NY外為:ドルは対円で上昇、インフレ加速で利下げ観測が後退(2)

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対 円で上昇。1月の消費者インフレが予想以上に加速していたことが明らかにな り、連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ姿勢が弱まるとの観測が広がっ た。

ドルは主要16通貨のうち11通貨に対して上昇。米株価指数が朝安から 上昇に転じ、投資家のリスク志向が強まったことから、円は大半の主要通貨に 対して下げた。ポンドは対ドルでほぼ1カ月ぶりの安値に下げた。

ステート・ストリート・グローバル・マーケッツの通貨ストラテジスト、 カーリン・ドイル氏(ロンドン在勤)は、「インフレは鎮静化できないのでは ないかとの不安が根強い」と語る。「市場ではこれまでの利下げ観測を見直す 動きが出てきており、このためドルは上昇した」と付け加えた。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルは対円で1ドル=108円19銭に上 昇。前日遅くは同107円78銭だった。ユーロは対円で159円12銭。前日の 同158円71銭から上げた。ドルは対ユーロでほぼ変わらずの1ユーロ=

1.4708ドル。前日遅くは同1.4725ドルだった。

円はブラジル・レアルに対して1.4%下げ、オーストラリア・ドルに対し て0.3%下落した。

ポンドは1月22日以来の安値となる1ポンド=1.9363ドルに下落。前 日は同1.9485ドル。イングランド銀行は今月の金融政策委員会(MPC)で 政策金利を5.25%に引き下げたが、この日公開された議事録によると決定は8 対1だった。

南アフリカのランド

南アのランドは主要通貨すべてに対して下落。マニュエル財務相は政府の 外貨規制緩和方針の一環として、機関投資家の対外投資拡大を容認する意向を 明らかにした。ランドは前日から1.8%下げて1ドル=7.8135ランド。

米労働省が発表した1月の米消費者物価指数(CPI、季節調整済み)統 計では、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年比で2.5%上 昇と、前月の2.4%上昇から加速。ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想 中央値は2.4%上昇だった。

FOMCは昨年9月からの一連の利下げで、フェデラルファンド(FF) 金利誘導目標を合計2.25ポイント引き下げ、3%に設定した。シカゴ商品取 引所(CBOT)で取引される金利先物の動向によると、3月18日の次回F OMC会合で0.5ポイントの利下げが実施される確率は94%。0.75ポイント の利下げ確率はゼロに低下。1週間前は32%の確率だった。

FOMC

ワコビア(ノースカロライナ州シャーロット)のグローバルエコノミスト、 ジェイ・ブライソン氏はFOMCについて、「ややスピードを落とし、リセッ ション(景気後退)に対する保険を軽くしたいと考えているのではないだろう か」と予想する。「景気が急降下しなければドルには朗報であり、景気が悪化 すればもっと積極的な利下げが必要になるため、ドルには悪いニュースだ」と 付け加えた。

FOMC議事録によると、1月の会合でメンバーは「当面は低い実質金利 が適切」と判断した。FOMCはまた、今年の経済成長率見通しを下方修正し た。

1月9日と21日の電話会議ならびに1月29-30日開催の定例会合の議 事録によると、「複数の参加者が景気の下振れリスクが著しいと認識してい た」。

「2次的影響」

ドイツ最大の労働組合であるIGメタル(全独金属労組)が約8万5000 人の鉄鋼労働者を対象に5.2%の賃上げを確保したと発表。欧州中央銀行(E CB)が現行4%の政策金利を引き下げるとの観測が後退したため、対ユーロ でのドルの上値は限られているとの見方がある。

ECB政策委員会メンバーのガルガナス・ギリシャ中央銀行総裁は、「E CBの政策委員会は、消費者物価へのいかなる2次的影響をも回避するとの方 針を堅持する」と言明した。