キリン社長:豪社の買収検討、乳製品飲料2位-アジア大洋州戦略(3)

酒類を主力とする総合飲料国内最大手のキ リンホールディングスが豪乳製品・飲料2位のデアリーファーマーズの買収を検 討していることが明らかになった。キリンはアジア・オセアニアでの戦略強化を 進めており、昨年、同国乳製品・飲料最大手ナショナルフーズを完全子会社化し たばかり。

加藤壹康社長は18日のブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、今 後、豪州では乳製品・飲料市場の再編が進むとみており、ナショナルフーズの取 り込みについて「再編に有利な案件であれば、イニシアチブはとりたいというの が当初からの狙いだった」と説明したうえで、デアリーファーマーズの買収につ いても「当然、念頭に入れて考えている」と述べた。

デアリーファーマーズは年内にあらゆる選択肢を精査したうえで、他社によ る買収か、合併、株式上場などのどれを推し進めるか決めることを表明している。 加藤社長は、デアリーファーマーズについて「パートナーとしては非常に優れた 会社であることは間違いないし、優れた商品ラインアップを持っている」と評価 した。また、「規模のメリットや効率的な経営をするためのパートナー探しは非 常に重要な成長戦略の1つ」と語った。

新生証券の宮川淳子シニアアナリストは、キリンによるデアリーファーマー ズ買収の可能性について「ナショナルフーズと同じ豪州の会社で地理的に集中し ており、経営資源が分散することがなく効率的。事業強化という意味では評価で きる」とみている。

デアリーファーマーズは1900年にニューサウスウェールズ州で創業した牛 乳・乳製品の製造・販売を行う酪農農協共同組合組織。現在は不採算事業の打ち 切りや人員削減などを進め、株式上場か他社による買収の可能性を模索している。 豪州での牛乳、ヨーグルトではそれぞれシェア25%を持つ。

2月7日付の豪紙オーストラリアン・フィナンシャル・レビューによると、 デアリーファーマーズは企業価値が10億豪ドル(約995億円)で、キリン以外 の売却先候補として、同業大手の仏ダノングループや伊パルマラット、豪飲料大 手コカコーラ・アマティルの名前が挙がっている。

アジアとオセアニアで存在感を向上

キリンは国内酒類・清涼飲料事業の大きな成長が見込めないなか、海外事業 を強化している。特に「アジアとオセアニアの食と健康の領域でキリンの技術が 生かせる展開をしていきたい」(加藤社長)考えで、同市場でのキリングループ の存在感をさらに向上させることを狙っている。

07年にはフィリピン最大の飲料・食品メーカー、サンミゲルの子会社だっ たナショナルフーズを買収。ナショナルフーズはヨーグルトの世界的ブランド 「ヨープレイト」などで知られ、豪州・東南アジアに24カ所の製造拠点を持つ。 キリンは豪ビール子会社のライオンネイサンとナショナルフーズとの調達・物 流・販売網の共有化なども進める。飲料子会社キリンビバレッジのノウハウも活 用し、豪州やアジアでの飲料市場を開拓していく方針。

キリンは2015年を最終年とする長期経営計画で、酒税を除いた売上高2兆 5000億円、営業利益2500億円を目標とし、それぞれの海外比率を約3割に高め ることを目指している。

キリンの株価は前日比5円(0.3%)高の1735円(午後2時12分現在)。

--共同取材:曽宮 一恵 Editor:Masashi Hinoki、Tetsuki Murotani

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 白木 真紀 Maki Shiraki +81-3-3201-7644 mshiraki1@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net Peter Langan +81-3-3201-7241 plangan@bloomberg.net

Maki shiraki

企業別ニュース: