日本株は下落へ、米国でマクロとミクロに悪材料-輸出中心売り(2)

週明けの東京株式相場は下落する見通し。 前週末15日の米国では、複数のマクロ経済指標が悪化したほか、ミクロ面で も家電量販大手のベスト・バイが業績予想を下方修正するなど、悪材料が目立 った。米景気の先行き警戒感を背景に、自動車や電機など輸出関連株を中心に 売りが先行しそうだ。

みずほ証券の北岡智哉ストラテジストは、「前週末の米株安の流れを引き 継ぎ、売り先行で始まる可能性はある」としながらも、市場参加者は悪材料に 慣れてきており、「下値ではPER(株価収益率)など投資指標面での割安感 に着目した買いも入りそうだ」(同氏)と予想している。

米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の15日清算値は1万 3575円で、同日の大阪証券取引所の終値(1万3610円)に比べて35円安だっ た。15日の日経平均株価は1万3622円56銭で取引を終えていた。

NY連銀指数や消費者態度指数、ベスト・バイ

15日の米国で午前中に発表された2つのマクロ経済指標が、市場予想を下 回った。ニューヨーク連銀が発表した2月の同地区の製造業景況指数はマイナ ス11.7(前月9.0)に低下し、マイナスはほぼ3年ぶりのこと。また、2月の ロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は69.6と、1992年2 月以来の低水準に落ち込んだ。1月の確定値は78.4だった。

このほかミクロ面では、家電量販最大手のベスト・バイが2007年12月- 08年2月(第4四半期)の売上高が目標に届かないとの見通しを示し、今年度 (3月1日終了)の利益見通しを下方修正した。

景気先行きへの懸念材料が相次いだことを受け、15日の米株式相場は売り 優勢の展開。ダウ工業株30種平均は前日比28.77ドル(0.2%)安の12348.21 ドル、ナスダック総合指数は同10.74ポイント(0.5%)安の2321.80で終え た。

ベアー・スターンズ買収観測、金融株に買い期待も

一方、15日の米市場では、証券大手のベアー・スターンズが買収案を提示 されるとの観測がトレーダーの間で広がったことをきっかけに、前日比1.6% 下落する場面もみられた金融株価指数が取引後半に反発し、同0.6%上昇して 引けた。USグローバル・インベストメンツスターズ(テキサス州サンアント ニオ、運用資産50億ドル)のシニアトレーダー、マイケル・ナスト氏は「ベ アー・スターンズについては2-3カ月間うわさが流れているが、買収額に関 する観測を聞くのは初めてだ」としていた。

世界的な金融再編期待の高まりを背景に、日本国内でも証券や銀行といっ た金融株に投資資金が向かうようなら、相場全体を下支えする効果が見込めそ うだ。

あいおい損やセシールが下落公算

個別では、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連の投 資損失が2008年3月期連結決算で800億円超に上る見通しと17日付の読売新 聞が報じたあいおい損害保険が下落する公算。地域会社のNTT東日本、西日 本に対し、関連子会社と一体の営業で健全な市場競争を阻害している可能性が 高いとして、18日に総務省が行政指導を実施することになったNTTも売られ る可能性がある。

また、カタログ用紙代の値上げなどのコスト上昇や減損損失計上により、 07年12月期の連結最終損失が従来の13億円から41億1900万円に拡大したセ シール、08年3月期通期の業績予想を下方修正した松尾橋梁、コロムビアミュ ージックエンタテインメント、エス・バイ・エルも軟調な展開となりそうだ。

全日空は上昇か、東芝に注目

半面、海外連結子会社の業績改善を理由に08年3月期の連結業績予想を 上方修正した近畿車両、4月搭乗分からの燃油特別付加運賃(サーチャージ) について500円から最大7000円の値上げを国土交通省に申請した全日本空輸 が買われる可能性がある。

このほか、赤字の新世代DVD「HD―DVD」事業から事実上撤退する 一方、成長事業と位置づける半導体では2工場の一斉建設という異例の大型投 資に踏み切り事業の選択と集中を一段と加速すると、18日付の日本経済新聞朝 刊で報じられた東芝の株価動向も注目される。

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