FRB議長:下振れリスクに「十分な保険」、「時宜を得た行動」公約(3)

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FR B)議長は14日、上院銀行住宅都市委員会の公聴会で証言し、景気悪化が続 けば、追加利下げを実施する用意があることを示唆した。

同議長は「成長を支援し、下振れリスクに対して十分な保険を提供するた め、必要に応じて時宜を得た行動をとる」と述べた。さらに「金融市場や信用 供与で状況が急速に悪化すれば、一段の行動を促す警鐘とみなすべきだ」と明 言した。

バーナンキ議長は「信用コストの上昇と信用供給の減少が引き続き経済成 長を抑制する一因になる可能性が高いようだ。景気見通しは過去数カ月間に悪 化し、成長の下振れリスクは高まった」と指摘した。

ただ、事態の緊急性については利下げを急ピッチで進めた1月の発言から トーンを弱めた。この日の証言では1月10日と17日に使用した「実効ある追 加行動」という文言を用いなかった。さらに、「異例の警戒と機動的な態勢を 維持する必要がある」との見解や「断固」とした決意で行動するという表現も 使わなかった。

JPモルガン・チェースのエコノミスト、マイケル・フェローリ氏(ニュ ーヨーク在勤)は「議長は少なくとも金融緩和ペースの減速に向けて布石を打 った格好だが、近いうちに金融緩和を止めることはありえない」と語った。J Pモルガンは3月18日の定例会合で米連邦公開市場委員会(FOMC)が

0.25ポイントの利下げを実施すると予想している。

フェデラルファンド(FF)金利先物相場はFOMCが6月末までにFF 金利の誘導目標を2%に引き下げることを示唆している。

バークレイズ・キャピタルのシニアエコノミスト、ジュリア・コロナド氏 (ニューヨーク在勤)は「FOMCは依然としてリスク管理姿勢の継続を望ん でおり、リスクが高まれば、様子を見るよりも利下げに踏み切るだろう。この 見方を変えるような議長の発言はなかった」と指摘した。バークレイズは3月 の0.5%利下げを予想している。

20日に公表が予定されているFRB理事や地区連銀総裁の四半期ごとの経 済見通しについて、バーナンキ議長は上半期の成長が「弱いが、なおプラス」 との予想になることを明らかにした。

バーナンキ議長は「成長が低迷した後、金融政策や財政出動による景気刺 激効果が表れるようになり、今年中に成長がやや強いペースで加速し始めると いうのがわたしの基本的な予想だ」と述べた。ただ、「基本予想は景気回復を 想定しているが、成長の下振れリスクが残っていることを認識することも重要 だ」と話した。

インフレ

バーナンキ議長は「今後数カ月、物価動向を注視していく」考えも明らか にした。完全雇用と物価安定という米金融当局の目標を達成するため、今後1 年間は「金融政策スタンスが適切かどうか判断する必要がある」と話した。

さらに「これまでインフレ期待は比較的うまく抑制されてきたようだ」と 指摘。「実体経済とインフレの中期的な見通しに加え、その予想に対するリス クを考慮しながら政策スタンスを決めるべきだ」との見解を示した。

同議長は「軟調な雇用市場のほか、高いエネルギー価格や株安、住宅市場 の低迷が短期的に個人消費を抑制する公算が大きそうだ」と述べた。