NY外為:ドル下落、対ユーロで1.48ドル台-製造業指数低下で(2)

ニューヨーク外国為替市場ではドルが下 落。一時は対ユーロで今月4日以来の水準に下げた。フィラデルフィア連銀が 発表した2月の同地区の製造業景況指数が低下したため、米国のリセッション (景気後退)懸念が強まり、ドル売りが優勢になった。

フィラデルフィア連銀指数を受け、米連邦公開市場委員会(FOMC)が 3月に0.5ポイントの利下げを実施するとの見方が依然として強まるなか、ド ルは対円で今月に入って最大の下げを記録した。1月の英小売売上高指数が予 想の倍以上の伸びを示したため、ポンドは対ドルで1カ月ぶりの大幅な上げと なった。

オンライン外為取引会社ゲイン・キャピタル傘下のフォレックス・ドッ ト・コムの為替チーフストラテジスト、ブライアン・ドラン氏はフィラデルフ ィア連銀指数について「米経済の弱さをあらためて示したため、ドルの軟化に つながった」と指摘。「センチメントに限っていえば、確実にリセッションの 水準にある」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時10分現在、ドルは1ユーロ=1.4814ドルに下 落。前日は同1.4715ドルだった。ドルは対円で0.8%安の1ドル=107円 29銭と、1月30日以来の大幅な下げとなった。前日は同108円12銭。円は対 ユーロで1ユーロ=158円92銭に上昇。一時は5週間ぶりの安値を付ける場面 もあった。前日は同159円9銭だった。

円は主要16通貨のうち13通貨に対して上昇。米国とともに世界の景気が 減速するとの思惑が強まり、低金利の日本で資金を調達し、高金利通貨で運用 する「キャリー取引」が手控えられた。

ポンドは対ドルで1.1%高の1ポンド=1.9621ドルと、1月24日以来の大 幅高。英政府統計局(ONS)が21日発表した1月の小売売上高指数(数量ベ ース、季節調整済み)は前月比0.8%上昇と、11カ月ぶりの高い伸びとなった。 昨年12月は同0.2%低下(改定前=0.4%低下)に改定された。

ブラジル・レアルは対ドルで約8年ぶりの水準に上昇した。商品とレアル 建て証券への需要がレアル買いにつながった。一時は1ドル=1.7009レアルと、 1999年5月以来の高値を付けた。21日の商品市場では金とプラチナ、大豆が最 高値を記録した。

フィラデルフィア連銀が発表した2月の同地区の製造業景況指数はマイナ ス24と前月のマイナス20.9から低下した。これは前回リセッションに陥る直 前の2001年2月以来の低水準。ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミ スト調査の予想中央値はマイナス10.0だった。同指数のゼロは景況感の拡大と 縮小の境目を示す。

「ユーロ強気派」

FOMCが利下げを始めた昨年9月18日以来、ドルは対ユーロで5.5%下 落している。

ソシエテ・ジェネラルの法人為替営業バイスプレジデント、カール・フォ チェスキ氏はフィラデルフィア連銀指数について「FOMCの動きを正当化す るもので、FOMCはさらに金融緩和を進めるだろう。それがユーロの強気派 にとってユーロ買いの手掛かりとなった」と語った。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物相 場によると、FOMCが3月18日の定例会合でFF金利の誘導目標を0.5ポイ ント引き下げて2.5%に設定する確率は92%。0.25ポイント利下げの確率は残 りの8%。

米連邦準備制度理事会(FRB)が20日公開したFOMC(1月29-30 日開催)の議事録によると、メンバーは2008年の経済成長見通しを下方修正し、 「当面の間」は比較的低い実質金利が適切だと判断した。

欧州委員会がインフレ見通しを上方修正し、フランスの消費者物価指数が 加速したこともユーロ買いを誘った。

EURIBOR(欧州銀行間出し手金利)先物6月限は4.085%と、前日 の4.03%から上昇。欧州中央銀行(ECB)が現在4%の政策金利を引き下げ る可能性が後退したことを示唆した。EURIBORは1999年のユーロ導入か ら昨年8月まで、政策金利を平均0.18ポイント上回っていた。

調査会社IDEAグローバルの為替ストラテジスト、デービッド・パウエ ル氏は「ECBの利下げ観測が後退しつつある。欧米ともに低成長・高インフ レとなっているが、違いはFOMCがインフレを黙認しても良いと考えている 一方、ECBはそう思っていないことだ」と述べた。

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