アジア諸国が価格統制や補助金を強化-大幅な米利下げ受け

自由市場の旗手であるバーナンキ米連邦準 備制度理事会(FRB)議長が、アジア諸国を統制経済に逆戻りさせている。

バーナンキ議長率いる連邦準備制度が実施した1990年以来となる大幅な利 下げにより、アジア当局のインフレ抑制措置の選択肢は狭まっている。利上げ げや自国通貨の上昇容認の代わりに、中国は肉や卵の価格を規制。マレーシア は食用油の在庫を拡大。インドネシアとフィリピンは公共料金を補助している。

こうした措置は逆効果をもたらす可能性がある。9日に東京で開かれた7 カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は声明で、人為的な価格引き下げや補 助金が石油など商品需要を拡大させるだけであり、最終的には世界的なインフ レ圧力の抑制が困難になるとの認識を示した。

格付け会社フィッチ・レーティングスのアジア・ソブリン・グループ総括 責任者ジェームズ・マコーマック氏は「こうした対応は、例えば中国などの国 が長年続けてきた取り組みに逆行するものだ」と指摘。「価格統制は、需給不 均衡の問題に対処していないため、効果を表さない」との見方を示した。

中国では過去50年間で最悪の降雪の影響で、人民銀の目標圏を上回ってい るインフレ率がさらに上昇した。スリランカの1月の消費者物価上昇率は20% を上回った。シンガポールのインフレ率も25年ぶりの高水準となった。

連邦準備制度が昨年9月以降、計2.25ポイントの利下げを実施し、フェデ ラルファンド(FF)金利の誘導目標を3%に引き下げたことで、アジアのジ レンマはより鮮明になった。米国とアジアの金利差拡大は、アジアへの外国資 本の流入を加速させ、資産バブルにつながる恐れがある。このため中国やイン ドなど域内の中銀は、金利差を一層拡大する利上げによるインフレ抑制にさら に消極的になっている。