2月14日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:反落。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は信用 市場のひっ迫で景気拡大が抑制される可能性に警告。また、アナリスト がコンピューター販売の鈍化から半導体最大手インテルの業績が打撃を 受けると予想したため、売り優勢になった。

米証券大手のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが信用市場 に関連し評価損が拡大するとの予想を示したことが嫌気され、ゴールド マン・サックス・グループやメリルリンチなど証券各社が売りに押され た。インテルは6営業日ぶりの下げ。S&P500種の業種別10指数はす べて下落した。

S&P500種株価指数終値は前日比18.35ポイント(1.3%)下げて

1348.86。ダウ工業株30種平均は同175.26ドル(1.4%)安の12376.98 ドルとなった。ナスダック総合指数は41.39ポイント(1.7%)下落し

2332.54。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は1対5。

スワースモア・グループ(フィラデルフィア)で16億ドルの資産運 用に携わるカート・ブラナー氏は「力強い健全な経済状況にはない」と 指摘。「株価指数が3日続伸したのは良いが、安定した上昇トレンドに あるとは考えていない。引き続き軟調局面を経験することになろう」と 述べた。

バーナンキ議長証言

バーナンキFRB議長の上院銀行住宅都市委員会の公聴会での証言 で、信用市場の損失が金融業界を超えて拡大するとの懸念が強まった。 このため、米週間の失業保険新規申請件数の減少や昨年10-12月期の日 本の国内総生産(GDP)が市場の予想に反して高い伸びとなったこと も、買いの持続にはつながらなかった。

バーナンキ議長は「信用コストの上昇と信用供給の減少が引き続き 経済成長を抑制する一因になる可能性が高いようだ」と指摘した。

証券大手のメリルリンチとゴールドマン・サックス、モルガン・ス タンレーがそろって下落。証券大手のリーマン・ブラザーズ・ホールデ ィングスはこれら3社の第1四半期利益見通しを引き下げた。

リーマンのアナリスト、ロジャー・フリーマン氏は投資家向けリポ ートで「再び証券大手の評価損に注目している」と指摘。S&P500種 の金融株価指数は前日比1.9%下落した。

インテルは前日比3.5%安と、ダウ平均の構成銘柄中で最も軟調だ った。ゴールドマンのアナリスト、ジェームズ・コベロ氏らはインテル について、「見通しに対する主要な下振れリスクはパソコン市場の著し い成長鈍化と利幅拡大が望めないことだ」と指摘した。ただ、ゴールド マンはインテルのファンダメンタルズ(基礎的諸条件)には変わりがな いとし、株式投資判断は「買い」で据え置いた。

コンピューター・グラフィックス(CG)用半導体大手、エヌビデ ィアは前日比16%安と、約3年ぶりの大幅な下げ。モルガン・スタンレ ーがエヌビディアの利益見通しを下方修正するとともに、同社の市場シ ェアが縮小するとの予想を示したことが手がかりとなり、売りに押され た。

資産規模で欧州最大の銀行、スイスのUBSの米国預託証券(AD R)は前日比8.3%下落。同行が発表した07年10-12月(第4四半 期)決算は評価損が響き、銀行としては過去最大の赤字となった。マル セル・ローナー最高経営責任者(CEO)は電話会議で、08年1-3月 (第1四半期)に黒字転換できるかどうかについて言及を避けた。

金融保証会社(モノライン)大手のMBIAとアムバック・ファイ ナンシャル・グループはS&P500種構成銘柄中で最も堅調だった。格 付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがMBIAとアムバ ックの2社は競合他社のFGICやXL・キャピタルと比較して「より 良い立場にある」と指摘したことが好感された。

ムーディーズはこの日、FGICのモノライン部門の格付けを6段 階引き下げ「A3」とした。従来の格付けは最高の「Aaa」。

MBIAは前日比8.4%高、アムバックは同12%上昇して引けた。

○米国債:10年債は3日続落。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長 が議会証言で追加利下げの用意があることを示唆したため、インフレが高進する との思惑が強まり、長期債を中心に売りが優勢になった。

