債券は軟調、GDP上振れや株高を警戒-1.45%では押し目買い(2)

債券相場は軟調(利回りは上昇)。前日の 米国市場で株高・長期債安となった地合いに加え、昨年10-12月期の国内総生 産(GDP)が予想を大きく上回り、日経平均株価が大幅続伸したことで売り が優勢となった。新発10年債利回りは朝方に1.45%まで上昇したが、その後は 押し目買いが入って相場は下げ渋った。

新光証券債券ストラテジストの三浦哲也氏は、「朝方はGDP統計が強め に出すぎたために大幅安で始まったが、その後は、押し目買いが入った。1- 3月期以降の景気減速を先取りしようという取引もあった」と説明した。

東京先物市場の中心限月3月物は、前日比39銭安い137円55銭で寄り付 き、直後に137円48銭まで下落した。その後は、徐々に下げ幅を縮める展開と なり、結局は15銭安の137円79銭で午前の取引を終えた。

日経平均株価は大幅続伸。一時は400円超の上昇となり、午前の終値は前 日比364円74銭高の1万3433円04銭となった。

新発10年債利回りは1.43%

現物債市場で新発10年物の289回2月債利回りは、前日比3.5ベーシスポ イント(bp)高の1.45%で始まった。これは前週末以来の高水準。その後は押し 目買いで水準をやや切り下げ、結局は1.5bp高い1.43%で午前の取引を終了。

実質GDPは上振れ、年率3.7%増

この日朝方に内閣府が発表した昨年10-12月期の実質GDP(速報値)は 前期比プラス0.9%、年率プラス3.7%となった。ブルームバーグ・ニュースの 調査によると、予想中央値は実質で前期比プラス0.4%、年率プラス1.7%だっ た。

三井住友海上火災保険投資部の高野徳義グループ長は、GDPについて、 「まだ懐疑的に見ている人が多い。10月から12月は為替が円安だったうえ、サ ブプライムの影響は年明け以降のほうが急激だった。影響が浸透してくるのは 1月から3月」と指摘。債券は売られたところでは買いという感じだという。

市場では、このほかにも「すでに焦点は1-3月期の成長率に移っている」 (クレディ・スイス証券の河野研郎債券調査部長)や、「1-3月期は今回の 反動が出るとの見方がある」(新光証券債券の三浦氏)、「米国の雇用や消費 の悪い数字が出てきたのは12月以降。日本に波及するのは1月以降なので、手 放しで喜べない」(T&Dアセットマネジメントの竹田竜彦ファンドマネジャ ー)といった声が聞かれた。

米国市場は株高・長期債下落

13日の米国債市場では2年債が底堅く推移した一方、長期債は下落。この 結果、10年債と2年債の利回り差が2004年以来で最大となった。信用市場での 損失が拡大するとの思惑が背景にある。

キャンター・フィッツジェラルドによると、2年債利回りは前日比ほぼ変 わらずの1.92%。一時は1.85%と、1月 23日に付けたほぼ4年ぶりの低水準 にあと1bpに迫った。10年債利回りは7bp上昇の3.73%程度。

一方、米株式相場は3日続伸。半導体製造装置最大手のアプライド・マテ リアルズの製品に対する需要が高まったことからテクノロジー株の上昇につな がった。また、ガソリン価格の上昇を好感しエネルギー株に買いが集まった。

きょうから日銀決定会合、現状維持の予想

この日は午後から、日本銀行の金融政策決定会合が2日間の予定で開催さ れる。ブルームバーグ・ニュースがまとめた調査では、有力日銀ウオッチャー 17人全員が現状維持を予想した。日銀の利下げ観測がくすぶる中、福井俊彦日 銀総裁会見に注目が集まっている。

野村証券のチーフストラテジスト、松沢中氏は「今後の金融政策運営を測 るうえで、G7(7カ国財務相・中央銀行総裁会議)で日米当局の景気認識が シェアされていると思う。それを受けて、どの程度、米国経済に対する認識が 変わるのか、変わっていないのかが注目される」と指摘。

一方、福井総裁会見について、松沢氏は「米連邦準備制度理事会(FRB) は明らかにマーケット、特にクレジットスプレッドに焦点を当てた金融政策運 営を行っている。日本でも少しクレジットスプレッド関連がじり高となってお り、信用収縮の傾向が出ている。日本の場合はそれほど大きな影響は今のとこ ろ出ていないが、これについて福井総裁が何か話をするかに注目している」と いう。

(債券価格)                            前日比        利回り
長期国債先物3月物         137.79       -0.15         1.611%
売買高(億円)             27759
10年物289回2月債        100.60                1.43%(+0.015)

--共同取材:池田祐美、船曳三郎 Editor:Hidenori Yamanaka,Norihiko Kosaka

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