2月20日の海外金融・株式・為替市場(2)

(米国株と米国債、NY外為を更新します)

○米国株:反発。テクノロジー株やエネルギー株が買いを集め、この1週間で最 大の値上がりだった。コンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)の 利益が予想を上回ったほか、原油相場が前日に続き高値を更新して引けたのが手 掛かりだった。

朝方の株式相場は下げて始まったが、ヘッジファンドを運営する投資家の ウィリアム・アックマン氏が金融保証会社(モノライン)の再編計画を支持し たのが材料視され、その後は銀行株を中心に買いが膨らんだ。HPは約2年ぶ り大幅高。石油のエクソンモービルやシェブロンは約1カ月ぶりの高値をつけ た。午後に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録でメンバーが 「当面は低い実質金利が適切」と判断したことが示されると、株式相場はさら に上げ幅を拡大した。

S&P500種株価指数は前日比11.25ポイント(0.8%)上げて1360.03。 ダウ工業株30種平均は90.04ドル(0.7%)高の12427.26ドル。ナスダック 総合指数は20.90ポイント(0.9%)上昇し2327.10。ニューヨーク証券取引所 (NYSE)の騰落比率は5対2。

モルガン・キーガンのジョン・ウィルソン氏は、「エネルギー株が上昇す るのと同時にテクノロジー株にも活気がみられるのは心強い。これまでよりも 幅広く買いが入っている」と語った。

市場参加者は競争激化に伴う電話会社の業績悪化や、1月の消費者物価指 数(CPI)の上昇による利下げ見送りを懸念し、朝方は売りが優勢だった。

HPは2005年8月以来で最大の上げを記録した。2007年11月-08年1 月(第1四半期)決算は、純利益が前年同期比38%増の21億3000万ドル(1 株当たり80セント)。買収費用を除いた1株利益は86セントとなり、ブルー ムバーグがまとめたアナリスト予想平均を5セント上回った。HPはまた、海 外での需要を理由に通期業績見通しを引き上げた。同業のデル、半導体のイン テルも高い。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引される原油先物3月限は前 日比73セント(0.73%)高の1バレル=100.74ドルだった。

金融株が高い

米労働省が発表した1月のCPI(季節調整済み)は前月比0.4%上昇と、 ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト予想中央値(0.3%上昇) を上回った。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は1月に前月比

0.3%上昇と、2006年6月以来で最大の伸びだった。

S&P500種に採用される金融株で構成する株価指数は1.6%高。証券の メリルリンチや銀行大手ウェルズ・ファーゴ、保険大手アメリカン・インター ナショナル・グループ(AIG)はいずれも上昇した。

T.J.マックスやマーシャルズといったディスカウントストアを運営す るTJXが上昇、小売株は買いを集めた。TJXが発表した11-1月(第4四 半期)決算は、前年同期比47%の増益だった。一部項目を除く利益はアナリス ト予想を上回った。

FOMC予測

FOMCによると2008年第4四半期の実質国内総生産(GDP)は前年 同期比1.3-2%増。昨年10月の時点では1.8-2.5%増と予想されていた。 また今年第4四半期の平均失業率は5.2-5.3%。従来予想の4.8―4.9%から 引き上げられた。

金利先物市場動向によると、3月18日のFOMC会合でフェデラルファ ンド(FF)金利誘導目標が0.5ポイント引き下げられる確率は92%となって いる。残る8%は0.25ポイントの利下げを見込んでいる。

○米国債:2年債相場が下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)はこの 日示した経済予測でリセッション見通しを示さず、インフレが加速する見 込みだと言及したことから売りが優勢となった。

また株価の反発で比較的安全資産である米国債への需要が弱まった ことも弱材料だった。

カルバート・アセット・マネジメントの債券ストラテジスト、ステ ィーブン・バノーダー氏は「FOMCは利下げを続けたいようだ」と指 摘。「特にインフレが続く場合には、どの程度まで引き下げられるかが 問題だ」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後 4時3分現在、2年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01ポイント)上昇して2.13%。一時は今月1日以来の2.14%を付け た。2年債価格(表面利率2.125%、2010年1月償還)は3/32下げて 99 31/32。10年債利回りは前日比ほぼ変わらずの3.90%。

FOMCの最新の予想では、2008年第4四半期の実質国内総生産 (GDP)は前年同期比1.3-2%増。昨年10月の時点では1.8-2.5% 増と予想されていた。また今年第4四半期の平均失業率は5.2-5.3%。 従来予想の4.8―4.9%から引き上げられた。経済予測の内容は1月に開 催されたFOMCの議事録公開とともに明らかになった。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利 先物相場の動向によると、3月18日にFOMCが3%のFF金利誘導目 標を0.50ポイント引き下げる確率は92%。

インフレ見通し

FOMCが示した予想では、食品とエネルギーを除いたコアインフ レ率は今年第4四半期に前年同期比2-2.2%。10月の予想では1.7-

1.9%とされていた。総合指数は同2.1-2.4%の上昇と、従来予想の1.8 -2.1%上昇から上方修正された。

またセントルイス連銀のプール総裁はこの日、リセッション(景気 後退)回避のための行き過ぎた利下げは、インフレを「容認できない」 水準まで加速させるリスクを伴うとの見方を示した。

プール総裁は講演で、「特定のリスクにかける保険はただではな い」と指摘。「政策当局はいつ何時でも、今後著しいリセッションに陥る 可能性を排除するために拡大的な金融政策を断行することができるが、 それにはコストが伴う。インフレ率を受容できない水準に上昇させてし まう可能性すらある」と述べた。

