NY外為:ドル下落、対ユーロで2週ぶり安値-金利見通しで売り(2)

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対 ユーロで下落。連邦公開市場委員会(FOMC)による利下げが続き、欧州金 利との格差が広がるとの見方から、2週間ぶりの安値に下げた。

欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーであるノワイエ仏中銀総裁は ユーロ圏の経済成長を「楽観する」根拠があると発言。これを受けてドルは下 げ始めた。ブラジル・レアルは8年ぶり高値に上昇。好調な輸出に加え、イン フレ連動債利回りが新興市場国のなかで最高に達したことから、投資資金が流 入した。一方、ポンドは対ユーロで1カ月ぶりの安値に下落した。

ルーシュ・インターナショナル(ワシントン)の外為アナリスト、オマ ー・エシナー氏は「米国の利回り低下見通しと、経済のファンダメンタルズ (基礎的諸条件)の悪化が重なり、ドルの重石になっている」と指摘。「米国 経済は急激に減速しつつあり、これがドルにはマイナスに作用する利下げ継続 につながる」と付け加えた。

ニューヨーク時間午後2時53分現在、ドルは1ユーロ=1.4736ドルに 下落。一時は2月5日以来の安値となる同1.4757ドルまで下げた。前日遅く は同1.4658ドル。円はほぼ変わらずの1ユーロ=158円57銭。前日は同 158円63銭。ドルは対円で1ドル=107円60銭に下落。前日は同108円23 銭だった。

スコシア・キャピタル(トロント)の顧客向けリポートによると、トレー ダーはドルが1ユーロ=1.4785ドルから同1.4684ドルのレンジにとどまる との想定に基づき両水準に指値注文を設定しているため、ドルがこのレンジを 抜けるのは難しいという。

商品輸出国

オーストラリアやニュージーランド、ブラジルなど商品輸出国の通貨に買 いが入った。UBSブルームバーグ・コンスタント・マチュリティ商品指数は 過去最高を記録。プラチナや大豆、ガソリンは過去最高値に上昇。原油はバレ ル当たり100ドルに達した。

ブラジル・レアルは0.2%上昇して1ドル=1.7322レアル。一時は 2000年3月24日以来の高値となる同1.7262レアルを記録。前日は同

1.7353レアルだった。ニュージーランド(NZ)ドルは昨年7月26日以来の 高値、1NZドル=80.24米セントまで上昇した。

豪ドルは0.8%上昇して1豪ドル=92.08米セント。3カ月ぶりの高値 である同92.38米セントまで上げる場面もあった。オーストラリア準備銀行は 今月の政策会合で25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)の利上 げを決定し、政策金利を7%に設定。議事録の公表により、50bpの利上げが 協議されていたことが明らかになった。

ポンドは1ユーロ=75.57ペンスに下落。前日は同75.06ペンス。英銀 大手のバークレイズの2007年7-12月(下期)決算が前年同期比21%の減 益だったことが嫌気された。

「成長要因」

ノワイエ仏中銀総裁はパリで講演し、「ユーロ圏特有の成長要因があり、 ある程度楽観できる根拠となっている。雇用には依然として活気があり、米国 とは対照的に家計の債務はきわめて低い。また不動産市場はさほど弱くない」 と述べた。ユーロ圏の政策金利は4%に設定されている。

FOMCが現在の利下げ局面をスタートさせた昨年9月18日以来、ドル は対ユーロで5.1%下げている。FOMCはフェデラルファンド(FF)金利 誘導目標を合計2.25ポイント引き下げ、3%に設定した。ドルは昨年11月 23日に1ユーロ=1.4967ドルの過去最安値を記録した。

デイリーFXドットコムの上席通貨ストラテジスト、ボリス・シュロスバ ーグ氏(ニューヨーク在勤)は「ECBが金利を据え置く一方でFOMCが利 下げを継続する期間が長ければ、その分ドルが最安値を更新する確率が高ま る」と指摘。「ドルを敬遠するセンチメントが浮上しつつある。米金融セクタ ーの資金繰りが懸念されている」と付け加えた。

米国債市場では2年債利回りが同じ年限のドイツ国債を113bp下回って いる。この格差は1月22日に139bpに拡大し、2002年以来の最大となって いた。