信用市場の収縮が続く中、2年債と10年債の利回り差は2004年7月以 降で最大となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)がリセッション(景気 後退)を回避するために追加利下げを実施するとの見方が短期債を下支えてい る。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、イラ・ジャージー氏 は「短期債にはFOMCの利下げ見通しが支援材料になっており、長期債は将 来のインフレの方を懸念している」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時 22分現在、10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01 ポイント)上昇して3.81%。一時は3.86%と1月11日以来の高水準を付け た。10年債価格(表面利率3.5%、2018年2月償還)は5/8下げて97 15/32。

FTNファイナンシャルの機関債調査責任者、ジム・ボーゲル氏によると、 住宅ローン担保証券(MBS)の需要が弱まっていることは長期国債の買いに つながった。

30年債利回りは9bp上昇の4.64%。一時は4.69%と、昨年11月1 日以来の高水準を付けた。2年債は上昇し、利回りは2bp低下の1.89%。

バーナンキ証言

バーナンキ議長は上院銀行住宅都市委員会の公聴会で、銀行が貸し出しを 抑制する中、経済成長のリスクに対し「十分な保険」を提供する考えを表明し た。さらに「信用コストの上昇と信用供給の減少が引き続き経済成長を抑制す る一因になる可能性が高いようだ」と指摘した。

2年債と10年債の利回り差は191bpと過去4年弱で最大。この日は10 bpと、1日としては1月30日以来の大幅な拡大となった。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物相 場の動向によると、3月18日にFOMCが3%のFF金利誘導目標を2.50% まで引き下げる確率は74%。前日の68%から上昇した。0.75ポイントの利 下げ確率は26%に低下した。

信用市場の収縮が拡大する様相を呈していることも短期債の支援材料にな ている。

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは14日、FGIC の金融保証会社(モノライン)部門の格付けを6段階引き下げ「A3」とした。 従来の格付けは最高の「Aaa」。保証しているサブプライム(信用力の低い 個人向け)住宅ローン関連証券の損失を補うだけの資本増強ができなかったこ とを格下げの理由に挙げた。

UBSは13日、8200人の米ブローカーに対し、入札方式証券(ARS) の売れ残りを引き受けない方針を通知した。事情に詳しい関係者が明らかにし た。ARSは入札で金利を定期的に見直す、変動利率型の金融商品だが、最近 は入札で十分な買い手が集まらない状態が続いている。

RBCキャピタル・マーケッツの米国債トレーダー兼ストラテジスト、シ ョーン・マーフィー氏は「ARSは金融の根幹にある新たな深刻な問題だ。そ の不安が市場心理を凍らせている」と述べた。

○NY外為:ドルが下落。対ユーロで1週間ぶりの安値を付けた。バーナンキ米 連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言で追加利下げの可能性が示唆され たことを受け、ドルへの売りがかさんだ。

ドルは主要16通貨のうち11通貨に対して下落。バーナンキ議長は上院銀行 住宅都市委員会の公聴会で証言し、「成長を支援し、下振れリスクに対して十分 な保険を提供するため、必要に応じて時宜を得た行動をとる」と述べた。株式相 場が下げ、低金利で調達した資金を高利回り資産に投じるキャリートレードが解 消されるとの見方から、円は上昇した。

RBSグリニッチ・キャピタル・マーケッツ(コネティカット州グリニッチ) の国際通貨ストラテジー責任者、アラン・ラスキン氏は、「バーナンキ議長の発 言はかなりハト派寄りに感じられた」と語る。「ドル金利の低下はいずれ痛みを 伴う。ドルが上昇基調を維持するのは極めて難しい」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時10分現在、ドルは1ユーロ=1.4637ドルに下 落。一時は7日以来の安値を付けた。前日遅くは同1.4573ドルだった。ドルは 対円では1ドル=107円97銭に下落。一時は1カ月ぶりの高値に上昇する場面 もあった。前日遅くは同108円33銭。円は対ユーロで下落し、1ユーロ=158 円4銭。前日は同157円87銭だった。

バーナンキ議長はまた、「信用コストの上昇と信用供給の減少が引き続き経 済成長を抑制する一因になる可能性が高いようだ」と発言。これをきっかけに株 式市場では売りがかさみ、円は対ドルで値を戻した。大手金融機関が今年に入っ て計上した評価損は1460億ドルに膨らんでいる。バーナンキ議長の発言は信用 市場での損失がさらに莫大になるとの懸念を再燃させた。

オーストラリア・ドルは1豪ドル=90.17米セントに上昇。前日遅くは同

89.64米セントだった。オーストラリアの失業率が1974年以降の最低となった ことから、同国中銀は現在7%の政策金利を引き上げるとの観測が強まった。

「積極的利下げ」

四半世紀で最悪といわれる住宅不況を背景に、連邦公開市場委員会 (FOMC)は昨年9月以降5回にわたって利下げを実施。フェデラルファンド (FF)金利誘導目標を合計で2.25ポイント引き下げ3%に設定した。現在の 利下げ局面がスタートした9月18日以来、ドルは対ユーロで4.5%下げている。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドの通貨ストラテジスト、ポール・ ロブソン氏(ロンドン在勤)は、「FOMCは今後も積極的に金利を引き下げる 意思を明確に表示した」と指摘。「ユーロは対ドルで上昇を続けそうだ」と述べ、 3カ月内の対ドルでのユーロ相場レンジを1.48-1.50ドルとした。

シカゴ商品取引所(CBOT)の金利先物動向によると、3月18日の次回 FOMCで0.5ポイントの利下げがある確率は72%。残りは0.75ポイントの 利下げを予想している。

キャリートレード

同じ年限で比較した米国債に対するドイツ2年国債の上乗せ利回りは128 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)と、前日の120bpから拡大し、 ユーロ建て資産の投資妙味を高めた。

豪ドルは主要16通貨のうち13通貨に対して上昇。金利引き上げにより同国 資産への買いが増えるとの思惑から買いが集まった。オーストラリア統計局が発 表した雇用統計によると、1月の失業率は4.1%と、昨年12月の4.3%から低 下し、1974年以来で最低だった。

米株式相場が下げるに伴いキャリートレードの意欲が減退し、円は南アフリ カ・ランドに対して下げ渋った。円は1ランド=14円5銭と、前日から0.4% 下げた。

円は対豪ドルでも0.4%下落。一時は1カ月ぶりの安値となる1豪ドル= 98円14銭を付けた。

相場の変動性が緩和するとキャリートレードは活発化する傾向にある。1カ 月物ドル・円オプションのインプライド・ボラティリティ(予想変動率)は一時、 昨年12月31日以来最低の10.75%をつけた。前日は11.4%。

HSBCバンクUSAの上席通貨ストラテジスト、ロバート・リンチ氏(ニ ューヨーク在勤)は、「最悪の時期が過ぎたとは判断しがたい」と語る。「今の 市場でドル・円の流れが反転しているのは株価の下げに関連した展開だ。この関 係性はいまだに健在だ」と述べた。

バーナンキ議長は議会証言で、インフレを注意深く監視するとも発言。ゴー ルドマン・サックス・グループの上席通貨ストラテジスト、ジェンズ・ノードビ グ氏はインフレ加速の局面でFOMCが利下げを渋る可能性があるとの見方から、 この発言もドルの売り材料になったとみる。

同氏は「インフレによる束縛はFOMCの景気刺激能力を損なう。これはド ルにとってマイナスだ」と述べた。

○英国債:2年債に対する10年債の上乗せ利回りは拡大し、2004年5月以降で 最大となった。インフレ加速への懸念の高まりが背景。

2年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し

4.24%。同国債(2009年12月償還、表面利率5.75%)価格は0.02ポイント 上げ102.60となった。10年債利回りは3bp上げ4.64%。

金利先物動向によれば、イングランド銀行が追加利下げするとの観測が後退 した。金利先物12月限は4.67%と、前日の4.64%から上昇した。年初時点で は4.86%だった。

○欧州債:相場は4日続落。ドイツ10年債利回りは2週間ぶりに4%台に乗せ た。アジアと欧州の株式相場上昇を背景に安全投資としての国債需要が後退した。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が14日の議会証言で、追 加利下げの用意があると示唆したことを受け、世界的なインフレ懸念が高まった。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)のストラテ ジスト、アンディ・チェイター氏は、「相場がここから上昇するには、悪いニュ ースが続かなくてはならない」と述べ、「そうでなければ、利回りは上昇するの が自然な流れだ」と語った。

10年債利回りはロンドン時間午後3時54分までに、前日比5ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)上昇し4.02%となった。同国債(2018年1月 償還、表面利回り4%)価格は同0.40ポイント下げて99.975と、先月30日 以来の安値を付けた。RBSの見通しによれば、10年債利回りは3月末は4%、 7月末には3.8%に低下する。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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