米ゴールドマン:出遅れたセレブ向け事業に活路-著名人で顧客集め

バミューダ諸島のエルボービーチにある高 級ホテル「マンダリンオリエンタル」での会議はバーベキューパーティーで始 まった。会議を締めくくったのは、元モデルでブッシュ米大統領のめいのロー レン・ブッシュ氏(23)の飢餓撲滅を訴えるスピーチだ。その間、米ゴールド マン・サックス・グループの幹部らは、集まった名門一族の御曹司らにヘッジフ ァンドへの投資のやり方を伝授した。

昨年10月に行われたこの「ネクストジェネレーション」パーティーは、プ ライベートバンキング事業強化の一環だ。ゴールドマンは収入・利益面で世界 最大の証券会社を誇るものの、プライベートバンキング事業ではスイスや米国 の銀行に後れを取っている。

ロンドンの資産運用コンサルタント会社、スコルピオ・パートナーシップ によれば、投資資金100万ドル(約1億700万円)以上を持つ顧客の資産運用 では、ゴールドマンは2006年時点で1770億ドルと世界12位にとどまっている。

米住宅不況の影響で、世界的に株式や債券市場が動揺し、金融業界ではサ ブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)関連投資による損失が膨 らんでいる。こうした状況下でも、富裕層向けの資産運用事業は安定したしっ かりした利益をもたらし得る分野の1つだ。

ゴールドマンのロイド・ブランクフェイン最高経営責任者(CEO)は、 アジアと中南米、ロシアの富裕層に注目していると言う。昨年11月のニューヨ ークの会議では、「ペルシャ湾岸地域だけでもビリオネアは200人以上いる」 と指摘していた。この分野で「ナンバーワンでなくて幸いだ。まだ伸びる余地 がある。長い長い道のりがあるだろう。われわれはそこを歩んでいく」と話す。

ピュリツァー賞受賞者

同CEOは昨年7月、プライベートバンキング強化のため、米USトラス トや米シティグループでこの事業を手掛けていたピーター・スカチュロ氏を採 用した。元競泳選手のスカチュロ氏は、シティのサンフォード・ワイル名誉会 長や保険最大手の米アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の CEOを務めたモーリス・グリーンバーグ氏らと親交が深い。

ゴールドマンがプライベートバンキングに力を入れ始めたのは最近だ。06 年遅く、米国で商業銀行を開設。昨年はアイルランドで同じような銀行免許を 取得した。ここ2年間で、専門のアドバイザーをおよそ100人採用。その数は 計600人に達した。

新規採用のうちの1人は、北京の天安門事件を米紙ニューヨーク・タイムズ 向けに伝え、夫のニコラス・クリストフ氏とともに、1990年のピュリツァー賞 を受賞したシェリル・ウーダン氏(48)だ。

同氏はジャーナリストになる前、現在はドイツ銀行の一部となっているバ ンカーズ・トラストで融資業務を担当していた。ボストンのハーバード大学経 営大学院でMBA(経営学修士)も取得している。ゴールドマンでプライベー トバンキング事業の最前線に立つスカチュロ氏によれば、ウーダン氏は世界的 に有名であり、知的だ。同社がこの事業で必要とする「完璧なプロフィル」の 持ち主なのだそうだ。

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