日本株は輸出中心に反落へ、米製造業指数の低下を嫌気-円高も逆風に

週末の東京株式相場は反落する見通し。21 日の米国では、フィラデルフィア連銀が発表した2月の同地区の製造業景況指 数が市場予想以上に低下した。そのため、米国のリセッション(景気後退)懸 念が強まっており、自動車や電機など輸出関連株を中心に売りが先行する公算。 外国為替市場で円・ドル相場が円高方向に振れていることも、輸出企業の採算 悪化につながると警戒されそうだ。

大和証券投資信託委託の長野吉納シニアストラテジストは、「前日の米株 が下落した流れを引き継ぎ、売り先行で始まる可能性が高い」とするが、相場 の地合いは着実に改善しているといい、「朝方の売り一巡後には、下値を拾う 動きから徐々に下げ渋るだろう」(同氏)との見方を示した。

米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の21日清算値は1万3535 円で、同日の大阪証券取引所の終値(1万3690円)に比べて155円安だった。 21日の日経平均株価は1万3688円28銭で取引を終えていた。

米株は反落、フィラデルフィア連銀指数

21日の米株式相場は反落。ダウ工業株30種平均が前日比142.96ドル (1.2%)安の12284.30ドル。ナスダック総合指数は27.32ポイント(1.2%) 低下し2299.78で終えた。午前にフィラデルフィア連銀が発表した製造業景況 指数が予想以上に悪化し、景気がリセッションに入ったとの懸念が広がった。

フィラデルフィア連銀が発表した2月の同地区の製造業景況指数はマイナ ス24と、前月のマイナス20.9から低下した。これは前回リセッション(景気 後退)に陥る直前の2001年2月以来の低水準。ブルームバーグ・ニュースが実 施したエコノミスト調査の予想中央値はマイナス10.0で、同指数のゼロは景況 感の拡大と縮小の境目を示す。

タレット・プレボンのチーフエコノミスト、レナ・コミレバ氏(ロンドン 在勤)は「フィラデルフィア連銀指数は米国がリセッションに向かっているこ とを示す明確な兆候だ。同指数の最近の低下速度と低下幅は非常に急激な悪化 を示唆している」と述べた。

米利下げ機運背景に円高・ドル安

21日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが対円で下落。フィラデルフ ィア連銀指数を受け、米連邦公開市場委員会(FOMC)が3月に0.5ポイン トの利下げを実施するとの見方が一段と強まり、ドルは対円で今月に入って最 大の下げを記録した。円は主要16通貨のうち、13通貨に対して上昇。米国とと もに世界の景気が減速するとの思惑が強まり、低金利の日本で資金を調達し、 高金利通貨で運用する「キャリー取引」が手控えられた。

22日早朝の東京市場では、1ドル=107円30銭付近、1ユーロ=159円10 銭近辺で推移している。円・ドル相場は21日午後3時時点で、1ドル=108円 20銭前後で取引されていた。

EU、08年成長率予想を下方修正

欧州でも、景気の先行きを不安視させる材料が出ている。欧州連合(EU) の行政執行機関である欧州委員会 は21日発表の報告書で、2008年のユーロ圏 成長率見通しを下方修正した一方で、インフレ率見通しを引き上げた。欧州中 央銀行(ECB)が直面しているジレンマを浮き彫りにした格好だ。欧州委は、 今年のユーロ圏成長率見通しを1.8%と、昨年11月時点の予想から0.4ポイン ト引き下げ、05年以来の低成長となる見込み。インフレ率見通しは平均2.6% と、従来予想の2.1%から引き上げられた。これは、1999年のユーロ導入以降 最も高い水準。

原油は下落-在庫増加受け

21日の原油先物相場は下落した。ニューヨーク商業取引所(NYMEX) で取引される原油先物4月限は、前日比1.47ドル(1.5%)安の1バレル=98.23 ドルで終了。エネルギー省が発表した先週の原油在庫が予想以上に増加し、6 週連続増となった。同統計によると、週間の原油在庫は420万バレル増加し、 3億530万バレルと昨年11月以来の高水準。ブルームバーグがまとめた調査の 予想中央値では、240万バレルの増加が見込まれていた。

原油安を背景に、前日の米株市場ではエクソンモービルやシェブロンなど エネルギー株が下落。東京市場でも新日本石油や国際石油開発帝石ホールディ ングス、三菱商事など資源関連株の一角に反動売りがかさむ可能性がある。

三越や東京ドームは売り公算、ドンキホテに強弱材料

個別では、婦人衣料などの販売不振を受けて2008年2月期の連結業績予想 を下方修正した三越、屋内遊園地の改装に伴う特別損失計上などで、08年1月 通期の連結純利益予想を118億円から78億円に引き下げた東京ドームなどに売 りが先行しそう。組織再編に伴い販管費が増加し、07年4-12月期の連結純利 益が前年同期比19%減となった吉本興業も安くなるとみられる。

半面、08年3月期の連結業績が2けたの経常増益になりそうと、22日付の 日本経済新聞朝刊が報じた日立物流や山九が上昇しそう。発行済み株式総数の

3.19%を上限に、自己株式の取得を行うと発表した高千穂電気も上げる公算が 大きい。

このほか、買収先の長崎屋の店舗改装などで想定外の費用が発生し、08年 6月期の連結営業利益予想を174億円から157億円に引き下げる一方、発行済 み株式総数の4.17%を上限に自己株式の取得を行うと発表したドン・キホーテ の株価動向が注目される。