1月の貿易収支は1年ぶりの赤字-原油高による輸入増で逆転(3)

1月の日本の貿易収支は、原油価格の高騰 が輸入額を押し上げたため、1年ぶりに赤字となった。輸出はアジアや欧州連 合(EU)向けは堅調だった一方、景気減速が鮮明な米国向けが5カ月連続で 減少した。

財務省が21日発表した貿易統計速報(通関ベース)によると、1月の貿易 収支額は793億円の赤字だった(前年同月は35億9200万円の赤字)。輸出額は 同7.7%増の6兆4115億円、輸入額は同9.0%増の6兆4909億円で、いずれも 1月としては過去最高額だった。ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト 35人を対象に事前調査したところでは、1月の貿易収支(原数値)は予想中央 値で82億円の黒字が見込まれていた。

原油高による輸入額の増加はコスト増を通じて企業収益を圧迫するほか、 生活必需品の値上げによって個人消費が低迷するリスクを増大させる。その一 方で、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の影響に伴う 米景気減速を背景とした対米輸出の減少は他地域にも広がる懸念があり、日本 経済の足を引っ張りかねない状況だ。

農林中金総合研究所の南武志主任研究員は「1月の輸出動向を見る限り、 米国経済減速の影響が世界全体まで波及している様子はうかがえず、輸出自体 は依然として底堅い数字となっている」としながらも、中華圏の春節(旧正月) 前の駆け込み需要などの影響で輸出入ともにぶれやすい時期だけに、2、3月 の輸出動向を注視する必要があると指摘している。

また財務省関税局の小尾正臣調査課長は統計発表後、「1月は正月休みがあ るため、例年、輸出が低水準で推移している。一方で、輸入は原油高が続いて いるため、貿易収支が赤字になった」と説明した。

対米は建設用機械など減少

対米向けの輸出額は前年同月比3.2%減の1兆2140億円。住宅市場の低迷 などを受けて建設・鉱山用機械が同28%減少したほか、二輪自動車も販売不振 で同27.1%減少した。映像機器も同18.2%減少した。一方で、対EU向けは船 舶や原動機などの輸出が増えたことから同10.6%増の9931億円。アジア向け は、自動車や自動車部分品、鉄鋼の輸出が好調で同8.2%増の3兆374億円とな り、EU向けとともに1月としては過去最高額だった。

第一生命経済研究所の柵山順子副主任エコノミストは発表前のリポートで、 「輸出は伸びが小幅鈍化するが、底堅い推移が続く」とした上で、中東など資 源国向けのテレビや乗用車の輸出が、米国向け輸出の減少を下支えすると予想。 貿易収支赤字の主な要因については、原油価格高騰に伴う輸入額の高い伸びが 背景にあると指摘していた。

地域別でみると、対米貿易黒字額は前年同月比4.8%減の5407億円。対ア ジアは同76.2%増の2936億円、対EUは同22.6%増の3477億円だった。