2月13日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国株と債券を更新します)

○米国株:米株式相場は3日続伸。半導体製造装置最大手のアプライ ド・マテリアルズの製品に対する需要が高まったことからテクノロジ ー株の上昇につながった。また、ガソリン価格の上昇を好感しエネル ギー株に買いが集まった。

アプライド・マテリアルズは5年ぶりの大幅高。これを受けてナス ダック総合指数は昨年11月以来の大幅な上げとなった。石油大手のエク ソンモービルやコノコフィリップスを中心に石油株も高い。商務省がガ ゾリン価格の上昇で先月の小売売上高が押し上げられたと発表したこと が背景。

ペン・キャピタル・マネジメントのシニア・マネジング・パートナ ー、エリック・グリーン氏は「株価の続伸は可能だ」と述べた上で「相 場が上昇すると予想している」と付け加えた。

S&P500種株価指数終値は前日比18.35ポイント(1.4%)上げて

1367.21。ダウ工業株30種平均は同178.83ドル(1.5%)高の12552.24 ドルとなった。ナスダック総合指数は53.89ポイント(2.3%)上昇し

2373.93。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は4対1。

アプライド・マテリアルズ

半導体製造装置最大手のアプライド・マテリアルズは10%高。薄型 パネルや太陽電池パネルに対する需要の高まりを背景に、受注が増加す るとの見通しを示した。

ストレージ(外部記憶装置)メーカーのネットワーク・アプライア ンスは前日比7%上げた。

石油大手のエクソンモービルとコノコフィリップスも堅調。S&P 500種のエネルギー株価指数は前日比2.3%上昇した。ニューヨーク商業 取引所(NYMEX)で取引される原油先物3月限は前日比49セント高 の1バレル=93.27ドル。

ガソリン売上高

米商務省が13日に発表した1月の小売売上高 (速報、季節調整済 み)は前月比0.3%増と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノ ミスト予想(0.3%減)に反して増加した。2007年12月は0.4%減と、 速報値から修正されなかった。変動の大きい自動車を除いたベースでは 前月比0.3%増加し、市場予想(0.2%増)を上回った。

ガソリンスタンドでの売上高は価格上昇を背景に2%増加(前月は 変わらず)した。全米自動車協会(AAA)によると、ガソリンのレギ ュラー価格は1月上旬に1ガロン=3.11ドルまで上昇した。

同指標の発表を受けて、S&P500種の小売り株価指数は前日比

0.3%上昇した。ディスカウントチェーン大手のターゲットは高い。米衣 料品小売り最大手ギャップも上昇して引けた。

バイオテクノロジー2位のジェネンテックは前日比1.3%高。同社 は今月23日までには米食品医薬品局(FDA)が同社の抗がん剤「アバ スティン」の乳がん治療への使用に関する承認について判断を下すと予 想している。アナリストはこれが承認されることになれば、今年の同社 売上高が7億ドル増加する可能性があると指摘している。

○米国債:10年債と2年債の利回り差が2004年以来で最大となった。信用 市場での損失が拡大するとの思惑が背景にある。

3カ月物財務省短期証券(TB)の利回りは5日ぶりに低下。地方自治体 が発行する入札方式証券(ARS)の売れ残りに対し、投資銀行が引き受けに 消極的になっているため、混乱期の安全な逃避先とみなされる短期債に買いが 入った。ARSは入札で金利を定期的に見直す、変動利率型の金融商品。

マニング・アンド・ナピアー・アドバイザーズで約40億ドルの債券資産 の運用に携わるジャック・バウアー氏は「ARSを敬遠する動きは信用が枯渇 しつつあることを示す新たな例だ。信用が収縮すると、経済成長を抑制する。 景気が軟化すればするほど、米国債を支援する」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時 5分現在、2年債利回りは前日比ほぼ変わらずの1.92%。一時は1.85%と、 1月23日に付けたほぼ4年ぶりの低水準にあと1ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)に迫った。2年債価格(表面利率2.125%、2010年1月償 還)は1/32近く上げて100 13/32。

