東京外為:ドルの上値重い、FRB議長証言で株反落-108円回復できず

午前の東京外国為替市場では、ドル・円が 1ドル=108円ちょうどを下回る水準でドルの上値が抑えられる展開が続いて いる。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が議会証言で米景気の 下振れリスクや追加利下げの可能性を示したことがドルの重しとなっている上、 日米株価の反落を背景にリスク投資に対する警戒感から積極的に円を売る動き も限られている。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の井上英明グループマネージャーは、ド ル・円は海外市場で約1カ月ぶりのドル高値を付けたが、そのまま一気に109 円を目指すのかどうかのきっかけとして注目されたバーナンキ議長の議会証言 では、短期的に非常に厳しい見通しが示されたことで、株安を誘い、ドルの重 しになったと説明する。

一方、この日は日本銀行の金融政策決定会合の結果が発表されるが、「金 利の据え置きはほぼ確実で、相場への影響は限定的」(井上氏)と予想される。 また、需給面では、「週末、五・十日(ごとうび)ということで、午前中は輸 入企業のドル買いが予想される一方、戻り局面では輸出企業の先物のドル売り が重しとなる」(同)とみられている。

FRB議長証言で米株・ドルが反落

バーナンキFRB議長は14日、上院銀行住宅都市委員会の公聴会で証言し、 「信用コストの上昇と信用供給の減少が引き続き経済成長を抑制する一因にな る可能性が高いようだ。景気見通しは過去数カ月間に悪化し、成長の下振れリ スクは高まった」と指摘した。また、「成長を支援し、下振れリスクに対して 十分な保険を提供するため、必要に応じて時宜を得た行動をとる」と述べ、「金 融市場や信用供与で状況が急速に悪化すれば、一段の行動を促す警鐘とみなす べきだ」と明言した。

バーナンキ議長の証言を受け、14日の米株式相場は反落。また、外国為替 市場ではドル売りが強まり、ドル・円は証言前に付けた1月14日以来、1カ月 ぶりドル高値の1ドル=108円60銭から107円台後半へ下落した。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の宮地太郎バイスプレジデン トは、ここのところドル買い復活の兆しが見えていたが、米国内から出てくる モノライン関係のニュースなどを背景とした市場のセンチメントは弱いままで、 ドル売りの流れは変わっていないと指摘。「きのうは盛り返していたアジア株 も、米株の下落に引きずられる可能性があり、円買い圧力もかかりやすい」と みている。

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは14日、FGICの 金融保証会社(モノライン)部門の格付けを6段階引き下げ「A3」とした。 保証しているサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連証券の損 失を補うだけの資本増強ができなかったことを理由に挙げ、一段の格下げもあ り得るとしている。

利下げ観測後退でユーロ買い戻し

ユーロ・ドルも海外時間に一時、1ユーロ=1.4649ドルと1週間ぶりの水 準までドルが下落し、その後も安値付近での推移が続いている。

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は14日、ユーロ圏の経済状況が米 国や英国と「非常に異なっている」として、各国が個別に金融政策で対応する 必要があると主張した。また、ECB政策委員会メンバーのウェーバー独連銀 総裁は、インフレスパイラル回避に向けた政策当局者の姿勢を投資家は見過ご しているとして、ECBが利下げを実施するという見方は見当違いだとの見解 を示した。

三菱UFJ信託銀の井上氏は、ユーロについては早期利下げへの期待感が 高まっていたが、欧州のタカ派発言や賃金交渉の長期化、原油価格の反発など を受け、3月の利下げについては懐疑的な見方が強まってきているため、目先 はユーロの買い戻しが続くと予想。ただ、「来週以降、欧州金融機関の決算が 重なるので、再度ユーロの動向には注目していきたい」と語る。

一方、この日は米国で1月の鉱工業生産や2月のロイター・ミシガン大学 消費者マインド指数が発表される。井上氏は、今週発表された小売売上高が良 かっただけに、消費者マインド指数が注目されるとしながらも、「米国は3連 休前なので、午後に入るとポジション調整の展開になるということで、基本的 にドル・円の上値トライは仕切り直しと考えている」と語る。

フェデラルファンド(FF)金利先物相場は、米連邦公開市場委員会(F OMC)が3月の会合でFF金利の誘導目標(現行3%)を2.5%に引き下げる 確率を6割強、2%への確率を3割強織り込んでいる。

--共同取材:三浦和美 Editor:Tetsuzo Ushiroyama、Norihiko Kosaka

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 小宮 弘子 Hiroko Komiya

+81-3-3201-2371 hkomiya1@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo

+81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 香港 Sandy Hendry

+852-2977-6608 shendry@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE