日本株は輸出中心に反落、米景気警戒と円高-競争懸念のKDDI急落

週末午前の東京株式相場は反落。21日の 米国でフィラデルフィア連銀が発表した2月の同地区の製造業景況指数が市場 予想以上に低下したことに加え、外国為替市場では円・ドル相場が円高方向に 振れ、トヨタ自動車やキヤノンなど輸出関連株が相場全般の下げを主導した。 家族間通話が無料になるサービスを3月から開始する、と発表したKDDIが 急落するなど情報・通信株の下げも目立つ。

日経平均株価の午前終値は前日比264円34銭(1.9%)安の1万3423円 94銭、TOPIXは同20.28ポイント(1.5%)安の1314.44。東証1部の売 買高は概算で9億1248万株、売買代金は1兆482億円。値上がり銘柄数は357、 値下がりは1256。東証業種別指数は31業種が下落、保険とその他製品の2業 種が上昇した。

しんきんアセットマネジメント投信の藤本洋主任ファンドマネージャーは、 「米景況感悪化による米株安と円高といったダブルパンチが直撃した格好で、 収益への悪影響が最も大きい輸出株に売りがかさんだ」と指摘した。

また、日経平均の下落寄与度1位となったKDDIの新サービス開始につ いて、藤本氏は「従来から懸念されていた各社間の競争激化が現実になり、通 信業界の収益環境は厳しさを増しそうだ」との認識を示している。

米株反落、円高・ドル安に

21日の米ダウ工業株30種平均は1.2%安の12284.30ドルと反落。フィラ デルフィア連銀が発表した製造業景況指数が予想以上に悪化し、景気がリセッ ションに入ったとの懸念が広がった。2月の同地区の製造業景況指数はマイナ ス24と前月のマイナス20.9から低下、これは前回リセッション(景気後退) に陥る直前の2001年2月以来の低水準だった。

また、外国為替市場では円高・ドル安が進行。フィラデルフィア連銀指数 を受け、米連邦公開市場委員会(FOMC)が3月に0.5ポイントの利下げを 実施するとの見方が一段と強まった格好で、22日午前11時過ぎの東京市場で は1ドル=107円40銭付近、1ユーロ=159円5銭近辺で推移している。円・ ドルは21日午後3時時点で、1ドル=108円20銭前後で取引されていた。

中国SWFの日本重点方針報道

こうした外部環境の逆風を背景に、この日の日本株は売りが先行。ただ、 「年初から売り一辺倒だった外国人投資家がようやく買い意欲を取り戻しつつ ある」(東洋証券の檜和田浩昭ストラテジスト)との見方もあり、朝方の売り 一巡後は下げ渋る場面もあった。東京証券取引所が21日に発表した2月第2 週(12-15日)の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は2008年に入 り週間で初めて買い越しとなっている。

一方、NHKは22日朝のニュースで、中国が設立した政府系ファンドで、 資金総額が21兆円余りに上る「中国投資」が、アジア各国への投資のうち半 分以上を日本に投資する方針であることが明らかになったと報道。19日にドバ イの政府系ファンドがソニー以外にも日本株投資を模索していると伝わったば かりで、「規模の大きい政府系ファンドが日本株投資に魅力を感じている証 左」(東洋証の檜和田氏)との声も聞かれた。

ただ買い戻す勢いは弱く、次第に先物主導で値を切り下げ、日経平均は午 前10時40分過ぎに下げ幅を309円まで拡大する場面があった。

東京ドームが値下がり2位、千葉銀は安値更新

個別では、屋内遊園地の改装に伴う特別損失計上などで08年1月通期の 連結純利益予想を大幅に下方修正した東京ドームが急反落し、東証1部の値下 がり率でKDDIに次ぐ2位。ゴールドマン・サックス証券が21日付で投資 判断を「中立」から「売り」に引き下げた千葉銀行も急反落で、昨年来安値と 更新した。婦人衣料などの販売不振を受けて2008年2月期の連結業績予想を 下方修正した三越も反落。リサ・パートナーズが7.7%安、住友不動産が5.3% 下げるなど、不動産株の下げも目立った。

古河電池はストップ高

半面、豪州の研究機関と共同開発した新電池を自動車に搭載し、寿命が現 行の鉛蓄電池の4倍に高まることを確かめたと、22日付日本経済新聞朝刊で伝 えられた古河電池がストップ高(値幅制限の上限)。新日本製鉄が三井鉱山の 株式の保有割合を高める方針を固めたとNHKが報じたことを受け、三井鉱が 大幅続伸。08年6月期の連結営業利益予想を174億円から157億円に引き下げ る一方、発行済み株式総数の4.17%を上限に自己株式の取得を行うと発表した ドン・キホーテは急伸。

-- Editor:Shintaro Inkyo

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