3カ月物TB利回りは2bp低下の2.26%。10年債利回りは7bp上昇 の3.73%。

利回り格差が拡大するとの思惑から10年債売りが出た。同利回り差は 181bpと2004年8月以来で最大となった。

スティープ化

スタンダード・チャータードの政府債トレーディング責任者、マイケル・ フランゼーセ氏(ニューヨーク在勤)は「米連邦公開市場委員会(FOMC) が積極的に金融緩和を進めるとの見方から利回り曲線のスティープ化を予想し た取引が増えている」と指摘した。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物相 場の動向によると、3月18日にFOMCが3%のFF金利誘導目標を0.75 ポイント引き下げる確率は32%。前日は20%だった。0.5ポイントの利下げ 確率は68%。

公社債

最近、入札で十分な買い手が集まらない地方自治体発行のARSが増えて おり、ゴールドマン・サックス・グループやシティグループなどを通じた入札 では投資銀行自身も自己資金による引き受けに二の足を踏んでいる。

ブルームバーグが集めたデータによると、12日にゴールドマンを通じて実 施されたニューヨーク・ニュージャージー港湾公社(PANYNJ)のARS 入札では金利が20%に急上昇した。1週間前は4.3%だった。

メリルリンチが集計した指数によると、全残存期間の米国債の投資収益率 は年初から12日までに2.6%と、1988年以来で最高となった。

カルバート・アセット・マネジメントの債券ストラテジスト、スティーブ ン・バノーダー氏は「信用市場を敬遠し、流動性を確保する動きが強まってお り、景気が失速しているとの認識も高まっている。これらすべてが国債利回り の低下につながっている」と述べた。

○NY外為:円が下落。対ドルで1カ月ぶりの安値を付けた。1月の米小売売上 高が予想に反して増加したことから、米経済がリセッション(景気後退)に陥り 世界的な成長抑制につながるとの懸念が後退した。

米株式相場の上昇を背景に、円は主要16通貨のうち14通貨に対して売られ た。低金利の円で調達した資金を高利回り資産に投じるキャリートレードへの意 欲が強まった。ポンドは対ユーロで2週間ぶり高値。イングランド銀行がインフ レ見通しを引き上げたことから利下げ観測が後退した。

マニュファクチャラーズ&トレーダーズ・トラスト(ニューヨーク州バッフ ァロー)の主任通貨トレーダー、ブライアン・テーラー氏は、「これまで米景気 減速についての言及には行き過ぎがあった」と指摘。「したがって景気に関する 好材料ならば何であれ、株式の買いとキャリートレードの促進につながり、ひい ては円への売りを誘う」と説明した。

ニューヨーク時間午後3時18分現在、円は1ドル=108円19銭と、前日遅 くの同107円31銭から下げ、1月14日以来の安値をつけた。対ユーロでは1 ユーロ=157円67銭。前日遅くの同156円50銭から下げ、1週間ぶりの安値 を付けた。ドルは対ユーロでほぼ変わらずの1ユーロ=1.4576ドル。前日は同

1.4584ドルだった。

英利下げ観測の後退を背景に、ポンドは対ユーロで1月30日以来の高値と なる74.15ペンスをつけた。現在の相場は1ユーロ=74.19ペンス。前日は同

74.41ペンスだった。イングランド銀行は四半期報告で、今後2年間のインフレ 率が目標水準の2%を上回るとの見方を示すとともに、経済成長には依然として 「下振れ」リスクがあると指摘した。

小売売上高

米経済に成長の兆しが現れたことから、キャリートレードが活発になるとの 思惑が強まった。円は2004年末から昨年6月にかけ、キャリートレードによる 売りで、対ドルで15%下落。1月小売売上高(速報、季節調整済み)は前月比

0.3%増と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想(0.3%減) に反して増加した。2007年12月は0.4%減だった。

