モルガンSも日本で40人削減、外資で縮小相次ぐ-サブプライムで(3)

米証券大手モルガン・スタンレーが日本で の証券化業務を縮小し、約40人の従業員に退職勧告していることが14日まで に分かった。メリルリンチやシティグループも一部業務撤退や人員削減に動い ており、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の影響が大 きい外資系証券の間で日本での業務を縮小する動きが広がってきた。

複数の関係者によると、東京・恵比寿に日本の拠点を持つモルガンSは、 不動産などの証券化業務を縮小する。賃貸収入などを裏付けとした融資を証券 化する業務などが人員削減の対象となる。サブプライム問題で商業用不動産担 保証券(CMBS)を組み込んだ債務担保証券(CDO)の価格下落が世界的 に広がり、日本でも証券化の需要が減ってきているのが主な要因だ。

国内金融機関に逆転のチャンス

サブプライム問題は米国景気後退の原因になり、日本経済にも悪影響を及 ぼしている。金融市場の混乱を通じて日本企業の時価総額も過去4カ月で15% も縮小した。一方、金融庁によれば大手邦銀などのサブプライム関連損失は昨 年12月末で9月末の2倍の6000億円に拡大した。証券化商品への投融資など の失敗が背景だが、経営を揺るがす規模には至っていない。

一橋大学大学院国際企業戦略研究科の教授で、M&Aのアドバイザリー業 務を手がけるGCAホールディングスの佐山展生パートナーは、「最もダメー ジを受けているのは欧米の金融機関で、まだまだ日本でのビジネスの縮小と人 員削減は増えていくに違いない」と分析。一方で「日本の金融機関は地位を逆 転するチャンスだ」と大手邦銀や証券は今こそ業務拡大するべきだという。

メリル、日興シティ

関係者によれば、東京・日本橋が本社のメリルリンチ日本証券では先週、 日本で商業用の不動産を証券化して販売する部門を閉鎖し、11人が退職勧告を 受けた。一方、丸の内にオフィスを構えるシティ傘下の日興シティグループ証 券でも最大で全従業員の10%にあたる170人が退職する見通しだ。メリルやシ ティは直近の決算で巨額の赤字を計上している。

モルガン・スタンレーのエクゼクティブ・ディレクター渡辺美嘉広報担当 は、退職勧告については直接のコメントを避けたが、「現在、市場環境や事業 の優先度合い、個人の業績にかんがみ、人材の配置について継続的に見直しを 行っている」と述べた。

モルガン・スタンレーは、証券化業務は縮小するが、日本での不動産買収 業務は引き続き拡大していく方針。昨年に買収した全日本空輸の保有する国内 13のビジネス、リゾートホテルを含め、これまでに2兆円以上の資産に投資し てきたが、今後も買収先をてこ入れして価値を高めたうえで売却するなどのビ ジネスを強化する。

--共同取材:河元 伸吾、安 真理子 Editor:Kazu Hirano, Takashi Ueno

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