表。サウジアラビアでの欠陥工事な どによる採算悪化で、130億円の営業赤字が発生する見込みと発表していた事業 であり、川崎重の100%子会社、カワサキプラントシステムズ(神戸市)に4月1 日付で事業譲渡することにした。

これ以上損失は発生せず、プラントはLNG集中へ

川重側は特許などの技術情報や、顧客リストなどの営業情報だけを引き継ぐ。 IHIは事業譲渡に伴う利益や損失を特別損益に計上する予定だが、IHI広報 室の坂本恵一課長代理は、昨年9月に発表した巨額赤字に関して「会計上処理済 なので、これ以上の損失は発生しない」としている。IHIでは今後、プラント 事業はLNG貯蔵設備などに集中する。

一方、IHIは同日、1株当たり4円の期末配当を前期に続いて2008年3 月期も継続して実施する事を決め、年間配当(配当は期末配のみ)を4円とする とも発表した。

コスモ証券エクイティ部の清水三津雄副部長は、「配当継続が確認できれば、 機関投資家はポートフォリオからIHI株を外す理由がなくなる」と指摘した。 さらに、こうした機関投資家の動きを先読みし、株価の底堅さを予測した買いが 入っている点もこの日の急伸に拍車をかけたという。

また清水氏は、セメント事業売却に関しても「やるべきことを着々と進めて いる」と評価。

日興コーディアル証券エクイティ部の西広市部長は、セメント事業の売却を 評価した上で、「株式市場全体の地合いが良くなってきている面もあり、売り方 の買い戻しが入っている」との認識を示していた。前日25日時点の日本証券金 融ベースの信用取り組み状況は、買い793万株に対し、売りは604万株。売り残 は前週末比で4%増えていた。

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