日本株(終了)日経平均は小反発、価格合意で鉄鋼急伸-半導体も買い

週明けの東京株式相場は、日経平均株価 が小幅ながら反発。鉄鉱石の2008年度価格を前年度比65%引き上げることで ブラジルの資源大手と合意した新日本製鉄が急伸するなど、鉄鋼株が投資資金 を集めた。また、一部証券会社が半導体製造装置セクターに強気の見通しを示 し、アドバンテストなど関連銘柄の一角も高い。

日経平均株価の終値は前週末比12円84銭(0.1%)高の1万3635円40 銭。一方、TOPIXは同1.90ポイント(0.1%)安の1332.99と3営業日ぶ りに小幅反落した。東証1部の売買高は概算で21億6535万株、売買代金は2 兆4143億円。値上がり銘柄数は957、値下がりは681。東証業種別指数は18 業種が上昇、15業種が下落した。

免疫力は付く

みずほ投信投資顧問の柏原延行執行役員は、年初から2月上旬にかけて米 国で雇用やサービス業の景況感などで事前予想を大きく下回る指標が続出し、 「日本を含む世界の株式相場は1-3月期に米経済がマイナス成長に落ち込む 可能性が高いことを相当程度織り込んだ」と指摘。その上で、投資家の間で悪 材料に対する免疫力が付き、「相場に下方硬直性が出てきているため、足元で は上昇しやすい地合いにある」(同氏)との認識を示した。

こうした中、東証業種別33指数の値上がり率上位には鉄鋼、石油・石炭、 繊維製品、パルプ・紙など、値下がり率上位には保険、海運、卸売、鉱業など が並び、物色動向としては「リターン・リバーサルの動きが目立った」(BN Pパリバ証券の平塚基巳株式営業部部長)。年初から前週末15日までの騰落 率を見ると、パルプ・紙(マイナス19.3%)、繊維製品(同19.2%)、石 油・石炭(同19.1%)、鉄鋼(同17.4%)が下落率上位で、海運(プラス

10.3%)、卸売(マイナス1.0%)、保険(同1.6%)、鉱業(同7.5%)が上 昇率の上位を占有。この日は、これまで売られていた銘柄を買い戻す動きが主 体となったことが分かる。

米国の悪材料こなし午前堅調

前週末15日の米国では、複数のマクロ経済指標が悪化したほか、ミクロ 面でも家電量販最大手のベスト・バイが業績予想を下方修正するなど、悪材料 が目立った。そのため、米景気の先行き警戒感を背景に、この日の日本株は自 動車や電機など輸出関連株を中心に売りが先行すると想定する向きが多かった。 しかし、こうした米国発の悪材料をはね返し、日本株は上昇して開始。立花証 券の平野憲一執行役員によると、外国人投資家の売り圧力が後退し、「需給面 が改善に向かっている影響も見逃せない」という。この日取引開始前の外資系 証券経由の注文状況は差し引き880万株の買い越し観測だった。

その後も買いの勢いは続き、日経平均は午前10時40分過ぎに上げ幅を一 時200円近くまで拡大。東洋証券情報部の大塚竜太部長は、通期業績見通しの 下方修正を受け、株価が急落するケースが多かった3月期決算企業の第3四半 期業績の開示がピークを過ぎ、「業績に関する悪材料が相次ぐ懸念が後退して いることも、市場センチメントの改善につながっている」と話す。

午後に失速、海外イベント控える

ただ、午後に入ると急速に伸び悩んだ。野村証券プロダクト・マーケティ ング2部の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリストは、「世界経済の急減 速懸念は和らぎつつあるものの、今週も引き続き発表が相次ぐ米経済統計や欧 州金融機関の決算発表を見極めたいとの心理が強く働き、上値では利益確定や 戻り待ちの売りが出やすい」と指摘した。

