中国国際金融のシェア低下-前首相の息子、朱レビン氏の手腕問われる

中国の投資銀行、中国国際金融(CICC) を経営する朱レビン氏はその力を失いつつあるのかもしれない。同氏の父親は、 2003年に退任した朱鎔基前首相だ。

CICCの昨年の利益は、北京に本社を置く証券会社、中信証券(Cit ic証券)の1割程度にとどまった。CICCは株式引き受けで市場シェアを 落とし、中国の株式市場の規模が4兆ドル(約429兆円)と、日本に匹敵する ほどに拡大する中、トレーディングでも出遅れている。

CICCに34.3%出資する米証券大手モルガン・スタンレーは中国の別の パートナーと合弁を立ち上げるためCICC株を売却しようとしており、CI CCは新たな投資家を求めている。朱氏は、中国で初めて株式売却引き受け免 許を取得した米ゴールドマン・サックス・グループやスイスのUBSとの競争 にもさらされている。

1995年のCICC設立時に出資した非上場の香港投資会社、ミングリーの ペイソン・チャ会長は、「次の計画に移るときだ。朱氏と取締役、経営陣は腰を 据え、5年後にどうありたいのかを話し合うべきだ」と述べる。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、CICCは03-07年に新規株 式公開(IPO)と株式売り出しの引き受けで7億8800万ドルの手数料収入を 稼いだ。これは中信証券の倍で、株式引き受けでは中国一だ。中国で最も成功 している海外金融機関であるUBSの7億3800万ドルをも上回る。ただ、進路 を変えてトレーディングや投資にも力を入れる点でCICCは後れを取ってい る。

CICCの広報担当者は、朱氏は同社に関するインタビューには応じない としている。

市場独占の終わり

ブルームバーグのデータは、CICCの国内IPO業務における市場シェ アが02年の48%から、昨年は19%に低下したことを示している。一方の中信 証券は4倍の16%、UBSは22%と首位に躍り出た。

CICCは交通銀行の33億ドル規模の新株発行や中国中鉄(チャイナ・レ ールウェイ・グループ)の58億ドル規模のIPOを含め、07年にほぼ800億 ドル相当のIPOや株式売り出しの機会を逃した。

共同設立者の1人で2000年にCICCを離れ、ゴールドマンとともに04 年に合弁会社を立ち上げた方風雷氏は、「市場の独占は終わった。市場の変化は 急激で、以前は競争がなかったが今は迅速に市場に適応する必要がある」と指 摘する。

中信証券の1月7日の発表によれば、07年の利益は前年比5倍の120億元 (約1800億円)。株取引が急増したという。CICCは同月22日、昨年の利益 が49%増の13億元になったと発表した。

朱氏は1996年、シカゴのデポール大学で会計学の修士号を取得。同じ年に、 ニューヨークでアソシエートとしてクレディ・スイス・ファースト・ボストン に加わった。父親が中国の首相に就任した98年、同氏はCICCに転進。人脈 を活用し、国有企業の中国人寿保険や中国石油化工(Sinopec)などの 引き受け業務を獲得してきた。2000年には6人からなる経営委員会を作り、C ICCの経営を握った。

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