米国債:10年債、続落-FRB議長の利下げ示唆でインフレ懸念

米国債市場で10年債は3日続落。バー ナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が議会証言で追加利下げの用意が あることを示唆したため、インフレが高進するとの思惑が強まり、長期債に売 りが出た。

信用市場の収縮が続く中、2年債と10年債の利回り差は2004年7月以 降で最大となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)がリセッション(景気 後退)を回避するために追加利下げを実施するとの見方が短期債を下支えてい る。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、イラ・ジャージー氏 は「短期債にはFOMCの利下げ見通しが支援材料になっており、長期債は将 来のインフレの方を懸念している」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時 22分現在、10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01 ポイント)上昇して3.81%。一時は3.86%と1月11日以来の高水準を付け た。10年債価格(表面利率3.5%、2018年2月償還)は5/8下げて97 15/32。

FTNファイナンシャルの機関債調査責任者、ジム・ボーゲル氏によると、 住宅ローン担保証券(MBS)の需要が弱まっていることは長期国債の買いに つながった。

30年債利回りは9bp上昇の4.64%。一時は4.69%と、昨年11月1 日以来の高水準を付けた。2年債は上昇し、利回りは2bp低下の1.89%。

バーナンキ証言

バーナンキ議長は上院銀行住宅都市委員会の公聴会で、銀行が貸し出しを 抑制する中、経済成長のリスクに対し「十分な保険」を提供する考えを表明し た。さらに「信用コストの上昇と信用供給の減少が引き続き経済成長を抑制す る一因になる可能性が高いようだ」と指摘した。

2年債と10年債の利回り差は191bpと過去4年弱で最大。この日は10 bpと、1日としては1月30日以来の大幅な拡大となった。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物相 場の動向によると、3月18日にFOMCが3%のFF金利誘導目標を2.50% まで引き下げる確率は74%。前日の68%から上昇した。0.75ポイントの利 下げ確率は26%に低下した。

信用市場の収縮が拡大する様相を呈していることも短期債の支援材料にな ている。

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは14日、FGIC の金融保証会社(モノライン)部門の格付けを6段階引き下げ「A3」とした。 従来の格付けは最高の「Aaa」。保証しているサブプライム(信用力の低い 個人向け)住宅ローン関連証券の損失を補うだけの資本増強ができなかったこ とを格下げの理由に挙げた。

UBSは13日、8200人の米ブローカーに対し、入札方式証券(ARS) の売れ残りを引き受けない方針を通知した。事情に詳しい関係者が明らかにし た。ARSは入札で金利を定期的に見直す、変動利率型の金融商品だが、最近 は入札で十分な買い手が集まらない状態が続いている。

RBCキャピタル・マーケッツの米国債トレーダー兼ストラテジスト、シ ョーン・マーフィー氏は「ARSは金融の根幹にある新たな深刻な問題だ。そ の不安が市場心理を凍らせている」と述べた。

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