米金融当局:「急速な」利下げ反転も-「当面」は低金利適切と判断

米金融当局は、1月に引き下げた政策金利を 当面は低水準に維持する必要があると結論付けながら、この利下げを急速に反転 させる用意があることも示した。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は20日、米経済成長率見通しを引き下 げ、同日公開された1月29-30日開催のFOMC議事録によれば、メンバーは 「当面は比較的低い実質金利が適切」と判断した。また、最近のインフレ指標が 「期待外れ」の内容になっているとした上で、景気見通しが改善すれば、最近の 利下げの「急速な」反転の可能性に言及した複数のメンバーがいたことも分かっ た。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長も先週、物価安定と経済成 長という双方の目的達成に向けて金融政策を向こう1年にわたって「調整」する 必要があると言明したが、議事録はこの発言をさらに掘り下げる内容となった。 アナリストらは、金融当局は低金利政策の長期継続で資産バブルを発生させたと の過去の批判を気に掛けていると指摘する。

モルガン・スタンレーの債券チーフエコノミスト、デービッド・グリーンロ ー氏は「当局が過去の経験から学んだのは間違いない。フェデラルファンド(F F)金利の誘導目標を低くすればするほど、その教訓の意義が増す」と語る。

議事録の内容は、3月18日の次回FOMCでFF金利が再び0.5ポイント 引き下げられ2.5%になるとの市場期待を打ち消すものではなかった。当局は1 月22日に同金利を0.75ポイント緊急に引き下げ、その8日後の定例会合で再 び0.5ポイントの追加利下げを決めた。

リセッション懸念に対応

金融当局は2001年以来のリセッション(景気後退)が現実化するのを回避 しようとしている。FOMCは1月29-30日の会合で、米国の経済成長率見通 しを約0.5ポイント引き下げ、予想される失業率を高水準へ引き上げた。

一方で、エネルギーや商品価格の上昇を背景にインフレは加速しており、当 局は米国民のインフレ期待を懸念している。議事録では、インフレ期待の安定が 重要との認識でメンバーが一致したことが示された。

議事録にあった利下げの「急速な」反転という表現は、2004年から06年に かけて取られた「段階的な」金融政策の変更を意味すると、グリーンロー氏はみ る。当時のFOMCは17回連続で0.25ポイントの利上げを実施した。

04年6月の利上げ以前は、FOMCはFF金利を45年ぶり低水準の1%で 1年間据え置き、消費者物価の下落継続リスクに対応しようとした。当時の低金 利政策について、クレディ・スイス・グループのチーフエコノミスト、ニール・ ソス氏(ニューヨーク在勤)は、「金融市場が今になって代償を払っている過剰な 流動性を生み出させるもとになった」と語る。

FOMCの最新予測は、2008年10-12月(第4四半期)の実質国内総生産 (GDP)成長率を前年同期比1.3-2%とし、昨年10月時点の予想(1.8-

2.5%)から引き下げた。20日に発表された1月の住宅着工件数は、住宅不況が 3年目に入るのを示唆する内容だった。一方、同日発表の同月の消費者物価指数 は前年同月比で4.3%上昇と、昨年12月の4.1%上昇を上回ったほか、変動の 大きい食品とエネルギーを除いたコア指数も2.5%上昇と、昨年3月以来最大の 伸びだった。

ロバート・マクティア前ダラス連銀総裁はブルームバーグテレビジョンとの インタビューで、「インフレ率上昇とリセッション入りの可能性という問題があ る」と指摘し、金融当局は「利下げは継続できないと思う」と述べた。同氏は0.25 ポイントの利下げがもう1回あるか、「利下げ局面は終わった」と考えている。