2月25日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:大幅続伸。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が金融保証 会社(モノライン)大手の信用格付けを「AAA」で維持したため、損失が 拡大するとの懸念が後退し、買いが膨らんだ。

モノライン大手のMBIAとアムバック・ファイナンシャル・グループは S&P500種株価指数のけん引役となり、銀行株や保険株は上げに転じた。M BIAとアムバックは1兆2000億ドルの債券保証を最高格付けに依存してい る。エクソンモービルは1カ月ぶりの大幅高。天然ガス相場が2年ぶりの高値 を付けたことが背景にある。抗がん剤米最大手のジェネンテックはほぼ3年ぶ りの高い上昇率となった。同社の主力製品である「アバスチン」が乳がん治療 薬として承認を得たことが買いを誘った。

S&P500種株価指数は前週末比18.69ポイント(1.4%)上げて

1371.80で終えた。ダウ工業株30種平均は189.20ドル(1.5%)高の

12570.22ドル。ナスダック総合指数は24.13ポイント(1.1%)上昇し

2327.48。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は6対1。

アルパイン・ウッズ・キャピタル・インベスターズで金融サービス株を運 用するピーター・コバルスキ氏は「安ど感から買いが入った。信用市場の崩壊 に対してぜい弱だった金融株はこのニュースで反発した」と述べた。

ブルームバーグがまとめた予想によると、S&P500種株価指数の金融株 指数を構成する企業は2007年第4四半期が損益が赤字となり、08年上半期を 通じて減益になるとみられている。株価は年初から6.4%下げている。アムバ ックやMBIAが裏付ける債券の保証機能が崩れるとの懸念が一因。

MBIAとアムバックを中心に買いが入り、S&P500種の金融株は

1.2%高となった。一時は1.8%安になる場面もあった。

MBIAはS&Pの格付け見通し対象のリスクから除外され、「AAA」 格付けを失う可能性が後退した。一方、アムバックはまだ格下げ方向での検討 対象になっている。

メンドン・キャピタル・アドバイザーズの運用担当者、アントン・シュッ ツ氏は「格付けが維持される限り、アムバックとMBIAの保証する証券に対 し、銀行は評価損を計上する必要はない」と指摘した。

天然ガスが1.7%上昇したことを背景にエクソンやシェブロンも高い。

ジェネンテックは急伸。アバスチンの影響で今年の売上高が7億ドル超増 える可能性がある。

ボストン・サイエンティフィックは心臓用医療機器で当局の認可を受けて 上昇した。

ホーム・デポなど米住宅関連用品小売り大手の株価も高い。1月の中古住 宅販売件数が予想ほど減少しなかったことを好感した。

シティの下げ

金融株は売りが先行した。米オッペンハイマーのアナリスト、メレディ ス・ホイットニー氏は25日、顧客向けにリポートを発表し、米シティグル ープ の2008年1-3月期決算は前四半期に続き赤字になる可能性があると 指摘した。シティ株はダウ平均の構成銘柄で下げが最もきつかった。

フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)も安い。ゴールドマン・サック ス・グループはファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とともに投資判断を「売 り」に引き下げた。住宅市場の深刻な悪化にともなう信用損失が理由。

○米国債:相場は続落。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P) が金融保証会社(モノライン)大手MBIAの格付けを近く、引き下げる可能性 はないことを明らかにしたことから、比較的安全とされている米国債の需要が損 なわれた。

MBIAや同業のアムバック・ファイナンシャル・グループは、保証する1 兆2000億ドルの地方債および資産担保証券(ABS)の「AAA」格付けを維 持するとの観測が広がり、投資家は債券に売りを出し、株式を買った。このほか 午前に発表された1月の中古住宅販売が予想を上回ったことも悪材料となった。

フィフス・サード・アセット・マネジメントの債券責任者、ミッチェル・ス テープリー氏は、「市場でまとまった安堵感がみられた。市場にある不透明感を ある程度緩和する材料が出ると、リスク市場にとっては買い材料となり。債券市 場にとっては悪材料となる」と語った。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時4分 現在、10年債利回りは前週末比10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイン ト)上昇して3.9%。10年債(表面利率3.5%、2018年償還)価格は25/32 下落して、96 22/32。2年債利回りは11bp上昇して2.13%。

MBIAの格付け見通し

S&Pが発表した文書によると、MBIAの格付け見通しは引き続き「ネガ ティブ」。これは格付けが下げ方向に向かう可能性を示しているが、今すぐに引 き下げられるというわけではない。一方のアムバックはなお、格下げの方向で見 直されている。

ストーン・アンド・マッカーシー・リサーチ・アソシエーツの債券アナリス ト、ジョン・キャナバン氏は、「信用問題の最悪な材料の大半は織り込み済みだ。 これを受けて一部の市場参加者は債券投資を手控えている」と語った。

S&Pの発表を受けて、米社債の保有リスクが約1週間ぶり低水準をつけた。 フェニックス・パートナーズ・グループによれば、CDX北米投資適格指数は前 週末比7.5bp低下して145bp。

米国債相場のボラティリティ(予想変動率)の指標であるメリルリンチのM OVE指数は22日に161.5まで上昇した。これは1月29日以来の最高。連邦 公開市場委員会(FOMC)は30日にフェデラルファンド(FF)金利誘導目 標を0.5ポイント引き下げている。

中古住宅販売

全米不動産業者協会(NAR)が発表した1月の中古住宅販売件数(季節調 整済み、年換算、以下同じ)は前月比0.4%減の489万戸。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は480万戸だった。前月は491万 戸と速報値の489万戸から修正された。

10年債と2年債の利回り格差はほぼ変わらずの178bp。今月14日に同格 差は2004年以来最大の193bpを記録した。

米財務省は今週27日に2年債260億ドル、翌28日に5年債160億ドルの 入札を実施する。計420億ドルは2004年以来で最大の規模。いずれも前回実施 より20億ドル多い。

金利先物市場動向によると、3月18日のFOMC会合でFF金利が0.5ポ イント引き下げられる確率は90%となっている。10%は0.25ポイントの利下 げを見込んでいる。

○NY外為:円が主要16通貨すべてに対して下落した。格付け会社のスタ ンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米金融保証会社(モノライン) 大手MBIAの格下げ方向での見直しを解除すると発表したことから、ト レーダーの間で高利回り資産買いが促進された。

この日はモノライン2位のアムバック・ファイナンシャル・グループ が格下げ回避に向け資本を増強するとの観測を受けて、円が下落し始めた。 モノラインの格付け懸念緩和を受けて、円で調達した資金による高利回り資 産の買いが促進されたことが背景。

スタンダード・チャータード銀行のシニア通貨ストラテジスト、マイク ・モラン氏は「S&Pの発表で、差し迫った暗雲が取り除かれた」と指摘。 「モノラインの資本増強のニュースでリスク志向が強まっており、円が不 利になっている」と付け加えた。

ニューヨーク時間午後4時5分現在、円は対ドルで1ドル=108円 6銭。22日は同107円17銭だった。円はユーロに対しては1ユーロ= 160円24銭と、前週末の同158円99銭から下落した。ドルは対ユーロ で1ユーロ=1.4828ドル。前週末は同1.4827ドルだった。

ハンガリー・フォリントは一時2.4%上昇。同国中銀が26日付で自 国通貨フォリントの対ユーロでの取引価格制限を取り除くと発表したこ とが背景だった。

原油相場がバレル当たり99ドルを上回るなか、商品需要が強まった ことから、円はカナダ・ドルに対し最も下げた。

アムバック観測

S&Pの発表によると、MBIAの見通しは「ネガティブ」で据え 置かれたが、何も差し迫った状況ではない。また、アムバックについて は引き続き格下げ方向で見直すという。

状況に詳しい関係者によると、アムバックの資本増強に関する合意 が今週中にも発表される可能性がある。アムバックの広報担当、バンダ ナ・シャルマ氏は取材依頼に応答していない。

AIGファイナンシャル・プロダクツ(コネティカット州ウィルト ン)で外為取引の世界責任者を務めるジェフ・グラドスタイン氏は、 「リスク志向が戻っており、円を圧迫している」と述べた。「銀行各行 がモノライン各社の資本増強に向けた支援で合意に近づいているとの報 道をめぐって市場は有頂天になった」と語った。

米中古住宅販売

全米不動産業者協会(NAR)が25日に発表した1月の中古住宅販 売件数(季節調整済み、年換算、以下同じ)も円の下落材料となった。 同件数は前月比0.4%減の489万戸。ブルームバーグ・ニュースがまと めたエコノミスト予想の中央値は480万戸だった。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのグローバル・マーケット・ グループで世界戦略を担当するサマルジット・シャンカー氏は「米経済 に関する良好な統計が出ると、円が圧迫される」と指摘。「株式や商品 に買い意欲が戻っている」と語った。

○英国債:相場は下落。世界の株式相場が上昇したのに加え、米銀によるサブプ ライム(信用の低い個人向け住宅ローン)損失の拡大抑制の動きを受けて、安全 投資としての国債需要が減退した。

2年債利回りは、3週間ぶりの高水準まで1ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)未満に近付いた。米金融保証会社(モノライン)大手のアムバック・ ファイナンシャル・グループが30億ドル(約3240億円)の資金増強を得、格 付け引き下げを回避できれば、金融機関は損失拡大を免れることができるとの観 測が広がった。これを受けて、高利回り資産への資金流入が進んだ。英株式の指 標指数であるFT100指数は一時、2.1%高となった。

モルガン・スタンレーのエコノミスト、リカルド・バウビエリ氏(ロンドン 在勤)は、「アムバックが銀行団から資金増強を受けるとのニュースを背景に、 株式相場は大幅上昇。国債が売りを浴びた」と語った。

2年債利回りはロンドン時間午後3時58分までに、前週末比3bp上昇し

4.31%。同国債(2009年12月償還、表面利率5.75%)価格は0.05ポイント 下げ102.43。10年債利回りは3bp上げ4.71%となった。

○欧州債:ドイツ10年債相場が下落した。株式相場の上昇に加え、サブプライ ム(信用の低い個人向け住宅ローン)関連損失が信用市場に一段と影響を及ぼす のを抑制するため、銀行が金融保証会社(モノライン)救済に乗り出すとの見方 から安全投資としての国債需要が減退した。

米モノライン大手、アムバック・ファイナンシャル・グループの「AA A」格付けの維持に向けて、銀行団が30億ドル(約3240億円)の資本増強 に応じるとの観測を背景に、ドイツ10年債相場は続落した。ただ、米ゴール ドマン・サックスが米銀の利益見通しを引き下げ、オッペンハイマーがシティ グループ が2四半期連続で損失を計上する可能性があるとの見通しを明らかに したことを受け、国債相場は下げ渋った。

ドレスナー・クラインオートの債券ストラテジスト、クリストフ・リーガ ー 氏(フランクフルト在勤)は「悪い材料がなくなるのはまだ先のことだ。こ の景気サイクルにおいて利回りが底入れするのは先のことだと確信している」 と語った。

10年債利回りはロンドン時間午後5時16分現在、前週末比3ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)上げ4.03%。一時は4.05%まで上昇し た。同国債(2018年1月償還、表面利回り4%)価格は0.21ポイント下げ

99.71。一方、2年債利回りは2bp下げ3.32%となった。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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