今週は、海外で前週に続き重要イベントが目白押し。米国では19日に2 月の住宅市場指数、20日に1月の消費者物価と1月の住宅着工件数、21日に はフィラデルフィア連銀製造業景気指数や1月の半導体製造装置BBレシオな ど、経済統計の発表が多い。欧州では、ソシエテ・ジェネラルやBNPパリバ など大手金融機関が07年10-12月期決算を発表する。みずほ総合研究所の武 内浩二シニアエコノミストも、先行きの国内外景気や金融機関の損失拡大懸念 は根強いとし、底堅さを見せる現状にも「潮目が変わったとまでは言い切れず、 まだ安心はできない」と、ブルームバーグ・テレビとのインタビューで話した。

道筋付き鉄鋼株物色、日橋梁はストップ高

新日鉄のほか、JFEホールディングス、住友金属工業など鉄鋼株がほぼ 全面高。新日鉄が鉄鋼石の08年度価格を前年度比65%引き上げることで合意 したことが明らかになり、「ようやく鉄鋼価格への転嫁の道筋が付いた」(東 洋証の大塚氏)と受け止められたようだ。

また、受注環境の改善により07年4-12月期の連結営業利益が通期予想 を上回った日本橋梁がストップ高(値幅制限の上限)まで買われ、東証1部の 値上がり率トップ。欧州向けを中心に生地の輸出が好調で、07年4-12月期 業績が黒字に転換したGSIクレオスは急反発し、上昇率2位。海外連結子会 社の業績改善を理由に、08年3月期の連結業績予想を増額した近畿車両は続伸。

アドテストが日経平均を10円強押し上げ、東芝は大幅高

クレディ・スイス証券では15日付で、半導体製造装置(SPE)セクタ ーの投資判断を従来の「中立」から「強気」に引き上げた。これを受け、アド テストや東京精密、日立国際電気、東京エレクなどがそろって買われた。アド テストは5.6%高で終え、日経平均を10円強押し上げ上昇寄与度でトップ。

赤字の新世代DVD「HD―DVD」事業から事実上撤退する一方、成長 事業と位置付ける半導体では大型投資に踏み切り事業の選択と集中を一段と加 速すると、18日付の日本経済新聞朝刊で伝わった東芝は大幅に3日続伸。「ブ ルーレイ・ディスク」規格の勝利で決着する格好となったことでソニーは反発。

あいおい損が安値更新、マツキヨはストップ安配分

半面、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連の投資損 失が08年3月期連結決算で800億円超に上る見通しと17日付の読売新聞が報 じたあいおい損害保険は急反落し、昨年来安値を更新。会社側では午前10時 25分、東証の適時開示システムを通じて報道内容について、「当社から発表し たものではない。通期業績予想についても現在検討中」との立場を示した。

地域会社のNTT東日本、西日本に対し、関連子会社と一体の営業で健全 な市場競争を阻害している可能性が高いとして、18日に総務省が行政指導を実 施することになったNTTは続落。販売管理費の増加などから第3四半期(10 -12月)に連結営業減益となったマツモトキヨシホールディングスはストップ 安(値幅制限の下限)で比例配分され、東証1部の下落率1位。直近で株価の 戻りが目立っていた商船三井など海運株、三井物産などの商社株も安い。

新興3指数はそろって続伸、楽天がストップ高

国内新興3市場では、インターネット関連の主力株が買いを集めた。ジャ スダック指数の終値は前日比0.65ポイント(1.0%)高の65.88と3日続伸、 東証マザーズ指数が38.06ポイント(5.8%)高の693.50と3日続伸、大証ヘ ラクレス指数は39.68ポイント(3.9%)高の1051.36と4日続伸。

個別では、前週末に07年12月通期決算を発表した楽天がストップ高。楽 天の前期決算は大幅な営業減益となったが、懸念されていた子会社の膿を出し 切ったとの見方が広がり買いを集めた。このほか、インテリジェンス、インデ ックス・ホールディングス、ミクシィ、ACCEESS、アセット・マネジャ ーズが高い。半面、ジュピターテレコム、オプト、アプリックス、オンコセラ ピー・サイエンスが安い。