日本株(終了)金融中心に上昇、欧州発で信用不安和らぐ-商社も高い

東京株式相場は上昇。カタール投資庁が 欧米銀行株の購入に今後1年で約150億ドルを投じる方針を示したほか、今週 予定されている英金融機関の2007年10-12月期決算が好調との見通しが伝わ ったことなどから、信用リスクへの不安が後退した。三菱UFJフィナンシャ ル・グループなど金融株中心に投資資金が流入。一部アナリストが目標株価を 引き上げた伊藤忠商事など大手商社株も上げ、外国為替市場における円相場の 落ち着きからトヨタ自動車など輸出関連株も高い。

日経平均株価の終値は前日比122円51銭(0.9%)高の1万3757円91銭、 TOPIXは同12.30ポイント(0.9%)高の1345.29。東証1部の売買高は 概算で21億4459万株、売買代金は2兆5833億円。値上がり銘柄数は1102、 値下がりは528。東証業種別指数は22業種が上昇、11業種が下落した。

ソシエテジェネラルアセットマネジメントの吉野晶雄チーフエコノミスト は、「世界的な金融不安が収束に向かっており、過剰流動性を背景に、株式な どリスク資産への資金流入が復活しつつある」との認識を示した。

年初からの世界株安のあおりを受け、「一時は東証1部上場銘柄の約5割 がPBR(株価純資産倍率)1倍割れとなるなど、悲観一色に傾いていただけ に、悲観が修正されるだけでも相場の上昇余地は大きい」(吉野氏)という。

また吉野氏は、この日の相場をけん引した金融株について、近々スキーム が固まる見通しの米金融保証会社(モノライン)への自己資本増強策により、 「モノラインのさらなる格下げが防げるようなら、買い戻す動きは継続しそ う」と見ている。

欧州金融株が買われる、カタール投資庁の計画

18日は米国市場が祝日休場となる中、同日の欧州株式相場は銀行や金属 メーカーを中心に上昇した。スイスの大手銀クレディ・スイス・グループはこ こ3週間で最大の上げを記録。カタールが同行の株式買い増しを明らかにした ことが好感された。好決算や増配への期待で、英銀バークレイズとロイズTS Bグループも高い。金属相場の上昇を背景にオーストラリアの鉱山大手BHP ビリトンも上げ、ダウ欧州株価指数の終値は前週末比1.9%高の323.53。

カタールのサーニ首相は、同国がクレディSグループの株式を買い増して いることを明らかにするとともに、米欧の銀行株購入に今後1年で最高150億 ドル(約1兆6200億円)を投じる方針を示した。カタール投資庁(QIA) 最高経営責任者(CEO)でもある同首相は、ドーハでの17日のインタビュ ーで、「われわれはクレディS株の一部を購入したが、まだその過程が半ばで あるため、何パーセントの株式を保有しているかは言えない」と話している。

トヨタ高で安心感、連休明けの米株見極めムードも

この日の日本株は、前日の欧州株高を好感する形で買い先行で始まった。 SMBCフレンド証券の中西文行ストラテジストは、「欧州を中心に金融機関 の基盤安定化に向けたニュースフローが相次いだことで、市場心理が上向い た」と指摘する。午後には日経平均が上げ幅を217円まで広げる場面があった。 午後の取引開始直後に4日続伸のトヨタが一段高となり、約2カ月ぶりの高値 水準を回復したことから、市場参加者の買い安心感を誘ったという。

トヨタ株の動向について、SMBCフ証の中西氏は「国内外機関投資家の 買い意欲が回復基調にあることを物語っており、相場全体にも好影響を与えて いる」との見方を示した。トヨタ株を一目均衡表で見ると、抵抗帯となる 「雲」を上抜け、新たな相場局面に入った可能性が示唆されている。

もっとも、日本株は戻り売り圧力に押され、伸び悩む場面も多く見られた。 「3連休明けの米国株式相場の動向を見極めるまで積極的な売買はしにくい状 況」(日興コーディアル証券の小林久恒シニアマーケットアナリスト)との声 も聞かれ、日経平均は取引終了にかけて値を切り下げた。