消費者物価指数

米労働省が20日に発表した1月の米消費者物価指数(CPI、季節 調整済み)は前月比0.4%上昇と、12月と同じ伸び率だったがブルーム バーグ・ニュースが実施したエコノミスト予想中央値(0.3%上昇)は上 回った。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は1月に前月 比0.3%上昇と、前月の0.2%上昇から加速。エコノミスト予想中央値 (0.2%上昇)を上回った。

10年債利回りと同じ年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り格 差は、2日連続で拡大。この日は2.40ポイントと、昨年11月以来の最 大となった。

○NY外為:ドルが対円で上昇。1月の消費者インフレが予想以上に加速して いたことが明らかになり、連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ姿勢が弱 まるとの観測が広がった。

ドルは主要16通貨のうち11通貨に対して上昇。米株価指数が朝安から 上昇に転じ、投資家のリスク志向が強まったことから、円は大半の主要通貨に 対して下げた。ポンドは対ドルでほぼ1カ月ぶりの安値に下げた。

ステート・ストリート・グローバル・マーケッツの通貨ストラテジスト、 カーリン・ドイル氏(ロンドン在勤)は、「インフレは鎮静化できないのでは ないかとの不安が根強い」と語る。「市場ではこれまでの利下げ観測を見直す 動きが出てきており、このためドルは上昇した」と付け加えた。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルは対円で1ドル=108円19銭に上 昇。前日遅くは同107円78銭だった。ユーロは対円で159円12銭。前日の 同158円71銭から上げた。ドルは対ユーロでほぼ変わらずの1ユーロ=

1.4708ドル。前日遅くは同1.4725ドルだった。

円はブラジル・レアルに対して1.4%下げ、オーストラリア・ドルに対し て0.3%下落した。

ポンドは1月22日以来の安値となる1ポンド=1.9363ドルに下落。前 日は同1.9485ドル。イングランド銀行は今月の金融政策委員会(MPC)で 政策金利を5.25%に引き下げたが、この日公開された議事録によると決定は8 対1だった。

南アフリカのランド

南アのランドは主要通貨すべてに対して下落。マニュエル財務相は政府の 外貨規制緩和方針の一環として、機関投資家の対外投資拡大を容認する意向を 明らかにした。ランドは前日から1.8%下げて1ドル=7.8135ランド。

米労働省が発表した1月の米消費者物価指数(CPI、季節調整済み)統 計では、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年比で2.5%上 昇と、前月の2.4%上昇から加速。ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想 中央値は2.4%上昇だった。

FOMCは昨年9月からの一連の利下げで、フェデラルファンド(FF) 金利誘導目標を合計2.25ポイント引き下げ、3%に設定した。シカゴ商品取 引所(CBOT)で取引される金利先物の動向によると、3月18日の次回F OMC会合で0.5ポイントの利下げが実施される確率は94%。0.75ポイント の利下げ確率はゼロに低下。1週間前は32%の確率だった。

FOMC

ワコビア(ノースカロライナ州シャーロット)のグローバルエコノミスト、 ジェイ・ブライソン氏はFOMCについて、「ややスピードを落とし、リセッ ション(景気後退)に対する保険を軽くしたいと考えているのではないだろう か」と予想する。「景気が急降下しなければドルには朗報であり、景気が悪化 すればもっと積極的な利下げが必要になるため、ドルには悪いニュースだ」と 付け加えた。

FOMC議事録によると、1月の会合でメンバーは「当面は低い実質金利 が適切」と判断した。FOMCはまた、今年の経済成長率見通しを下方修正し た。

1月9日と21日の電話会議ならびに1月29-30日開催の定例会合の議 事録によると、「複数の参加者が景気の下振れリスクが著しいと認識してい た」。

「2次的影響」

ドイツ最大の労働組合であるIGメタル(全独金属労組)が約8万5000 人の鉄鋼労働者を対象に5.2%の賃上げを確保したと発表。欧州中央銀行(E CB)が現行4%の政策金利を引き下げるとの観測が後退したため、対ユーロ でのドルの上値は限られているとの見方がある。

ECB政策委員会メンバーのガルガナス・ギリシャ中央銀行総裁は、「E CBの政策委員会は、消費者物価へのいかなる2次的影響をも回避するとの方 針を堅持する」と言明した。

○英国債:10年債相場が下落。同利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇し4.68%となった。

同国債(2018年3月償還、表面利率5%)価格は0.31ポイント下げ

102.54。一方、2年債利回りはほぼ変わらずの4.23%だった。

イングランド銀は20日、今月開かれた金融政策委員会(MPC)の議事録を 発表。同議事録によれば、MPCは「エネルギーと食料品の値上がりでインフレ 率はかなり急激に押し上げられる可能性がある」とみていた。

○欧州債:下落。米独の経済統計がいずれもインフレ加速を示したことを受け、 利下げ見送りの観測が強まった。

1月の独生産者物価指数(PPI)は前年同月比で3.3%と、1年1カ月ぶ りの大幅な伸びとなった。1月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想を上回 る伸びを示した。冬期の暖房向け燃料の需要が低迷するなか、産油国が減産する との見方から、原油相場は最高値圏で推移した。

RIAキャピタル・マーケッツのストラテジスト、ニック・スタメンコビッ チ氏は「ドイツのPPIで欧州中央銀行(ECB)はタカ派的な姿勢を維持する だろう」と述べ、「早期利下げへの市場の期待は楽観過ぎということになるだろ う」と指摘した。同氏はECBによる利下げは6月までないとみている。

2年債利回りはロンドン時間午後4時19分までに、前日比5ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)上げ3.23%となった。一時は10bp上げる場面 もあった。同国債(2009年12月償還、表面利回り4%)価格は0.09ポイント 下げて101.32。10年債利回りは同2bp上げ4.01%。

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参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net

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