米大手金融機関、証券投資資金の融資に消極的-評価損拡大で

1年前なら、最高格付けのモーゲージ担保 証券(MBS)を購入するのに、米投資会社ルミネント・モーゲージ・キャピ タルは2000万ドル(約21億6000万円)の現金を元手に6億4000万ドルの融資 を受けることができた。それが今では、同じ元手で8000万ドルしか借り入れる ことができない。

「証券投資の資金を貸し出そうとする金融機関はどこにもない」と話すルミ ネントのトレゼバント・ムーア最高経営責任者(CEO)によると、同社の自 己資金に対して銀行6行が提示したレバレッジは5倍。1年前は、20行が33倍 を提示していたという。

証券投資で巨額の評価損を計上した大手金融機関が、投資家やヘッジファ ンドに対する証券投資資金の融資に慎重になっていることで、信用危機は一段 と悪化している。その結果、証券市場全体で需要縮小や価格低下の傾向が強ま っている。

銀行が融資に慎重なことで、サブプライムローン(信用力の低い個人向け 住宅融資)問題の影響は増幅されており、MBSやジャンク(高リスク・高利 回り)ローンの相場は過去最低水準付近に落ち込んでいる。

MBSの評価損

サブプライムローンの延滞の大幅な増加が、MBSの評価損計上の動きを 加速させたことで、高利回りの融資や債券に対する投資意欲は低下した。モル ガン・スタンレーの15日付のリポートによると、昨年過去最高に達した企業買 収に関連して計1900億ドルに上る融資を引き受けた金融機関は、融資債権の転 売に苦戦している。

信用収縮の影響を受けているのは、投資家ばかりではない。会社再建中の ナイロン・プラスチックメーカー、米ソルーシアは1月23日、シティグループ とゴールドマン・サックス・グループ、ドイツ銀行との融資協議が決裂したこ とを理由に、再建完了時期が遅れると発表した。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によると、売買 高が多いジャンク融資は、今年に入って1ドル当たり平均で最大8.54セント下 落。またベアー・スターンズによれば、信用力の高い大型の不動産ローンを裏 付けに「AA」格付けを付与されたMBSの価格は2月早くに72セントとなり、 昨年12月半ばの80セントから下落した。

メリルリンチによると、ジャンク債の米国債に対する上乗せ幅(スプレッ ド)は1月23日に約5年ぶり最大の7.48ポイントに達した。昨年6月は過去 最小の2.41ポイントだった。