住友鉱や伊藤忠が急伸、REIT指数は4連騰

18日のロンドン金属取引所(LME)では銅やすず、ニッケルなどを中 心に全面高となった。銅先物相場(3カ月物)は前週末比3.2%高の1トン当 たり7974ドルで、4カ月ぶりの高値に上昇。金属価格高が収益にプラスに働 く住友金属鉱山や東邦亜鉛など非鉄金属株の一角に投資資金が向かった。住友 鉱に関しては18日、フィリピンのニッケル工場の生産能力増強のため、現在 建設中の工場建設費用を上積みするとの材料も重なり、6.1%高と急伸。

伊藤忠が7.9%高、三菱商事が4.4%高となるなど、大手総合商社が軒並 み高い。LMEでの金属価格上昇を受けて権益ビジネスでの収益拡大期待が高 まったほか、日興シティグループ証券が18日付で三菱商、三井物産、伊藤忠 の目標株価をそれぞれ引き上げたことも上げに拍車をかけた。

このほか、発行済み株式数の3.57%を上限に自社株買いを実施すると午 後2時に発表したアイティフォーが、発表後に急騰しストップ高(値幅制限の 上限)となり、東証1部の上昇率1位。主力のオフィス関連事業の好調で07 年12月期連結営業利益が前の期比17%増になったイトーキは大幅続伸、第三 者割当価格が15日に決定したNISグループは連日の大幅高。大和総研が18 日付で投資判断を「2(アウトパフォーム)」から「1(買い)」に引き上げ たメガネトップも連日で買いを集めた。

東証REIT指数が4日続伸。三井不動産が不動産投資信託(日本版RE IT)のフロンティア不動産投資法人の資産運用会社を設立母体であるJTか ら買収すると発表したことを受け、「REIT業界の再編が進む」(しんきん アセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長)との期待が高まった。 フロンテアの投資証券は午前にストップ高水準で寄り付いた後、午後は同水準 で買い気配のまま終了。

ディフェンシブに売り、マツキヨは下落率1位

半面、景気動向に左右されにくいディフェンシブ銘柄に下げるものが目立 ち、JR東海や東京電力、武田薬品工業が安い。3.3%安の東北電力と2.7% 安の大阪ガスについては、UBS証券が18日付で投資判断を引き下げている。

また、第3四半期(10-12月)に連結営業減益となり、前日にストップ 安(値幅制限の下限)比例配分だったマツモトキヨシホールディングスは連日 の大幅安で、東証1部の値下がり率トップ。15日発表した07年4-12月期の 連結営業利益が通期予想を上回り、前日ストップ高まで買われていた日本橋梁、 ドワンゴはともに反落。

新興3指数は高安まちまち

国内新興3市場では、直近で買い進まれたインターネット関連の主力株に 売りが優勢となったが、好材料の出た銘柄は着実に買われるなど、総じて底堅 い展開となった。ジャスダック指数の終値は前日比0.26ポイント(0.4%)安 の65.62、東証マザーズ指数が4.67ポイント(0.7%)安の688.83。ジャスダ ック指数とマザーズ指数はともに4営業日ぶりの反落。一方、大証ヘラクレス 指数は4.37ポイント(0.4%)高の1055.73と5日続伸。

個別では、前日買われたインデックス・ホールディングス、サイバー・コ ミュニケーションズ、アプリックス、アセット・マネジャーズがいずれも反落。 半面、前週末に07年12月通期決算を発表し、前日にストップ高となった楽天 が連日高。竹内製作所、アルデプロ、フィンテック グローバルが高い。前日 の取引時間中に、クラレと水処理設備事業を手掛ける合弁会社を設立したと発 表した野村マイクロ・サイエンスはこの日もストップ高。

--共同取材:近藤 雅岐  Editor:Shintaro Inkyo

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