2月22日の海外金融・株式・為替市場

○米国株:上昇。ほぼ終日軟調に推移した後、取引終了前の30分で一気に値を戻 した。週間ベースでも前週に引き続き上昇した。市場関係者の間で銀行の業績悪 化懸念が広がっていたが、金融保証会社(モノライン)のアムバック・ファイナ ンシャル・グループの救済が来週にもまとまるとの観測が強まり、買いが優勢に なった。

ダウ工業株30種平均では保険大手のアメリカン・インターナショナル・グル ープや銀行大手のJPモルガン・チェースが上げを主導した。アムバックは3週 間ぶりの大幅高。米金融専門局CNBCが、アムバック救済に取り組む銀行が来 週にも最上級格付けの「AAA」を維持するための救済策を発表する可能性があ ると伝えたのが手掛かりだった。

PNCウェルス・マネジメントのチーフ投資ストラテジスト、ビル・ストー ン氏は、「これが本当ならば支援材料になるだろう。市場参加者はこの情報に基 づいて買いを入れている」と語った。

S&P500種株価指数は前日比10.58ポイント(0.8%)上げて1353.11。週 間ベースでは0.3%上昇した。ダウ工業株30種平均は96.72ドル(0.8%)高の

12381.02ドル。ナスダック総合指数は3.57ポイント(0.2%)上昇し2303.35。 ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は2対1。

アムバックの救済策

証券会社の利益減少見通しや、住宅ローンの需要減が米住宅金融のファニー メイ(米連邦住宅抵当金庫)やフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の業績 を抑制するとの懸念を手掛かりに金融株が売られ、相場は一時下落していた。

CNBCは米アムバック・ファイナンシャル・グループの救済計画が今月25 日か26日にも発表される見通しだと報じた。ただ、CNBCのオンラインエディ ター、チャールズ・ギャスパリーノ氏は「救済計画がまとまらない可能性もあ る」と述べた。アムバックの広報担当からのコメントは得られていない。

カンバーランド・アドバイザーズの主任投資責任者、デービッド・コトック 氏はブルームバーグ・ラジオのインタビューに応じ、「信用市場の機能不全によ る金融セクターの問題がある程度緩和する可能性が出てきた」と語った。

金融株が持ち直す

S&P500種採用の金融株で構成する株価指数は一時1.9%安まで下げていた が、CNBCの報道を受けて持ち直し、1.6%高で終えた。サンフォード・C・バ ーンスティーンのアナリスト、ブラッド・ヒンツ氏が証券大手の2007年12月- 08年2月(第1四半期)利益見通しを下方修正したほか、メリルリンチのケネ ス・ブルース氏が住宅市場の混迷で、ファニーメイとフレディマックの業績は 2011年まで損なわれるとの見方を示したのが売り材料だった。

証券大手のゴールドマン・サックス・グループやリーマン・ブラザーズ・ホ ールディングス、ベアー・スターンズはいずれも値上がりした。

S&P500種の産業別10指数のうち、9指数が上昇して取引を終えた。

○米国債:2年債相場が週間ベースで今年初めて下落した。トレーダーの あいだで来月の0.75ポイントの利下げ観測がなくなったことが背景。

前週までは1998年以来最長の9週連続で上昇していた。2年債に対 する10年債の上乗せ利回りは今週、8週間ぶりに縮小した。

ファースト・パシフィック・アドバイザーズの運用担当者トム・ア テベリー氏は、「市場参加者は米連邦公開市場委員会(FOMC)が大 幅な利下げを終了し、小刻みの政策に転換したと考えている」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後 4時15分現在、2年債利回りは週間ベースで14ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01ポイント)上昇して2.06%。2年債価格(表面利率2.125%、 2010年1月償還)は9/32下げて100 1/8。

2年債利回りは前日比では7bp上昇した。金融保証会社(モノライ ン)大手の米アムバック・ファイナンシャル・グループの救済計画が今 月25日か26日にも発表される見通しだとのCNBC報道を受け、株価 が反発したことが背景だった。10年債利回りは前日比4bp上昇。週間ベ ースでは5bp上昇した。

米国債のリターン

世界の金融機関が発表したサブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローン担保証券に関連した評価損が1450億ドルを上回るなか、米国 債相場は今年、堅調に推移してきた。メリルリンチが集計した指数によ ると、全残存期間の米国債のリターン(投資収益率)は年初から21日ま でに2.3%と、1995年以来で最高となった。

2年債利回りは10年債を175bp下回った。前日のこの利回り格差は 180bpだった。週間ベースでは同格差は8bp縮小。前週までは7週連続 で拡大していた。

UBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ウィリアム・オ ドネル氏は「利回り格差は大幅な調整なしに長期間を経過しており、こ の先25-50bpの調整が入る可能性があるとしても、まだピークは付けて いないとみている」と述べた。

米金利見通し

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利 先物相場の動向によると、3月18日にFOMCが3%のFF金利誘導目 標を0.50ポイント引き下げる確率は96%。1週間前は66%だった。

