キューバのカストロ氏、国家評議会議長と軍最高司令官を辞任(2)

キューバのフィデル・カストロ国家評議 会議長(81)は19日、行政トップの同議長と軍最高司令官からの退任を表明 した。カストロ氏は約50年間、キューバの最高指導者として君臨してきた。 共産党機関紙グランマ(オンライン版)が同日、報じた。

同紙によれば、カストロ氏は「私は今後、国家評議会議長と軍最高司令官 の地位を強く望むことも、受け入れることもない。繰り返す、望みも受け入れ もしない」と言明、「私の唯一の望みは、理念のために兵士として戦うこと だ」と述べた。

カストロ氏はほぼ半世紀前、自由と経済的公正を掲げ権力を握ったが、キ ューバはその後、共産主義者の拠点として冷戦の火種となった。

ブッシュ米大統領は訪問先のルワンダの首都キガリで記者会見し、カスト ロ氏の辞任について、「キューバ国民にとって、民主主義への移行の始まり だ」と語り、米国からの支援を約束した。

2006年7月に腸内出血の手術を受けた後、カストロ氏は実権を弟のラウル 氏に譲った。昨年、首都ハバナで行われたメーデーのパレードには出席するこ とができなかった。

法律家としての教育も受けたカストロ氏は、1959年のキューバ革命で人口 1100万人の同国の権力を掌握。その後数十年にわたり、貧困層の識字率押し上 げや医療の改善に努める一方で、反体制活動家の投獄を続けた。

キューバ危機

カストロ氏が権力の座に就いたのは冷戦が頂点に達していた時代だった。 米フロリダからわずか145キロメートルの位置にあるキューバはソ連の前哨地 となり、1962年のキューバ危機では米ソ間核戦争勃発の瀬戸際まで緊張が高ま った。

キューバは強力な軍事力を維持していたが、1991年のソ連崩壊とともに経 済は深刻な不景気に陥り、食料を配給制に変え、国民にはガソリンを節約する ために自転車を利用するよう求めた。

カストロ氏はベネズエラのチャベス大統領など中南米諸国の新たな指導者 に多大な影響を及ぼしてきたが、ここ10年は健康状態の悪化が伝えられてい る。