訂正:日本株(終了)午後急落、銀行や不動産売り-信用懸念と原油高

東京株式相場は、午後に下げ幅を拡大し て大幅安。原油高騰を受けて実体経済への影響を警戒する動きが広がる中、午 後に入って海外金融機関をめぐる材料から信用収縮への不安心理が膨らんだ。 みずほフィナンシャルグループなどの銀行株や、トヨタ自動車など輸出関連株 中心に幅広く下落。マンション販売低迷の長期化不安から、住友不動産や東京 建物など不動産株の下げが終日目立ち、東証業種別33指数の不動産指数は値 下がり率で1位。

りそな信託銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・ストラテジス トは、「再証券化のチャネルの痛みによる信用収縮が、コマーシャルペーパー (CP)など証券化商品までスパイラル的に及んでいることが分かった」と指 摘。KKRフィナンシャルグループのCP償還延期のニュースについては、 「信用力の高い機関投資家でさえ影響が出ていることを示している」(同氏) という。

日経平均株価の終値は前日比447円54銭(3.3%)安の1万3310円37銭、 TOPIXは42.57ポイント(3.2%)安の1302.72。東証1部の売買高は概 算で23億9940万株、売買代金は同3兆459億円。値上がり銘柄数は111、値 下がり銘柄数は1584。

KKRで株先売り増加

原油価格が最高値となったことを受け、インフレ警戒感などから反落して 終えた午前の東京市場。さらに午後になって一段安となったのは、プライベー トエクイティファンドのKKRフィナンシャルグループがコマーシャルペーパ ーの償還を延期したことが明らかになったためだ。午後には、株価指数先物に まとまった売り注文が急増し、銀行株中心に下げ幅が急激に広がった。

新生銀行アセットマネージメント部の作本覚部長は、「米系銀行が米サブ プライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連の損失で融資姿勢を厳しく している。KKRだけでなく他の企業にもその影響が出てくるとの信用収縮不 安が高まった」と指摘。投資家は同問題の根本処理をしない限り、「信用不安 は払しょくできないことをあらためて認識した」(同氏)としている。

三井住友フィナンシャルグループの下落率が5.7%となったのをはじめ、 みずほフィナンシャルグループと三菱UFJフィナンシャル・グループも4% 超とTOPIX以上の下落を示した。銀行は東証1部業種別下落率で3位。

また、20日付の日本経済新聞は、健康保険組合が健康保険料の引き上げ に動き始めたと伝えた。国内最大の健保組合が4月から引き上げるのをはじめ、 東京電力やセブン&アイ・ホールディングスの組合も上げるとしている。りそ な信託の黒瀬氏は、「保険料の引き上げは上場企業の来期1株利益を1%引き 下げる影響がある」とし、国内には独自のマイナス要因があることがきょうの 株価の下げの大きさにつながったと解説していた。

日経平均は1月22日安値後の2月4日に1万3889円まで上昇。18日と 19日にはともに一時1万3800円台まで上昇しながら、同高値を上回ることは できなかった。ちょうど「戻り一服感が出た」(大和証券SMBCエクイテ ィ・マーケティング部の高橋和宏部長)状況だったことも、終日売り圧力に押 された要因ともいう。

不動産株が下落率首位

幅広く売られる中で、銀行と同じく下げが目だったのは不動産。不動産経 済研究所が19日に発表した2007年の全国マンション販売戸数は前年比14% 減と、2年連続で前年を下回った。同発表は前日午後の取引時間に明らかとな っていたものの、08年も8.4%減が予想されており、販売低迷が長期化するの ではないかとの懸念が高まった。大和住銀投信投資顧問の岩間星二ファンドマ ネージャーは、「マンション販売が反発するとは見込みづらいので、調査機関 の評価は違和感がない」と話していた。

不動産株では、住友不動産が売買を伴って東証1部値下がり3位と急落し たほか、東京建物や日本綜合地所などマンション販売が主力である企業、不動 産投資ファンドを手掛けるパシフィックマネジメントなどがそろって大きく下 げた。サンフロンティア不動産は東証1部の値下がり率トップ。東証不動産指 数は7.2%安と、午前の東証1部の業種別下落率で首位、2位の倉庫・運輸関 連の4.6%安を大きく引き離した。

ヤマダ電やコニカミノ安い、資源やソフト関連堅調

個別では、UBS証券が格下げしたヤマダ電機が8%超の下げとなるなど 急落。クレディ・スイス証券が格下げしたコニカミノルタ、JPモルガン証券 が投資判断を引き下げた新光電気工業も大幅安。通期業績予想を引き下げた日 本精線、08年12月期の連結営業利益予想を前期比12%減とした堀場製作所も 売られた。

半面、19日のUBSブルームバーグCMCI総合指数が一時3.1%高の

1447.015と過去最高値を記録するなど、商品相場の上昇から太平洋興発や住 友石炭鉱業、大平洋金属など資源関連株が上昇。ゴールドマン・サックス証券 が投資判断を引き上げた伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)や野村総合 研究所、新日鉄ソリューションズなどもそろって上げた。減益見通し発表で朝 方は安く始まったブリヂストンは、会社計画ほど業績が落ち込まないとの見方 から3日ぶり反発。

新興3市場も午後に下げ拡大

国内新興市場も午後に下げが拡大した。東証1部市場の急落で投資家心理 が悪化し、ネット関連株中心に売りが膨らんだ。ジャスダック指数の終値は前 日比0.89ポイント(1.4%)安の64.73、東証マザーズ指数は18.95ポイント (2.8%)安の669.88とそれぞれ続落。大証ヘラクレス指数は35.07ポイント (3.3%)安の1020.66と反落した。

個別では楽天、インテリジェンス、サイバーエージェント、ミクシィ、ぐ るなびが下落。東証1部の不動産株急落を受けてダヴィンチ・アドバイザーズ やアセット・マネジャーズも売られた。一方、エムティーアイ、フルスピード、 アクロディアは高い。

新光総合研究所の山本光孝クオンツアナリストはブルームバーグ・テレビ とのインタビューで、新興3市場の調査対象590社のうち、562社が業績開示 を終え、07年4-12月期の経常利益が1.2%増と、4-9月までの9.7%増か ら急減速、東証1部の7.5%増を下回るとの集計結果に言及。1部銘柄はグロ ーバル化の中で海外で収益を上げているが、「新興企業は資源高によるコスト 高で採算が悪化している」と指摘した。新興企業の株価は国内要因が多く、 「国内景気が盛り上がらないと、なかなか上がらない」との認識を示した。

--共同取材:PATRICK RIAL Editor:Shintaro Inkyo

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