0.25ポイントの利下げ確率は4%。0.75ポイントの利下げ確率は1週間 前は34%だった。

ウェルズ・ファーゴ・キャピタル・マネジメント(ミルウォーキ ー)で約30億ドルの資産を運用するジェイ・ミューラー氏は「FOMC には上期いっぱい、利下げバイアスがかかる」と指摘。「その程度は統 計次第だ」と付け加えた。

30年債利回りは週間ベースでほぼ変わらずの4.58%。前週まで3週 連続で上昇していた。

○NY外為:ドルが下落。ユーロに対して1日以来、3週間ぶりの安値を付け た。米連邦公開市場委員会(FOMC)が景気悪化に歯止めをかけるため利下げ を実施するとの観測がある一方、欧州中央銀行(ECB)は政策金利を据え置く とみられており、ドル売り・ユーロ買いが優勢になった。

FOMCが3月に0.5ポイントの利下げを実施するとの思惑からドルは主 要16通貨のうち14通貨に対して下落。ユーロに対しては過去最安値にあと1 セント未満に迫った。米国株が戻したため、低金利の日本で資金を調達し、高 金利通貨で運用する「キャリー取引」が促進され、円は伸び悩みとなった。

スコシア・キャピタルの為替ストラテジー共同責任者、カミラ・サットン 氏(トロント在勤)は「米景気は急速に減速しており、リセッション(景気後 退)に入っているようだ。今週はドル安に勢いが付いた」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時現在、対ユーロでドルは1ユーロ=1.4831ド ルと、前日の1.4814ドルから下げた。昨年11月23日には1.4967ドルの 最安値を付けている。週間ベースでは1%安と、2週連続で下落。ドルは円に 対し、1ドル=107円24銭に下落。前日は107円40銭だった。

2月のユーロ圏サービス業景気指数が加速したことが明らかになると、ユ ーロは対ドルで上値を伸ばした。ドイツ紙によると、ECB政策委員会メンバ ー、キプロス中央銀行のオーファニデス総裁は「主な懸念事項は高水準にある 物価上昇率だ」との見方を示した。

オーストラリア、ニュージーランド

豪ドルとニュージーランド・ドルも上昇。ブラジル・レアルはほぼ9年ぶ りの高値を付けた。高金利が資金を引き寄せた。レアルは一時、1ドル=

1.6942レアルと、1999年5月以来の高水準を付けた。ブラジルの政策金利 は11.25%。

豪ドルとニュージーランド・ドルは米ドルに対し、週間ベースで2週連続 上昇した。米国との金利差が拡大するとの思惑が買いを誘った。

株と円

米国株が回復したため、これらの高金利通貨が上げ幅を拡大し、円は伸び 悩んだ。CNBCテレビがアムバック・ファイナンシャル・グループが来週に も救済策を発表すると報じたことが株式相場の回復につながった。

円は1ユーロ=159円3銭(前日は159円10銭)。一時は0.6%高とな ったが、上げ幅を縮小した。

アムバックは資本増強により「AAA」格付けを維持するとの見方につな がり、株価が上昇。金融株全体の回復期待につながった。

○英国債:今週の英国債相場は2週連続で下落した。イングランド銀行が利下げ するとの観測が後退したのに加え、株式相場の上昇で安全投資としての国債需要 が減退した。

2年債利回りは一時、3週間ぶり高水準まで上昇した。イングランド銀行が 今週発表した今月の金融政策委員会(MPC)議事録で、インフレ率がかなり急 激に上昇する可能性が示されたことを受け、追加利下げ観測が後退した。

英国株の主要指数であるFT100指数が今週上昇したのに加え、ポンド金利 先物は少なくともここ5年で最大の上昇となった。

2年債利回りはロンドン時間午後4時13分までに、前週末比10ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)上昇し4.27%。前日は4.34%まで上昇し、先月 31日以来の高水準となった。同国債(2009年12月償還、表面利率5.75%)価格 は前週末比0.20ポイント下げ102.50。10年債利回りは同8bp上げ4.68%。前 日には2カ月ぶり高水準となる4.74%まで上げた。

○欧州債:今週はドイツ2年債国債相場が週間ベースでほぼ4年ぶりの大幅下落 となった。同利回りは2週連続で上昇。インフレ高進で、欧州中央銀行(EC B)による利下げが困難との観測が広がったことが背景。

ドイツとフランスが今週発表した統計で、食料品とエネルギーコストの値上 がりで、両国のインフレ率が上昇したことが示された。

ING銀行の投資適格級債券戦略責任者、パドレイク・ガービー氏(アムス テルダム在勤)は、「相場下落にもかかわらず、当行の長期的な見通しは変わっ ていない。2008年は景気が鈍化し、利回りは現行水準から低下するだろう」と語 った。

2年債利回りはロンドン時間午後4時までに、前週末比23ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上げ3.34%と、週間で2004年4月以降で最大の上昇 となった。同国債(2009年12月償還、表面利回り4%)価格は0.41ポイント下 げ101.12。10年債利回りは3bp上げ3.99%となった。

金利先物動向によれば、ECBが利下げする確率が低下した。EURIBO R(欧州銀行間貸出金利)先物6月限は前週末比18bp上げ4.09%になった。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   1-212- 617-3007

参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net

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