日本株は輸出中心に下落へ、原油再び100ドルに警戒感-金融も(2)

東京株式相場は下落する見通し。原油先 物価格が再び1バレル=100ドル台に乗せ、過去最高値を更新したことで、イ ンフレによる米国経済への悪影響が懸念されそう。海外景気動向の影響を受け やすい自動車、電機など輸出関連株が安くなるとみられ、金融保証会社(モノ ライン)の格下げ警戒により、銀行など金融株も軟調となる可能性がある。

日興コーディアル証券エクイティ部の西広市部長は、「景気への過度な不 安は後退してきているが、20日以降の米国の経済指標を見極めたいとのムード が強い」と指摘。きょうの相場は「もみ合いながらも、底堅い展開となりそう だ」(同氏)との見方を示している。

米国では20日に1月消費者物価や1月住宅着工戸数、21日には1月コン ファレンスボード景気先行指数の発表などが控えている。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の19日清算値は1万 3720円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万3760円)に比べて40円安。

減産観測で原油最高値、ブリヂストは減益見通し

19日のニューヨーク原油先物相場は、石油輸出国機構(OPEC)が来月 の総会で減産を決定するとの観測を背景に急伸。過去最高値のバレル当たり

100.10ドルまで上昇した。原油高は資源関連株の業績にとってプラス材料とな るものの、このまま高止まりすればインフレ懸念につながり、実体経済に悪影 響を与える可能性が出ている。

米個人消費が減速すれば、輸出依存度の高い自動車や電機などにとって輸 出数量減の不安が出てくることから、関連銘柄群には売りが先行することが予 想される。中でも、原材料高が負担で2008年12月期の純利益予想が前期比 32%減見通しとなり、UBS証券が投資判断を引き下げたブリヂストンなどは 下げがきつくなりそうだ。

また、20日付の日本経済新聞朝刊によると、内閣府は2月の月例経済報告 で、景気の基調判断を1年3カ月ぶりに下方修正することで最終調整に入った。 これまで景気をけん引してきた輸出の一部に弱さが見られることなどが原因と いう。

19日の米国株相場は、米ダウ工業株30種平均が前営業日に比べて一時 157ドル(1.3%)高まで上昇する場面があったが、原油高の影響が不安視され て結局マイナスに転じた。主要株価3指数の終値は、ダウ30種平均が10.99 ドル(0.1%)安の12337.22ドル、S&P500種株価指数は同1.21ポイント (0.1%)安の1348.78、ナスダック総合指数は15.60ポイント(0.7%)安の

2306.20。

モノラインに根強い懸念

このほか、米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは19 日発表した文書で、銀行20行がモノライン格下げから最も影響を受ける資産 担保証券を約1200億ドル(約12兆9000億円)保有していることを明らかに した。モノラインが格下げとなれば、20行の引当金は少なくとも70億-100 億ドル、一段と深刻な状況では、200億-300億ドルの引当金計上を迫られる 可能性があるという。

さらにスイス2位の銀行、クレディ・スイス・グループは08年1-3月 期における一部の資産担保証券(ABS)の評価額を28億5000万ドル(約 3070億円)引き下げたと発表。モノラインが依然として資本増強と格下げ懸念 との綱引き状況にあることに加え、欧州銀行の損失も相次いでいることで、銀 行株や保険株も軟調となる公算がある。

堀場製は下落公算、商社やソフト株が支えに

個別に材料が出た銘柄では、米国の経済減速懸念による先行き不透明感か ら08年12月期の連結営業利益予想を前期比12%減とした堀場製作所、今期純 利益を前期比28%減と見込んだ北海道コカ・コーラボトリング、今期業績予想 を引き下げたトラストワークスなどが下落しそう。

もっとも、原油高は経済全体にはマイナス要因となるが、三井物産などの 商社株や、新日本石油など資源関連株は業績期待から上昇する可能性があり、 相場全般を下支えする場面も見られそうだ。

パソコンメーカー最大手の米ヒューレット・パッカード(HP)が通常取 引終了後に発表した07年11月-08年1月(第1四半期)純利益は、前年同期 比38%増の21億3000万ドル(1株当たり80セント)と1株利益がアナリス ト予想を上回った。時間外取引で同社株は通常取引終値比2%超の上昇となっ ている。日興シティグループ証券では東京エレクトロンの投資判断を「買い」 に引き上げており、電機株の一角には投資資金が向かう公算もある。

このほか、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を引き上げた野村総合 研究所や日立ソフトウェアエンジニアリング、伊藤忠テクノソリューションズ (CTC)などの情報処理サービス関連株は上昇が予想される。2月29日付 で発行済み株式総数の1.63%に相当する305万株の自己株式を消却するクレハ も買いが先行しそう。

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