日本株(終了)資源や金融中心に急反発、商品続伸と米株安定-再編も

東京株式相場は急反発。海外商品市況で 原油や金の先物相場が続伸したことを受け、販売単価の上昇や在庫評価益にプ ラスに働く総合商社や石油、非鉄金属株が投資資金を集めた。前日の米国の金 融株上昇に国内地方銀行の再編期待も加わり、20日に売り込まれた保険や銀 行など金融株も上昇。外国為替市場の円相場が直近の円安水準で落ち着き、採 算悪化懸念の後退から松下電器産業、ミツミ電機など輸出関連株も高い。

日経平均株価の終値は前日比377円91銭(2.8%)高の1万3688円28銭、 TOPIXは同32.00ポイント(2.5%)高の1334.72。東証1部の売買高は 概算で21億6802万株、売買代金は2兆5952億円。値上がり銘柄数は1577、 値下がりは115。東証業種別指数は32業種が上昇、ゴム製品のみが下落した。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員・株式運用第2部長によると、米 投資ファンドの資金繰り懸念報道を受け、20日の米国株が急落すると警戒し た市場参加者が「前日の東京市場では一斉にショートに動いていた」という。 それだけに、「前日の米株上昇はサプライズと受け止められ、日本株への買い 戻しが活発化した」(同氏)。

また岡本氏は、「米株が悪材料に対する耐久力を付けてきたことは、日本 を含む世界の株式市場にとって朗報だ」と指摘している。

米株は反発、日経平均上げ幅は500円接近場面も

20日の米株式相場は、ダウ工業株30種平均が0.7%高の12427.26ドルと 反発。テクノロジー株やエネルギー株が買いを集め、この1週間で最大の値上 がり率となった。朝方は下げて始まったが、ヘッジファンドを運営する投資家 のウィリアム・アックマン氏が金融保証会社(モノライン)の再編計画を支持 したのが材料視され、その後は銀行株を中心に買いが増加した。

懸念されていた米国株が上昇して終えたことを好感し、この日の日本株は 買いが先行。その後も堅調な推移が続いた。昼休み時間帯における東証立会外 取引で、現物株のバスケット取引(約430億円成立)が買い決め優勢となった ことを受け、午後に入ると「市場参加者の心理が一段と強気に傾き、日経平均 先物に1000枚単位の買いが断続的に入った」(日興コーディアル証券エクイ ティ部の西広市部長)。実際、約定状況を見ると、午後に入り100枚単位の取 引が相次いで成立したことを確認できる。日経平均は午後1時15分過ぎに 473円高まで上昇し、昨日下げ分の447円を相殺する場面もあった。

大和証券SMBCエクイティ・マーケティング部の西村由美上席課長代理 によると、特に目立った材料は出ていないが、「午後寄り直後から債券先物が 先行して下げを広げ、株価指数先物に大口買いが断続的に入った」そうだ。投 資ファンドの資金繰り懸念報道が伝わり、「株価指数先物が主導する形で急落 した前日午後と、結果的に全く逆の動きになった」(同氏)。

引け際伸び悩む

もっとも、米住宅ローン問題の広がりに伴う、「実体経済や信用リスクに 関わるネガティブニュースが出ることに対する警戒感はそう簡単に拭いきれな い」(大和SMBCの西村氏)ため、日経平均は取引終了にかけて伸び悩み。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は20日、米住 宅ローン関連の債務担保証券(CDO)108億ドル(約1兆1700億円)相当 を格下げしたと発表。S&Pによるこの日の格下げの中には、米シティグルー プやみずほインターナショナルが引き受けている一部クラスを含め、最高位格 付けの「AAA」から投資不適格等級に引き下げられる債券もあった。S&P はこれまでに3491億ドル相当のCDOを格下げ、または格下げ方向で見直し の対象としている。住宅ローン市場の混乱や信用劣化を反映したという。

25日線上向き

日経平均は20日に25日移動平均線(20日時点:1万3382円)をあっさ りと割り込むが、この日は早々に同水準を回復した。19日には日経平均の5 日移動平均線が25日線を下から上に突き抜け、相場上昇のシグナルとされる 「ミニ・ゴールデンクロス」を形成。21日終了時点の25日線は1万3390円 と、前日まで下降していた25日線が上向いており、市場では「今後は強気姿 勢に転じる市場参加者が増えそう」(東洋証券の児玉克彦シニア・ストラテジ スト)との声が聞かれている。

住友鉱と東邦鉛が15%高、地銀に連想買いも

20日の原油先物相場はインフレヘッジとして買いが継続、ニューヨーク 商業取引所(NYMEX)の先物3月限は一時1バレル=101.32ドルと続伸 し、過去最高値を付けた。NYMEXのCOMEX部門の金先物4月限も前日 比0.9%高の1オンス=937.80ドルと続伸。これを受けて資源関連株に投資資 金が流入、国際石油開発帝石ホールディングスや新日本石油、三菱商事などが 買われた。住友金属鉱山と東邦亜鉛はともに15%上げ、東証1部の上昇率上 位。住友鉱については、UBS証券が20日付で投資判断を「中立」から「買 い」に引き上げる材料もあった。

経営統合する方向で検討に入ったと21日付の日本経済新聞朝刊が報じた 池田銀行と泉州銀行も買われ、池田銀は一時ストップ高(値幅制限の上限)。 「地銀で再編の思惑が高まった」(ちばぎんアセットマネジメント運用部の長 壁啓明ファンドマネージャー)といい、千葉興業銀行や長野銀行、東日本銀行、 栃木銀行なども上げ、東証銀行株指数の上昇率上位に地銀株が並んだ。

このほか、持ち分法適用会社であるダイエーののれん相当額、税引き前で 約135億円を今期(2008年2月期)に減損処理するイオンは反発。株式の相 互持ち合いと商品の共同開発や資材の共同仕入れなどの業務提携を発表したモ スフードとダスキンはともに上昇。オンラインゲーム事業などが好調で、2007 年12月期の連結営業利益が前の期比54%増となったテクモは急反発した。

良品計画と日産自は安い

半面、東証1部の9割超が上昇するほぼ全面高となる中、JPモルガン証 券が目標株価を引き下げた良品計画が大幅に3日続落。モルガン・スタンレー 証券が21日付で投資判断を1段階引き下げ、「中立」とした日産自動車も下 落。文具やOA用品など約1200品目を値下げすると発表したアスクル、欧州 の関連会社の株式を買い増し連結子会社化したオプテックスは売り込まれ、と もに東証1部の値下がり率上位に入った。自社株買いの発表を受け、前日まで 2日連続で大幅高のアイティフォーは反落。

新興3指数は反発

国内新興3市場の主要指数は反発。東証1部がほぼ全面高となるなど相場 環境が好転したことで、新興市場にも投資資金が流入した。ジャスダック指数 の終値は前日比0.65ポイント(1%)高の65.38、東証マザーズ指数が15.68 ポイント(2.5%)高の686.56、大証ヘラクレス指数は13.07ポイント (1.3%)高の1033.73。個別では、楽天、インテリジェンス、サイバーエー ジェントが買われ、日本風力開発、ぐるなびが高い。半面、テレウェイヴ、エ イチアイ、ネクストが下げ、夢真ホールディングスは急落。

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