ヘッジファンド投資家が強制破産求め提訴-勝訴なら異例の情報公開も

ヘッジファンド運用の米リッチー・キャピ タル・マネジメントは、ヘッジファンドの1つを強制的に破産させることで資 金回収を目指す投資家との、前代未聞ともいえる訴訟に直面している。

投資家側が勝訴すれば、リッチーは閉鎖的なヘッジファンド業界では非常 にまれなことだが、ディスクロージャー(情報公開)を迫られる可能性がある。 トレーディング戦略が明らかになり、ファンドマネジャーが損失をめぐり訴え られる公算も出てくる。ほかのファンドの投資家が、同様の訴訟を相次いで起 す可能性もある。

テキサス大学のジェイ・ウェストブルック教授(破産法)は、「ディスクロ ージャーの義務がある上場企業ではないヘッジファンドは、暗闇で運用し、そ の暗闇を好んでいる」と指摘する。

リッチーの代理人、ロナルド・バーリアント弁護士は、数百のヘッジファ ンドが常に失敗しているが、強制的な破産処理はほとんど聞いたことがないと 言う。

問題のヘッジファンド「リッチー・マルチストラテジー・グローバル」の 代理人は1月、投資会社3社が起した破産請求訴訟を打ち切るよう判事に要請。 投資会社側は、リッチーが責任を負うとするおよそ10億ドル(約1080億円) のうち4500万ドル以上を取り戻したいとしている。

リッチー側はマルチストラテジーを2年間にわたり縮小してきた。投資家 は、リッチーがマルチストラテジーの資産の大半を2億8500万ドルで売却した とみられる2007年4月当時のすべてのバランスシート(貸借対照表)の開示を 求めている。

リッチーの弁護団は、投資家はフォンドのリスクを承知しており、リッチ ーの内部をせんさくために破産処理を利用すべきではないとしている。

リッチーは最高経営責任者(CEO)のセイン・リッチー氏が1997年に設 立。広報担当のジャスティン・ミース氏は電話取材に対し、同社は現在、マル チストラテジーの残り資産を含め10億ドル以上の投資家資産を運用している と述べた。