NY外為(15日):ドル下落、対ユーロでは年初来最大の落ち込み(2)

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユ ーロで下落、週間ベースでは年初から最大の下げを記録した。午前に発表され たニューヨーク連銀の2月の同地区の製造業景況指数やロイター・ミシガン大 学消費者マインド指数で落ち込みが示され、米国がリセッション(景気後退) へ突入するとの懸念が強まった。

ドルはユーロに対して約1週間ぶりの安値を記録。午前に発表された経済統 計を材料に、市場参加者は連邦公開市場委員会(FOMC)が3月の会合まで に政策金利を最大0.75ポイント引き下げるとの見方を維持した。利下げに伴い 米国債の魅力が損なわれることになる。カナダ・ドルは同国12月の製造業出 荷が前月比で4年半ぶり最大の落ち込みを記録したことが手掛かりとなり、売 られた。

バンク・オブ・モントリオールで外為部門バイスプレジデントのダイアン・ ヒースバーグ氏は、「この先まだ利下げが続くだろう」と語り、「それはドル 安シナリオでもある」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時7分現在、ドルは1ユーロ=1.4677ドルに下落。 前日遅くは同1.4643ドルだった。週間ベースでの1.2%安は12月以来で最大の 下落率だった。ドルは対円では107円82銭と、前日は107円87銭だった。週 間ベースでは対円で0.5%上昇した。

カナダ・ドルは対ドルで0.7%下落して1.0074カナダ・ドル。12月の製造業 出荷は前月比で3.4%減少したことから市場参加者は、カナダ中銀が政策金利 を引き下げると観測した。同国の政策金利は現在4%、12月4日と1月22日 に利下げを決定している。

ニューヨーク地区連銀景況指数

ニューヨーク連銀が発表した2月の同地区の製造業景況指数はマイナス11.7 (前月9.0)に低下した。マイナスはほぼ3年ぶりだった。2月のロイター・ ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は69.6と、1992年2月以来の低水 準に落ち込んだ。1月は確定値78.4だった。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は前日、「成長を支援し、 下振れリスクに対して十分な保険を提供するため、必要に応じて時宜を得た行 動をとる」と述べたほか、グリーンスパン前FRB議長はヒューストンで開催 された年次会議で講演し、米経済がリセッションの「縁にあることは明らか だ」と述べたことから、ドル売りが膨らんだ。

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は15日、ユーロ圏経済はなお「成 長が続いている」と述べた。

米財務省が発表した統計によると、外国の政府と投資家の間の中長期金融資 産取引額は12月に外国人からみて565億ドルの買い越しと、前月の同909億ド ルから減少した。

金利先物市場動向によると、3月18日のFOMC会合でフェデラルファン ド(FF)金利誘導目標が0.5ポイント引き下げられる確率は68%となってい る。残る32%は0.75ポイントの利下げを織り込んでいる。

対ユーロでのドルは、FOMCが03年以来初の利下げを決定した昨年9月 18日からこれまでに4.7%下落している。

円と株安

円は対ユーロで4日続落し、1ユーロ=158円20銭(前日は157円95銭)。 日銀の金融政策決定会合で金利据え置きが決定され、福井俊彦日銀総裁が「イ ンフレリスクは欧米に比べて小さい。インフレ期待が急に誘発されるリスクも 低い」と述べたのが嫌気された。

軟調な米国株を背景にこの日の円はドルに対して総じて堅調だった。低金利 通貨で資金を調達し、高金利通貨で運用するキャリー取引の解消につながり、 円が買われた。

1カ月物ドル・円オプションのインプライドボラティリティ(IV、予想変 動率)は10.85%と前日の10.75%から上昇した。ボラティリティが上昇すれば、 キャリートレードが解消される可能性がある。