マニュファクチャラーズのテーラー氏はユーロが100日間移動平均の1ユ ーロ=1.4544ドルを割り込んでこの日の取引を終えれば、今月中に1.42ドル まで下げる可能性があると指摘した。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(ニューヨーク)の上席通貨ストラテ ジスト、マイケル・ウールフォーク氏は、小売売上高について「特に対円でのド ル買い材料だ」と指摘。「市場ではリスク回避の姿勢が和らぎ、キャリートレー ドを支援した」と付け加えた。

キャリー意欲

昨年はサブプライム(信用力の低い借り手向け)危機で変動率が上昇、金利 格差を利用した利益が消失するリスクが高まったことから、キャリートレードへ の意欲が薄れていた。ブルームバーグが世界の端末ユーザーを対象にまとめた調 査によると、世界経済の景況感を示すブルームバーグ・プロフェッショナル・グ ローバル景況指数は2月に14.3に低下し、3カ月連続で下げた。

円は昨年6月22日に5年ぶりの安値である1ドル=124円13銭を付けた後、 約13%戻している。1カ月物ドル・円オプションのインプライド・ボラティリテ ィ(IV、予想変動率)は昨年6月以降、平均約11%で推移。2004年末から昨 年5月末までの8.2%を上回っている。

日本の政策金利は0.5%と、ユーロ圏の4%や米国の3%、オーストラリア の7%を大きく下回る。S&P500種株価指数はこの日、1%を上回る値上がり となった。

円ロング

住宅不況が引き金となって米経済がリセッションに突入するとの懸念が強ま る中、今年に入り、円の先高観が強まっていた。商品先物取引委員会が発表した 通貨先物の建て玉報告によると、対ドルでの円ロング(買い持ち)は4年ぶりの 高水準に達した。

円ロングから円ショート(売り持ち)を差し引いたネットロングは2月5日 の時点で5万4690枚。前週の5万2928枚から増加し、2004年2月以来の水準 に達した。

ABNアムロの上席通貨ストラテジスト、ダスティン・リード氏(シカゴ在 勤)は、「投機的なポジションは現在、円ロングに傾いている」と語る。「予想 外のデータが出れば、ドルが対円で一気に上昇するリスクがある。けさの市場で はこれが現実のものとなった」と付け加えた。

○英国債:相場は下落。イングランド銀行がインフレ見通しを上方修正したこと を受け、利下げ観測が後退した。

イングランド銀は13日公表した四半期物価報告で、景気への下振れリスク を指摘しながらも、インフレ率が同行が目標とする2%を今後2年で超える可能 性があるとの見通しを示した。

2年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し

4.27%。同国債(2009年12月償還、表面利率5.75%)価格は0.03ポイント 下

げ102.56となった。10年債利回りも2bp上げ4.62%。

クレディ・スイス・グループがまとめた翌日物金利スワップ取引に基づく確 率指数 によれば、イングランド銀が3月7日に開く金融政策委員会(MPC)で 政策金利を0.25ポイント引き下げる確率が今週は14%と、従来の半分になった。

○欧州債:ドイツ10年債相場が下落。同利回りは2週間ぶりの高水準付近で推 移した。欧州の中央銀行がインフレリスクを強調したのに加え、1月の米小売売 上高が予想に反して増加したことが背景。

イングランド銀行は13日発表した四半期物価報告でインフレ見通しを引き 上げ、利下げ時期が市場が予想していたよりも先になる可能性を示唆した。スウ ェーデン中央銀行 は同日、インフレ抑制に向けて利上げを実施。市場は据え置き を予想していた。また欧州の株式相場が上昇したことを受け、安全投資としての 国債需要が減退した。

野村インターナショナルの債券ストラテジスト、ショーン・マロニー氏(ロ ンドン在勤)は「キング英中銀総裁の発言が利下げ観測を後退させた」と指摘し た。

10年債利回りはロンドン時間午後5時5分までに、前日比2ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)上昇し3.95%となった。同国債(2018年1月 償還、表面利回り4%)価格は同0.13ポイント下げて100.35。2年債利回り はほぼ変わらずの3.12%だった。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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