日本株:金融中心に上昇、欧州発で信用不安和らぐ-商社も上げ(2)

午前の東京株式相場は上昇。今週予定さ れている英金融機関の2007年10-12月期決算が好調との見通しや、カタール 投資庁が欧米銀行株の購入に今後1年で約150億ドルを投じる方針を示したこ となどから、前日の欧州株式相場が上昇した流れを受けた。信用リスク不安が 和らぎ、三菱UFJフィナンシャル・グループなど金融株に投資資金が流入。 一部アナリストが目標株価を引き上げた伊藤忠商事など大手商社株、外国為替 市場における円相場の落ち着きからトヨタ自動車など輸出関連株も高い。

日経平均株価の午前終値は前日比75円45銭(0.6%)高の1万3710円 85銭、TOPIXは同6.93ポイント(0.5%)高の1339.92。東証1部の売買 高は概算で9億5348万株、売買代金は1兆887億円。値上がり銘柄数は866、 値下がりは713。東証業種別指数は17業種が上昇、16業種が下落した。

住信アセットマネジメントの中谷方彦チーフファンドマネージャーは、米 サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の解決に向け、「当事 者である金融機関や各国の当局などが粛々と行動していることが、はっきりと 目に見える形で表れてきた」と評価した。

ただ中谷氏、足元の投資家動向について「本格的な買い出動はしておらず、 基本的には極端な悲観の修正による買い戻しの段階だ」と見ている。

欧州金融株が買われる、カタール投資庁の計画

18日は米国市場が祝日休場となる中、同日の欧州株式相場は銀行や金属 メーカーを中心に上昇。スイスの大手銀クレディ・スイス・グループはここ3 週間で最大の上げを記録。カタールが同行の株式買い増しを明らかにしたこと が好感された。好決算や増配への期待から、英銀バークレイズとロイズTSB グループも高い。金属相場の上昇を背景に、オーストラリアの鉱山大手BHP ビリトンも上げた。ダウ欧州株価指数の終値は前週末比1.9%高の323.53。

カタールのハマド・ビン・ジャシム・ビン・ジャブル・サーニ首相は、同 国がクレディ・スイス・グループの株式を買い増していることを明らかにする とともに、米欧の銀行株購入に今後1年で、最高150億ドル(約1兆6200億 円)を投じる方針を示した。カタール投資庁(QIA)最高経営責任者(CE O)でもある同首相は、ドーハでの17日のインタビューで、「われわれはク レディ・スイス株の一部を購入したが、まだその過程が半ばであるため、何% の株式を保有しているかは言えない」と話している。

3連休明けの米株動向見極めたい

この日の日本株は、前日の欧州株高を好感する形で買いが先行。取引開始 後間もなく166円高の1万3801円と高値を付けた。ただ、「3連休明けの米 国株式相場の動向を見極めるまで積極的な売買はしにくい状況」(日興コーデ ィアル証券の小林久恒シニアマーケットアナリスト)で、朝方の買い一巡後は、 戻り売り圧力に押される場面が目立った。

大和証券投資情報部の野間口毅上席次長は、英政府が経営危機にあった中 堅銀ノーザン・ロックの一時国有化を決めたことに続き、「欧州を中心に金融 関連の好材料が相次いで出てきており、世界的な信用不安が後退しつつある」 と指摘。その上で、今後は米大手金融保証会社(モノライン)に対する「有効 な救済スキームが打ち出せるかどうかが焦点」と見ている。

LME全面高で住友鉱に買い、伊藤忠は5%超上昇

18日のロンドン金属取引所(LME)では、銅やすず、ニッケルなどを 中心に全面高となった。銅先物相場(3カ月物)は前週末比3.2%高の1トン 当たり7974ドルで、4カ月ぶり高値に上昇した。金属価格高が収益にプラス に働く、住友金属鉱山や三井金属鉱業など非鉄金属株の一角に投資資金が向か った。住友鉱に関しては18日、フィリピンのニッケル工場の生産能力増強の ため、現在建設中の工場建設費用を上積みするとの材料も出ている。

伊藤忠が5%上昇、三菱商事が2.9%高となるなど、大手総合商社が軒並 み高い。LMEでの金属価格上昇を受けて権益ビジネスでの収益拡大期待が高 まったほか、日興シティグループ証券が18日付で三菱商、三井物産、伊藤忠 の目標株価をそれぞれ引き上げたことも買いに拍車をかけた。

このほか、主力のオフィス関連事業の好調を受け07年12月期連結営業利 益が前の期比17%増になったイトーキが急伸し、東証1部の上昇率1位。オ ートモーティブ事業の拡大などにより07年12月期連結営業利益が前の期比 13%増となったスミダ コーポレーションは大幅に5日続伸。

REIT指数は4日続伸

東証REIT指数が4日続伸。三井不動産が不動産投資信託(日本版RE IT)のフロンティア不動産投資法人の資産運用会社を設立母体であるJTか ら買収すると発表したことを受け、「REIT業界の再編が進む」(しんきん アセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長)との期待が高まった。 フロンテアの投資証券はストップ高(値幅制限の上限)買い気配で午前を終了。

ディフェンシブや海運に売り、マツキヨは下落率1位

半面、景気動向に左右されにくいディフェンシブ銘柄に下げるものが目立 ち、JR東海や東京電力、マルハニチロホールディングスが安い。東証業種別 33指数の年初からのパフォーマンスが最良の海運が連日で下落。

第3四半期(10-12月)に連結営業減益となり、前日にストップ安(値 幅制限の下限)比例配分だったマツモトキヨシホールディングスは連日の大幅 安で、東証1部の値下がり率トップ。前日ストップ高(値幅制限の上限)まで 買い進まれるなど直近で値を切り上げていたドワンゴは急反落。

--共同取材:近藤 雅岐   Editor:Shintaro Inkyo

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