野村証の松沢氏:GDPは予想外に強い、景気後退や利下げリスク軽減

野村証券のチーフストラテジスト、松沢中 氏は14日、ブルームバーグ テレビジョンとのインタビューで、前年10-12月 期の実質国内総生産(GDP)と債券相場への影響について、以下のようにコメ ントした。

10-12月期GDPについて:

「思いのほか強かった。企業の設備投資が予想外に非常に伸びた。短観(企 業短期経済観測調査)が示すほど企業マインドは冷えていなかったことが10- 12月に示された。先行きに関しては、10-12月は過去の数字なのであまり影響 ない。内憂外患と言われる日本経済の中で、内憂の部分は、これまでの心理指数 が示すほど企業活動は鈍っていなかった。リセッション(景気後退)リスクとか 日銀の利下げリスクは多少軽減されると思う」

次期日銀総裁人事では、武藤敏郎副総裁が有力候補だと言われているが:

「有力候補だと思う。今は執行部全般を見るべきだろう。副総裁を含めてど ういう人事があるか。白川方明元理事が副総裁に入ってくるかも注目」

「武藤副総裁は、これまで福井総裁をサポートしてきたので、基本的には彼 の考え方を継ぐだろう。白川元理事は、量的緩和解除の際に、日銀が出してきた 2つの政策の柱、物価の安定目標を事務方から支えた方。現行の枠組みを維持し ようとする力がかなり強く働くと思う。これまで日本の物価が他の国に比べて低 いことを正当化してきた。どちらかというとハト派ではないだろう。政策バイア スとしては、利下げは難しくなるだろう。しかし景気認識がそれを超えて悪化し てしまえば、もちろん利下げ論も出てくる。企業心理が悪化し設備投資が減少す るという形で実際に表れてこなければ、(利下げに)ならないとみている」

1-3月期の米景気動向について:

「景気後退に入るかどうかの瀬戸際にいるわけだが、回避するのではないか。 4月まで耐え切れば、5月あたりから財政の刺激効果が出てくる。そこまで行け ば、景況感後退はいったん薄らぐだろう。日本の場合は、問題の度合いが小さい。 景気は低迷していても景気後退にはならないだろう。企業のマインドも比較的明 るい」

日本の長期金利について:

「1月22日の長期金利は、米国・日本ともに景気後退を完全に織り込んだ 相場。そこから今は景気後退がないかもしれない方向に織り込んでいる。FRB はクレジットスプレッドに焦点を当てて、ある意味で金融市場に迎合した政策を 行っている。長期金利には上方バイアスがかかりやすく、長期債は手をつけづら い。スティープ(傾斜)化が起こりやすい状況」

「下は1.3%で底をつけたのではないか。5月あたりに米財政刺激策が意識 されて、景気後退懸念が薄れれば、1.6%あたりまでいったん戻るのではないか。

「金融政策は少なくとも利上げ方向には動けないので、長期債が主導する形 の相場になるだろう」