メリルが東京で美術オークション-日本の「未来の巨匠」に注目

1950-60年代に日本の美術作品に資金を 投じた米富豪ジョン・ロックフェラー3世夫妻なら喜ぶに違いない。メリルリ ンチ日本証券が学生だけの作品を集めたオークションを開催するなど、日本の 現代美術のルネサンス(復興)につながる動きがあるからだ。

メリルリンチ日本証券と三菱UFJメリルリンチPB証券は21日、学生の 作品を対象に「未来の巨匠たち」というチャリティーオークションを東京で開 く。その4日前には京都でも学生作品のオークションがある。京都では昨年2 月、初めてこうした学生作品のオークションが開催され、その後に行われた10 月のオークションとともに熱心な美術コレクターの注目を集めた。

京都でのオークション開催を支援した美術コンサルタント会社、AGホー ルディングスの柴山哲治代表取締役は、ロックフェラー夫妻のような日本美術 の新たなパトロン(後援者)を見つけたいと考えている。米オークション大手、 サザビーズの日本代表だった同氏は、企業や富裕層に対し日本の現代美術のス ポンサーになるよう呼び掛けている。

柴山氏は、戦後の日本は経済復興が優先され、企業が文化や芸術を育てる 使命を置き忘れてしまったと話す。IT(情報技術)やサービス、銀行、医療、 科学といった新たな分野で富を築く人がいる一方で、芸術を支援する意義を伝 える必要があるという。

ここ5年間で日本の現代美術作品の相場は年30-50%で上昇。目利きのコ レクターは学生に注目することで、有名な美術作品と比べれば本当にわずかな 資金で将来有望な作品を買うことができる。

メリルリンチ日本証券でマーケティングなどを担当するディレクター、ジ ェーソン・ケンディ氏は、学生の作品を集めたオークションについて、作品発 表の場を求める学生と資金を投じる対象を探す日本のチャリティー団体という、 本当にふさわしい2つのコミュニティーに貢献することになると説明する。日 本でこうしたオークションのスポンサーになる金融機関はメリルが初めて。